幼児期に身につけておきたい7つの資質 ~中学受験に成功する子、失敗する子

子供を賢く育てたい~中学受験成功の秘訣

中学受験で成功する子、失敗する子、いったい何が違う?

何が成功で何が失敗かをまずはっきりさせましょう。

中学受験で成功するとは、まず第1志望の学校(本当に自分の行きたかった学校)に合格すること。

それだけではなく、もう少し長い目で見たとき、入学した学校でいきいきと6年間を過ごせること。

もちろん、6年後に大学受験があるのならそこも無事通過してほしいと思います。

分かりやすい例を書けば、男の子で、小学校4年生ぐらいから灘中に行きたいと思いはじめ、みごと合格を勝ち取り、中高の6年間も満喫して、大学受験も自分の行きたかった学校にきちんと合格を取ってくるという感じでしょうか。

逆に、失敗するというのは、第1志望にしていた学校に不合格になるということではなく、ここでは、進学塾に通ったけれど、目標としていた学校の偏差値に全然届かず、不本意な受験に終わってしまうということにしておきます。

合格ラインの偏差値に達していても不合格になることは十分あり得る話ですし、その子が第2志望の学校に進学したとしても、それは決して失敗とは言えないと思うのです。

要は、自分が目標としていた学校の合格ラインまで成績を上げたら、とりあえず「成功」(目標校に合格したら、それはもう大成功ですね!)、そうでないなら「失敗」という見方をします。

で、今回取り上げたいのは、同じように塾に通い、同じように授業を受けても、成績を上げる子と、上げられない子が出てくる、その根本的な部分、子供たちの勉強のベースとなっている部分はどこで変わってきたのかという話です。

成績を上げる子の特徴を7つ

1 語彙力がある。

これは、たぶん、このブログの中で何度も繰り返し書いていると思います。

力をつけていく子は「語彙」が豊富。間違いありません。

文章を読んで理解する力の前提になるのも、自分の考えをきちんとまとめるのも、語彙が貧弱だと話になりません。
近年の大学入試改革で、「思考力・判断力・表現力」が重視されるようになりました。
具体的には「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」からなる学力の3要素が総合的に評価されるように改革が進んでいます(おそらく)。
こういったすべての力の根底で非常に重要なものは何といっても「語彙力」だろうと思います。

2 想像力、イメージする力がある。

物語を読んで、その場面を頭の中にイメージする力や解説の文章を読んで、具体的なものをイメージする力は、実力をつけていくために不可欠です。

算数の文章題でも、簡単な1行の問題は訓練で何とかなっても、条件が複雑になってきたら、一つ一つを解きほぐして、頭の中で具体的なものに置き換える作業が重視される場合があります。

イメージする力が貧弱だと、実力も貧弱になります。

3 好奇心が旺盛

勉強というのは、1を聞いてその1をきちんと身につけていくことが大切ですが、飛躍的に力をつけていく子は、1を聞いたら2も3も知りたくなります。

そして、それを知ろうとして、事典を見たり、本で調べたりします。

興味を持ったことに対して、普通、これは大人でもそうですが、貪欲になりますよね。

これが、勉強を進め、力をつけていく原動力になっていきます。

やればやるほど面白くなってきますから、そういう子はどんどん力をつけていきます。

4 粘り強い。

いくら瞬間的に頭が切れる子でも、この粘り強さを持っていないと、難関中学への合格は難しい。

分からないと思ったらすぐに諦めるのではなく、何とか答えに行きつきたいと努力できる子は、力をつけていきます。

塾では、相反する2つの課題を子供たちにつきつけます。

1つは膨大な量の宿題。

1つはテストや宿題をやったあとの間違い直し。

時間を節約するため、5分考えて分からなければ、先に進みなさい。こう指導するのが普通でしょう。

そして、できなかった問題を、解説片手にノートに書き写したり、解説を見ても分かりにくいときは、担当の先生に質問したりします。

すべて、効率よくやらないとまわりませんから、子供たちは機械人形のように、そのルーチンワークをこなします。

もちろん、これでもある程度力はつきます。典型題は身につきます。

ですが、最難関の学校で問われるような問題は、こうした勉強に相容れないものも多くありますから、ある程度、こういった学習を極め、それなりに成績が上がったとしても、最後の最後、本番の入試で失敗してくる子が出てくるのです。

どうしたらいいのでしょう。

答えは、「粘り強く考えたか」どうか。

5分で切り上げるのではなく、納得するまでできたかどうか。

これは、最難関の入試に向かう子供たちすべてに必要なことだと思います。

5 人の話がちゃんと聞ける。

人の話がちゃんと聞ける子は成績を上げてきます。

もちろん、前を向いておとなしく座っているだけではだめ。

お隣とお喋りしたり、後ろを振り返って何かもめたりするというのは論外。

真剣に授業に向かうことが大切です。

ノートを取りながら、というのは、どうでもよろしい。

授業中、先生の話す内容を、頭をフルに回転して理解し、自分のものにしようとしてくる子は、間違いなく最難関の学校に行きます。

そのレベルまで達していなくても、しっかり授業を聞く姿勢を持っている子で、成績低下に困る子はいません。

6 考える力がついている。

これは蛇足のようなものです。

ここまで書いたことが実行できていたら、当然、考える力は身についているはずですから。

7 素直。

意外と、見落とされがちなことに、この「素直さ」というものがあります。

授業を聞く→真似る→考える これが授業を受ける子供たちがしないといけない流れです。

ところが、素直さがないと、 授業を聞く→独自にやる→考えてもできなくて自滅する となってしまうのですが、実は、こういう子は多いです。

先生の言うことを無視して、勝手なやり方でやって、何となくできて有頂天になるけど、正しいやり方を身につけていないので、一発で終わる。

受験は一発勝負ですが、あたり、外れを競う博打ではありません。

こういった資質は幼児期で決まる

三つ子の魂百まで

ノーベル経済学賞のヘックマン教授は、「3、4歳の時期に適切な教育を受けなかった子どもは、教育投資の効果が小さくなり、学習意欲を高めることは難しく、効果は限定的なものになる」と、科学雑誌『Science』で発表しました。「三つ子の魂百まで」という言葉があるように、就学前の育児・教育が重要なポイントだと言えます。(「All About 子供の才能を伸ばす幼児教育とは」より)

そして、幼児期の教育が重要と言っても、読み書きは、そのうちだれもができるようになることだからやらせる意味がないとまで言われています。

最近は、幼児教育が一般的になっており、多くのご家庭で幼児期に「文字の読み書き」に取り組まれているようです。しかし、幼児期における早期教育で代表的な「文字の読み書き」については否定的な研究者が多く、お茶の水女子大学の内田伸子教授(発達心理学)によれば、「3歳での『読み書き』能力は、親の所得や教育投資額が多いほど高かったものの、小学校入学前には『読み書き』能力の差は消滅した」とのことです。(「All About 子供の才能を伸ばす幼児教育とは」より)

じゃ、いったい何をさせたらいいのか。

何も、お金をかけて幼児教育をしないといけないということはありません。

むしろ、逆です。

お父さんやお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんがしっかりと話しかけること、 話を聞いてあげること、 読み聞かせをやってあげること、 読み聞かせをした本の感想を一緒に話し合うこと、 目を見つめてあげること、 抱きしめてあげること、 子供の好奇心に応えてあげること、 一緒に書店に行くこと、 一緒に図書館に行って好きな本を探すのを手伝ってあげること、 一緒に問題を考えてあげること。 褒めてあげること。 悪いこと、人に迷惑をかける行いを叱ってあげること。 その際も、誰々に叱られるから(例えば昔ならお巡りさんに怒られるからとか)ではなく、どうしてダメなのかを目を見てきちんと説明してあげること。 一緒に動物園に行くこと、 一緒に公園に行って草花を見ること。

こういったことを、お金で買おうとしてはいけないし(働くママでも、時間が取れるときにじっくり付き合ってあげることが大切。もちろんパパも。)、放棄してはいけません。

すべては将来につながります。

中学受験だけでなく、その後の人生を切り開く力が、こういったことを土台にして開花していく、そう思って、取り組んであげてほしいと思います。

※この投稿は、2015年に書いたものに後日加筆・修正を加えたものです。

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