幼児教育に励んで、将来伸びる子供になるのか?

子供を賢く育てたい~中学受験成功の秘訣

”小学校に入る前からせっせと塾通い”をすすめたくない理由

小学校受験をして,国立や有名私立小学校へ入学。
そして,中学受験または内部進学で中学校へ。

管理人が見てきた子供たちの2割はこういう子供たちでした。

その中で,中学受験した子に限って言えば,「成功したな,よかった」と思えた子はその中の3人に1人ぐらい。じゃ,残り3分の2はどうなのかというと,5年から6年にかけて失速する子もたくさんいて,そういう子の受験はとても残念な結果になってきたように思います。

中学受験と幼児期の教育,大切なことは?

要は,その子にとっての一番大事な時期にきちんと伸ばせたか,ということではないでしょうか。

小学校の入学前、小学校の低学年のとき、こういった時期に「学力を伸ばす」ということは、別にどうでもいいことです。

ここで言った「きちんと伸ばす」というのは、人の話を、素直に、真剣に聞けるかどうか、これが身に付いたかどうかです。

さらに言えば、自分が興味のあることに、真剣に取り組むという経験です。

幼児期の教育で将来は変わってしまう

子供によっては幼児期の教育で「完全に芽を摘まれた」と思うような、残念な子もいます。

特によく目にするのは、

・要領だけよくなって中身が伴わない子。
・他人からどう見えるか、だけにこだわる子。

具体的に書くとこういうことです。

小学校の3年か4年で、彼らは進学塾にやってきます。
そして、算数でも国語でもこれは変わらないのですが、テストをし返却するとします。
すると,返却されてきたテストの点数が悪いときの反応は、今までさんざん「お勉強させられてきたのだろうな」という子らには共通する部分があります。

だいたい、次のようなパターンです。

・点数が悪くても自分の非を認めない。
・点数をごまかす。
・点数が悪かったことに対して言い訳をする。

こういった反応を見せる子供たちは,小学校の2年や3年でテストの成績がいいように見えても決して伸びません。
そして、残念なことに、4年や5年でその大半が失速してしまいます。

こういった子供たちが、先に挙げたような反応をするようになった理由、原因、は、
決めつけてはいけないのでしょうけど、次のような点が考えられる気がします。

・いままでおりこうちゃんでいたから,テスト結果が悪いことに対して真摯に向かいあえないこと
・かっこいい自分を見せるために,あるいはお母さんに叱られないように点数をごまかすことを覚えてしまったこと。

そして、何が起こるかというと、自分の点数と正面から向き合わない結果,悪かった部分の修正ができません。悪いところを悪いと認めようとしないのですね。
そして、ますます点数が悪くなっていく。

安易に幼児期に勉強させるのは要注意

この悪循環の先に待ち構えているのは、驚くほど成績が下がっていくという事態です。

幼児期の教育のすべてが悪いわけではないでしょうし、同じ幼児教室に通っていても、自分の問題にきちんと対処することができる子ももちろんいるでしょう。

ですが、その何割かは、幼児期に必要以上に勉強させられた結果として、将来伸びない子になってしまったとしたら、安易に「勉強させる」というのがいいのかどうか考えさせられます。

では、同じ幼児教室に通ったとして、将来伸びる子とそうでない子という差が生まれるのはなぜか。

これは、そこに通わせている親のスタンスが違うから、なんでしょう。
「何が何でも点数を取ってきなさい」的なスタンス、幼児期から点数で子供を追い込んでいくという姿勢でいると、いつの間にか子供には「点を取らないこと=悪いこと」という刷り込みがなされます。

もちろん、せっかく高いお金を払って幼児教室に入れて、勉強しているのだから、ちゃんと点数を取らないとダメ、と思う気持ちは分からなくはないのですが。

でも、これだと本当に「将来伸びる芽」を摘んでしまいかねないでしょう。

先に、「完全に芽を摘まれた」と書きましたが、要領だけよくなる、外面を極端に気にする、ということも含めて、これから伸びていくための芽が摘まれていってしまうということです。

勉強ができるとか、才能があるとか、頭がいい悪いとかは一切関係なく、きちんと「問題」に対処する姿勢や、もっと言えば、勉強に真摯に取り組むことなど、これから先の長い人生にとって非常に大切なことが、早くも小学校の低学年で抜け落ちしまったら、それははっきり言って「親」の責任です。

もちろん、同じようにやってきた子供がすべてそういう状態になるというわけではありません。

きちんと、真摯な姿勢でいろんな問題に向かっていける子もいます。
でも、その割合はかなり低い。

幼いうちからできた悪癖の修正は難しい

そして、もっと深刻なのは、この状態がこの先なかなか修正できないという点です。

塾でも、この状態に陥っている子に対して何とか修正しようと担当の先生ががんばってくれることはあります。でも、そうでない子に対するよりも何倍も労力がかかります。
小学校4年ぐらいで、修正にかかり、ふつうのことがやっとできるようになるのに1年かかることもあります。
5年だとやや手遅れ、6年でまだこんな状態だともはや修正は不可能といってもいいぐらいなんです。
つまり、すぐそこに迫った中学受験には間に合わない。

結局、将来伸びる子にできるかどうかは「親しだい」

自分ができないならまだしも、自分ができないのは○○君のせいだ、とか言い出す子供が必ずいます。
場合によっては、○○君をターゲットに仲間を作っていじめに入ったりするのです。
まったく卑劣きわまりなく、性格まで歪んでしまったのかと感じる子も最近はよく目にします。

そういった点を親に指摘する(もちろんやんわりと)と、自分の子の擁護に入ります。
うちの子が悪いわけがない。
うちの子から話は聞いていますが、相手が悪いんでしょ?
みたいな言い訳もよく聞きます。

というか、自分の子供の「何」を見ているのでしょうか。

子供がそうなってしまった原因は、親と、子供が幼児期に受けた教育にあるような気がします。

では、親は、(将来中学受験をさせるとして)子供の幼児期にどんな教育を与えたらいいのでしょう。

結論から書けば、放っておくのが一番いい、となります。

もちろん、これは勉強という一面についてです。

小学校入学前でも、数字やひらがな、漢字など、子供が興味を持って「知りたい」という欲求があれば教えたらいいし、ほかのことに関しても、子供が強く興味を示せば、一緒に歩んであげたらいい。それに、興味を抱いたことを徹底的に追究するのは、子供の将来に必ず生きてきます。

無理に勉強させる、塾に行くことを無理強いするなどは一切不要。

幼児教室によっては、小学校入学後も3年生ぐらいまでは授業を行うところもあります。

中には、そこで算数であれば小学校5年ぐらいまでの内容をどんどん進めてくるところもあるようです。

管理人的には、こういった先取りは一切不要、というか、その後の勉強の邪魔になるだけだし、あと一つ言い添えておくと、小3ぐらいまでで、そんな先取りに耐えられる子は10人に1人もいません。小3ぐらいまでの間は、「先取り学習」はやってはいけないレベルのことだと思います。
それよりも、将来に生かせることを真剣に考えて、題材を工夫して、子供に与えてほしい、それができていないのは、その幼児教室に力がないということだと、そう感じます。

ですから、親としては、常に「将来役に立つかどうか」ということを意識して、「今」させるべきこと、させたいことを子供のために考えてやりましょう。

※ この記事は、2014年に管理人が書いた「幼児教育と行き末」という記事に加筆と、大幅な修正をしたものです。

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