中学受験、難関校は過去問演習に取り組んだ方がいいの?

敵を知り己を知れば百戦殆うからず

これは、古代中国の春秋戦国時代に書かれた兵法書「孫子」の中の一節です。

あまりにも有名なので、皆さん、ご存知ですよね。

正しくは次のようになっています。

彼を知り己を知れば百戦殆ふからず。

彼を知らずして己を知れば一勝一負す。

彼を知らず己を知らざれば戦ふ毎に殆ふし。

この「孫子」の一節、中学受験でも通用しますか?

果たして中学受験でも同じことは言えるでしょうか?

答えはイエスでもありノーでもある気がします。

もちろん、目標とする学校がどんな問題を出してくるか、ここ数年の実際の入試問題を見れば、ある程度そのレベルは分かります。

どんな形式で出題されているか、途中式は必要か、全部で何問あって、1問にどの程度時間を使えるのか、などなど。

ですが、何が出題されるかまでは、当然ですが、分かりません。

ですから最近の大手塾では「過去問をさせる」ことに時間を割くよりももっと予想問題などいろんな問題に触れさせておきたいと考えているようで、どちらかと言えば過去問をやること、させることにあまり重きを置かない傾向にあるようです。

「過去問を重視しない」という選択

それはそれで正しい方法ではあるのでしょう。

なんですが、

孫子の言葉をもう一度書くと、

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」

この「敵を知る」部分を全て塾任せにして本当にいいのでしょうか?

過去問も重視するという選択

実際の問題に身を浸して、時間内に四苦八苦して解答を作り上げる、こういう、「身をもって知る」部分が、これから入試を迎える六年生には必要なのではないか、ボクはそう思います。

同じ「難関校」とひとくくりにされていても、実際の入試問題はそれぞれの学校でかなり違います。

灘や甲陽、東大寺に洛南、大阪星光に洛星、西大和、女子校の神戸女学院や四天王寺、…

問題の質や傾向は、大きく違います。

もちろん、年によっては難易度や傾向に若干の振れ幅はあります。

ですが、「おおまかに見て」その振れ幅は、それぞれの学校の、ボクたち塾講師の想定の枠組みから大きく外れることはほとんどないのです。

ということは、それぞれの学校の傾向をしっかり掴んだ上で、その対策もある程度可能なのではないでしょうか。

そういう意味で、特に算数で、受験勉強の中に「過去問も重視して」組み込んでいくことは非常に意味のあることだと思います。

全ての難関校で過去問演習は役立つのか?

ここからは「算数」に特化して書いていきます。

そんな過去問ですが、では、難関校全てにおいて、過去問を重視した対策をしていかなければいけないのか?ということですが、結論から書くと、

すべての難関中学で過去問演習は非常に意味がある、とは言えない

ということなんです。

または、少し言い方を変えれば、

過去問を一生懸命やったからと言って、合格に大きく近づかない学校もある

となります。

どの学校は過去問を重視すべきか

ここからは、このサイトの管理人の独断ですが、参考になさってくださいね。

過去問演習が役立つ学校

大阪星光学院

甲陽学院

洛星

四天王寺

過去問演習があまり役立たない学校

東大寺学園

神戸女学院

ある程度役立つと思われる学校

西大和学園

洛南

いざ取り組んでみよう!

取り組む年度にもよりますが、特に「役立つ」として挙げた学校の過去問には、しっかり、真剣に、できるだけ疑問点を残さないように取り組んでください。

必ず力になるはずです。

そして、ここでボクが「役立つ」と列記した学校を受験した教え子なんかは、真剣に必死になって過去問に取り組んできた子のほうが、目標校へ合格していった割合が高いように思います。

ただ、これはあくまでもボク個人の感想であり、感触です。

数字による裏付けはないし、正確な人数は残念ながら分かりません。

ですが、やってみる価値はあると思います。

記事が気に入ったら「いいね」してください!