算数ができる子になる「あたりまえ」の策 その2 図形編

中学受験に成功する子に育つ秘訣

考え方の土台ができた子が算数・数学を制するという話~図形編

算数で勉強していく内容は、大きく分けて

●「数の問題(計算を含む)」
●「図形」
●「文章題」

の3つです。

もちろん、中学受験で扱われる入試問題は、これらが相互にリンクした問題が出題されることが多く、単純な区分けは難しい面はあります。

しかし、そういった入試レベルの問題が扱えるようになるには、そもそもの前提として、絶対に知っておかないといけないことがあります。

それは、「考え方」の土台をしっかり作る重要性です。

これを知らずに低学年を過ごしてしまうと、中学受験のための勉強を始めても、そのために塾に通っても「空回り」してしまうという現実があります。
中学受験だけではありません。
この先、高校受験や大学受験を真剣に考えるのであれば、数学的な思考の大前提になるべき考え方の土台を、小学校低学年、遅くとも小学校4年が終わるまでに、何としても身につけておきたいものです。

「数の問題を考えるための土台」「図形問題をやっていくための土台」「文章問題をこなしていくための土台」、これら3つの土台をしっかり作っておくことが、本当の意味での実力養成につながります。

この先、中学受験で難関校を狙うときも、高校受験や大学受験で数学を確かな得点源にするためにも、そのベースになる土台の育成方法を知り、低学年のうちからこれを実践していくことには大きな意味があります。

今回は,「図形」の勉強について書いていきましょう。(「数の問題編」はこちら 「文章題編」はこちら

2 図形の問題

「図形分野」で扱う内容は多岐にわたります。

平面図形

平面図形では「角度を求める」,「面積を求める」といった基本から、「相似を利用する」,「辺の比を使って様々な問題に対処する」などとなり、入試問題では、こういった問題が複合的に絡み合った問題が出題されます。

立体図形

また、立体図形では、体積・容積や表面積を求められるようになるだけでなく、これに付随した切断や回転体、水量や深さの変化に絡む問題などが扱われます。

➤低学年のうちは「図形をイメージする」ことを重視する。

こういった問題に対処する前提として、低学年のうちに取り組んでおいていただきたいことがあります。
それは、「図形をイメージする力や図形に関するセンスを養う」ことです。
簡単なことではありません。平面図形でも、たとえばそれを折り返したり、回転させたりするととたんにできなくなってしまう子供はたくさんいます。ましてや、立体図形を切断したり、複雑に入り組んだ容器に水を入れたりするとなると、もうお手上げです。
ですが、難関校の入試に対応するには、こういった状況でもある程度図をイメージする力は要求されますから、避けて通ることはできません。
これに対応するために「図形のセンス」を磨けとはよく言われることです。
「図形のセンス」とは、平たく言えば「感覚的に図形の特徴を把握する力」のことです。
この力を伸ばしていくために、まず身につけてほしいのは、「図形を“しっかり見る”習慣」です。大人でもそうですが、人は意外と物の形をしっかり見ていないのです。普段よく目にしているものであっても、いざそれを絵に描くように言われたら、細部まで正確に描くのはなかなか難しいでしょう。
そこでまずやってほしいのは、「形の特徴を把握する」練習です。

❑平面図形

最初は正方形や長方形、正三角形、二等辺三角形など、簡単な平面図形の特徴をしっかり踏まえたうえで自分で描いてみる。
また、基本的な三角形を組み合わせたらどんな形ができるのか、合同な三角形のパネルを何枚か用意して実際にいろいろ作業してみる。長方形や三角形を折り曲げたら形がどう変化するか、もとの形とくらべて何がどうなるのか、実際に作業して確かめていく。そういった実際の経験、作業の積み重ねの上にイメージする力は養われていくのです。

❑立体図形

立体図形でも作業は重要です。
立方体や直方体などの多面体の展開図を用意し、実際に組み立ててみる。そのとき元の展開図の辺はどうなったか、頂点はどんなふうに集まったかをいちいち確認します。
また、立体の切断も切り方によって切り口の形が変わることなど、経験していないと実感しづらいことも実際にやってみる。そして、そういった作業で終わるのではなく、とにかくよく観察することが大切です。
さらに、その観察で分かったことを踏まえて見取り図を描くというのも役に立っていきます。

➤図形のセンスを磨く

意図的にそういう機会をつくることで、「しっかり見る」という習慣が身についてくれば、イメージできなかったことが徐々に形を結んできます。また、「しっかり見る」ことを通じて、図形の細かな特徴にも目が行くようになります。
教材に書かれたことをそのままうのみにすることなく、こういった作業を通じて得たことを、自分の経験に落とし込んでいくことができれば、自然と「図形のセンス」は磨かれていきます。

➤実際に図を描きながら、性質を身につけていく

5年生や6年生になれば、かなり高度な図形の問題を不通に扱います。

その際重要なことは、図の中に「分かっていること」を記号などでどんどん書き込んでいくということですが、例えば「平行四辺形」という文字が問題文にある場合を考えてみましょう。
平行四辺形の図の中に・対辺が等しい ・対角が等しい ・対角線が真ん中で交わる などといった「問題文に書かれていない条件」をしっかり書き込んで考えることになります。

しかし、ふだんから「しっかり見る」習慣ができていないと、こういった細かな点がすんなりと出てきません。
もちろん、指摘されたら分かるのですが、指摘されるまで気づかないと問題は解けないのです。
ふだんの作業で細かな点に気を付けて図をよく見たり、しっかり描いたりしていたら、こういったこともスムーズに乗り越えていけるはずです。

新教材の予告です

現在、「親と子の中学受験」では、次のようなプリントを作成しています。
算数が苦手な方、数の間隔をもっと磨きたい方に役立つ内容になると思います。

★ 無限繰上り練習プリント(2けた+1けた,2けた+2けた)
★ 無限繰り下がり練習プリント(2けた-1けた,2けた-2けた)
☆ ババゲー (内容はまだ秘密ですが,数の感覚を研ぎ澄ますための教材です)
☆ バラゲー,連続バラゲー (どちらも内容はまだ秘密ですが,これらも数の感覚を伸ばします)
☆ クミラク計算練習 (数のセンスを向上させる教材ですが,内容はまだ秘密です)
★ オリゲー (図形感覚向上に役立つ教材です)
★ キキゲー (これも図形感覚向上に役立つ教材です)
これ以外に、文章題を図で考える教材も鋭意作成しています。

すべて、小学校の低学年~4年生ぐらいまでが対象で、算数力の向上を目指すための教材になる予定です。

続き(数の問題編)はこちら

続き(文章題の問題編)はこちら

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