偏差値55での難関校受験は、あり? それとも、なし?
毎年、夏休み前後の時期、塾の公開模試の偏差値が55前後の男の子の保護者様から同じような質問を受けます。
だいたい関西の大手進学塾では、大阪星光や西大和などの難関校合格可能性の偏差値を60+α(塾により多少違います)とみています。
ですから点数だけから行くと、残念ながらこのお子さんは、受験しても不合格になる可能性が大。
おそらく通っている進学塾では、
「がんばって60をこえるところまで来たら受験を考えましょう」的なスタンスが多いのではないかと思います。
で、そういうお子さんは、だいたい次のような感じで受験を終えます。
- 大阪星光、西大和、清風南海、高槻、大阪桐蔭あたりを受験し、高槻や南海、桐蔭に合格 → 進学
- 大阪星光、西大和、東大寺に挑戦し失敗、清風合格で清風に進学
結局は実力相当の学校に進学した、ということになります(これが一つの現実です)。
ですが、
中には、大阪星光や西大和に合格を取ってくる子も4~5人に1人ぐらいはいます。
積極的にチャレンジすることも考えていい
管理人の住んでいるエリア(大阪南部)だと、大阪星光を志望していた子が、成績が伸び悩んだので、清風南海に第一志望を変更していくのが、だいたい夏休み明けの9月から始まります。
もちろん、そういった選択も当然「有り」で、入学後のがんばりで難関大学への道は開かれていきます。
ですが、「どうしても大阪星光があきらめきれないというのであれば、チャレンジすべきだ!」と管理人は考えます。
その理由は、
- 子供のモチベーションの問題
- 可能性の問題
順に書きます。
まずモチベーションの問題。
中学受験するうえで、最も大切なこと、それは
いかに子供のモチベーションを維持するか
ということです。
受験まで半年、今の段階で実力相当のところにと考え、子供にそう言って納得させると、今以上に努力しなくなる可能性があります。
その場合、逆に成績が低下し、現段階で可能性のある学校まで難しくなってくる場合があります。
合格の可能性はゼロではない
次に、合格可能性の問題です。
これは、絶対に合格しないとは言い切れないこと。
ただ、可能性としては非常に低いので、何らかの対策を講じる必要はあります。
大阪星光であれば、赤本の20年本を3回ぐらい繰り返してさせる(もちろん、塾の課題もこなしながら)ぐらいの意気込みは必要です。
3~4割しか取れなくてもめげずにきちんとやりこんでいく、覚えきれていないところは徹底的に覚える、できなかったところを徹底的に理解する、などといったことを、親子協力してやっていきましょう。
これをこなすだけの根性があれば、塾で受ける星光対策よりもよほど合格に近づく可能性があります。
あとは、対策として、塾の先生は嫌がるかもしれませんが、プロの家庭教師や個別指導に頼る、という手もあります。
塾の先生もプロなんですが、完全に一人一人を見てくれるわけではありません。
その点、費用は掛かりますが、プロの家庭教師や個別の先生に任せると、短い時間でも十分効果的に力を付けてくれる可能性が高いように思います。
ただし、
その際は、可能性を少しでも信じてやってくれる人を探してください。
講師によっては、「どうせだめだけどね」的なことを、陰でささやいているような人もいます。
(実際問題として、可能性を信じてくれる、子供にあった個別の講師や家庭教師を見つけるのは難しいものです。かといって、入試が迫っている時期に、家庭教師や個別指導の体験に時間をたくさんは割けません。しかも、いい先生ほどスケジュールは埋まっています。
こちらの要望をしっかり伝え、ピンポイントでできない問題を教えてもらう、ぐらいの気持ちで探しましょう。ちなみに、ボクがやっているスカイプ個別指導では、算数のピンポイントの指導も行っています。)
中学受験を将来のために利用する、ぐらいの気持ちで
実はあと一つ理由があります。
どうしても受験したいという子供の気持ちを押しとどめ、あきらめさせたら、後々、なんであの時受験させてくれなかった?と言われ続けます。
それはそれで親としてはなかなか辛いものがあります。
逆に、本人が納得の上、不合格になったら○○中学で頑張る、という気持ちをしっかり持たせておくと、中学になってからの頑張りがきくこともある。
大切なことは、中高6年間の過ごし方と、大学受験の方ですから、親は、そのために中学受験を上手に利用するぐらいのつもりでいた方がいいということです。
最難関受験を諦めるという選択も「あり」ですよ
もちろん、親子でしっかり話し合って、大阪星光を諦め、次善の策を考えるという方向も、悪い選択ではありません。
逆に、あのとき星光を諦めて別の学校を受験したけど、それがかえって良かったと後々思えるかもしれません。
実際、目標としていた学校にどうしても偏差値が届かず、1ランク下の学校に行った教え子が、最難関の大学に進学したという話もよくあります。
中学・高校に入ってからは、本人の意識がものを言うし、学校によっては、この子は頑張ってくれるのではと思った生徒には、積極的に力を入れてくれたりもしますから。
何より大切なことは?
いずれにせよ、親子で十分に話し合い、受験の方向を決めること。
そして、悔いのない受験にしていくこと。
あと付け加えるなら、最終的に進学した学校を、星光であれどこであれ、大好きになることです。自分が通う学校が好きになって、自分が通う学校に誇りを持てば、おのずと成績は上がり、自分が一番進みたい方面に進めることは本当によくあります。
こういったことを大切にしてください。
(ただし、併願受験のスケジュールは、これは親が中心になってきちんと考えておきましょう。)