大阪星光の2021年度算数は難しかったのか?

大阪星光の2021年度算数の難易度と傾向

ざっと眺めてみます。

小問5個でできた大問1

大問1は小問5個あって、⑴が小数計算、やけに簡単。
⑵は2つの三角形の重なった図形で、面積の差を求めるもの。これも受験生ならすぐに対応できないといけない問題。
⑶は正六角形の問題。躊躇なくできます。
⑷はニュートン算。まさに教科書の例題レベルの問題。
⑸は数字を組み合わせてできる、2の倍数や3の倍数の個数を求める問題。
多少手間がかかるかもしれませんが、数え上げてもいいぐらいの問題。もちろん、場合分けをして計算でやる方法もありますが…

難易度は、はっきり言って「簡単」で、普通に教科書レベルをきちんと仕上げていた子でも十分対応できる問題でした。

大問2は点の移動とグラフ

点の移動の様子を考えながらグラフの数字を読み取るという、やや手間のかかる問題で、⑴ができないと⑵や⑶はできません。
なので、⑴をしっかり解かないといけないのですが、それがなかなか手間取ります。こういうところで焦りを招いて点数を落とさせ、これ以降の大問3~5で頭が空転することを狙った、いつもの星光らしい(?)問題。
⑴で手間取りそうなら、飛ばして先に進んだ方がいいでしょう。ただし、⑴が正解できたら⑵、⑶は割と楽です。

大問3は立方体の切断

1辺に3個、全部で27個の小立方体を積み上げてできる大きな立方体を切断して、小立方体が何個切断されるかを問う問題です。
難関中学狙いで勉強してきた子には、できて当然の問題。

サイコロの目の数を考える大問4

4個のサイコロの並べ方を変えて、表面に出ているサイコロの目の数の和の最大と最小を問う問題。
隠れた面の目を考えるだけなので、ていねいにやれば問題なく正解が出ます。教科書の例題レベルの問題ですね。

大問5で和算が出た!

和算、つまり西洋の数学が導入されるまでに日本国内で独自に発展した数学的な考え方全般をさすことばで、その中でも特に子供でも理解しやすいものは、今でも算数の勉強をしていたら出てきます。つるかめ算や旅人算がその代表です。
その中で一般に「油分け算」と呼ばれるものが、今回大阪星光で出題されました。
3Lのビーカーと5Lのビーカーを使って正確に1Lの水を量りとる手順が、例として挙げられています。
油分け算にまったく触れたことがなくても、例を解読すれば「どういう作業をすればいいか」は一応分かります。
この1Lを正確に量りとることを、7L、9L、21Lの3つのビーカーから2つずつ選んでできるかどうか考えなさい、という問題。
問題の後半では、1Lを正確に量りとることができない場合、その理由を答えないといけません。
作業を丁寧にやっていけば何となくできない場合の理由はつかめそうですが、初めて油分け算をやったという子には多少荷が重いかもしれません。

もちろん、簡単な解き方はありますから、見たことがある、やったことがあるという受験生には有利だったと思います。

大阪星光2021年算数の難しさは?

ということで、2021年度の大阪星光の算数は簡単だったのでしょうか。
ここまで触れてきたように、点数化しにくいポイントもいくつかはあります。
特に大問2はそうですね。
ですが、それ以外の問題は、点数化できるものがほとんどです。1問1問を丁寧にミスなくできれば高得点も充分可能。

そのため、算数の受験者平均も前の年より14点アップの82.3点(120点満点)
合格者平均に至っては99.8点(前年比17点以上アップ)となっています。
2022年度入試は「ミスが命取り」の入試でした。

2021年度入試では、星光によく出る速さの問題が皆無でしたから、2022年は出題の可能性は高いですね。

大阪星光算数の教科書2024年度入試対応

大阪星光の算数対応の教科書「中学受験算数ザ・バイブル「大阪星光学院」2024年度入試用」が無事完成しました。(こちらから詳細をご覧ください。
2024年度入試で大阪星光受験を考えている受験生は、必携です。

内容を紹介します

1 過去15年分の入試問題と解説(年度順)

過去15年分の大阪星光の算数入試問題を年度別に収録、丁寧に解説を施した冊子です。
過去問を単元別に編集しなおした入試問題集と実物入試問題15年分を付録としてつけています。

2 大阪星光予想模擬問題10回分

過去の出題例を踏まえ、傾向を考えて作成した予想模擬テストです。

3 大阪星光過去問単元別収録及び類似問題・頻出単元強化問題集

過去15年分の大阪星光の算数入試問題を単元別に分類、整理し掲載、さらにその単元を攻略するための基礎になる問題、入試類似問題とそれらの解法を収録した問題集です。
頻出問題,同傾向問題を収録した問題集を進めることで、その単元の得点力をアップできます。
収録類題については、過去出題された内容と同じようなレベル、同じような傾向の問題を厳選しました。また、過去の傾向から今後出題が予想される問題も掲載しました。

単元は次の5つです。それぞれPDF版にて提供しております。

・数の問題編 (整数・小数・分数・規則性・数の性質・場合の数)

・割合・文章題編 (食塩水、商売その他割合・比・つるかめ算などの文章題)

・速さ編 (速さに関する頻出問題)

・平面図形と移動編 (辺の比と面積・点の移動・図形の移動・点の反射など)

・立体図形編 (水問題や立体切断、影の問題)

詳しくは次のページをご覧ください。
中学受験算数ザ・バイブル「大阪星光学院」2024年度入試用

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