子どものタイプに合った勉強のさせ方が入試成功の秘訣
中学受験には向き、不向きがある。
中学受験というのは、子供が、精神的にも肉体的にも徐々に大人に近づいていくという、まさにその途中で行われます。
子供それぞれに成長速度が違うので、子供によっては「中学受験には不利」という状況になる場合があります。
幼い頃から聡明で、頭の回転の早い子は中学受験に向いているかもしれません。
また、物事を多少でも抽象化して考えられるようになってきた子は有利でしょう。
子供脳から大人脳への切り替わりが早い子は中学受験で優位に立てるのです。
それに対して、逆に、何をするにも時間がかかり、ひとつのことを理解するのに時間がかかる子は向いていないと言われることが多い気がします。
また、物事を抽象化して考えにくい子も不利かもしれません。
なんですが、これがすべてではもちろんありません。
・何をするにも時間がかかり、理解も遅いような子が、コツコツ勉強を積み上げて、立派な成績を残すこともある
・頭の回転の早い子が、真面目に努力せず、散々な結果になることもしょっちゅうです。
時間がかかるタイプの子で成功する子は、諦めることを教わっていない。
どこかで、転機になることがあったりします。「○○ちゃんはえらいね。」「よくがんばったね。」親や、先生からこんな言葉がけを受け、もっとがんばるようになったという話を、昔の教え子から聞いたことがあります。時間はかかるけど、ちゃんとやっていれば、いい点も取れるし、親も先生も誉めてくれる。理解も進んでいくので、もっとやろうと思うようになる。
このタイプの子には、「どうしてできないの?」「もっと早くやりなさい!」といった声かけは逆効果。その子のペースに合わせてじっくりさせてあげるのが大切でしょう。
ですが、中学受験で塾から与えられる課題は膨大です。
この場合、すべてをきちんとこなすことは時間的に不可能。
なので、取り組んでいく課題に優先順位をつけ、できる範囲できっちりさせていくことが望ましいのではないでしょうか。
周囲の大人、特にお母さん、お父さんが課題をコントロールし、塾の先生にも理解を求めないといけません。
頭の回転が速いタイプで失敗するパターン。
3年や4年まではそれほど努力しなくてもそれなりに点が取れてきた子によくあることですが、4年の後半や5年になると、徐々に点が出なくなる。別に息切れしている訳ではなく、内容が難しくなるので、努力が必要なときに努力ができないことが原因になるのでしょう。
こういう状態に陥ったときは、とにかく早い対処が必要です。努力することを身につける。努力の仕方を教えること。早い対処があれば、もともと頭の回転の早い子は、すぐに復活していきます。
また、こういったタイプの子供は、メリハリをしっかりつけて、やるときはやる、遊ぶときは遊ぶという切り替えを上手にさせてあげるといいでしょう。
決して、だらだらといつまでも机の前で過ごすことがないようにしてあげないと、その子の良さがスポイルされてしまいます。
子供の様子をしっかり観察しておく
子供は、上記2つのパターンに完璧に分類されるわけではありません。
子供の様子をよく観察しながら、どういうスタイルで勉強させるのがいいか見極めないといけません。
ゆっくりタイプだと思って、課題を減らす方向でさせていたら、本人が手を抜くことを覚えてしまった、とか、こつこつ努力することを知らない子だと思って、ひたすら机の前で勉強させていたら、勉強そのものが嫌いになった、とかいうこともあります。
まずは、与えられている課題を全部こなせるか、さぼっていないか、観察するところから始めましょう。
塾の先生の意見も参考にし、子供の状況がわかってきたら、素早く動いて対処していってあげましょう。
※ この記事は、2014年に書いていた記事に大幅に加筆・修正を加えたものです。
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