小学校へ入る前の習い事、何が役立つ?

ここでは、将来、難関中学を受験するための土台をつくる、という意味での、幼児期の習い事を考えます。

中学受験の準備のためには、塾に入れるのは早ければ早い方がいい?

小学校入学以前から、幼児教室通いさせている方、多いですね。
管理人が働いていた同じビルにも、その向かいにも、小学校のお受験も含めた、幼児教室があります。
熱心なお母さん方、たまにお父さん方が送り迎えしています。
どちらも結構な賑わい。お受験では定評のある幼児教室らしいですから、それも当然です。

小学校へ入る前の習い事としては

・お受験対策の授業を行うところ
・才能開花のための授業を行うところ
・基本的な学力をつけるためのところ
・幼児英語

主なところで、これぐらいがささっと頭に浮かびました。ほかにも習い事としては、運動系のものや音楽系のものがありますが、ここでは「勉強」中心で、将来の難関中学受験に必要か、無駄になるかという観点で見たいと思います。

まず1番の「お受験対策」

これは、中学受験とはまったく無関係。

保護者の中には、有名国私立小学校へ通わせると、中学受験が有利になるかも、と淡い期待をされている方もいるかもしれませんが、全く関係ありません。
むしろ、有名私立小学校の場合、学校からも中学受験にとって無駄な課題を多く与えられ、やりたい中学受験のための勉強に時間を十分さけないといった苦情を耳にすることもよくあります。

また、国立の教育大や教育学部付属の小学校でも、内部進級しようとすると、「こんなことどーでもええやん」みたいな重箱の隅をつつくような問題が出題されるため、その対策の勉強に無駄な時間がかかります。
中途半端なお母さんは、内部進級も捨てがたく、結局「虻蜂取らず」みたいな結果に終わってしまいます。

その点、公立の小学校に行った子は、時間の使い方も自由、学校は気分転換の場と割り切って(だいたい、学校の授業にほとんど何も求めてはいないので)自分の受験勉強をサクサク進めます。学校は集団行動や、協調性を学ぶ場としては有意義です。(いろいろな子供がいて、そういった子の中で揉まれることは子供の将来にとって決してマイナスになることはありませんから)

ですので、中学受験のためには、国私立小学校に行く必要は全くなく、お受験は不要なので、お受験対策の塾は無駄。

次に2番の「才能開花」。

何の才能を何のために開花させるか謎。芸術関係の才能は早い時期から育てないといけないのかもしれませんが、勉強に関する才能は、焦る必要はないと思います。
それに、今の日本で、正直「天才」と言われるような子は生きていく場所そのものがない。
海外に行ったら話は違う(受け入れの態勢ができている)が、日本では無駄でしょ?

中学受験は、才能でやるものではないし。
ちょっとした才能があれば、あとは訓練でどうにでもなるし、訓練そのものは、小4以降にやればいいのです。それで十分間に合うから。

ただ、一点擁護できることがあるとすれば、数に対する感覚や図形認識力、柔軟な発想力みたいなものは、つけておいて損はしません。
それでも、わざわざ塾に通う必要は無いように思います。知育玩具なんかで十分な気はします。

3番目の基本的な学力養成。

これは「公文式」に代表される習い事。
ハードルは低く、通うのにもそんなに構えて、ということがない点はいいかもしれません。

ですが、小学校の入学前から行かせて、何かメリットがあるのでしょうか。
小学校に入ってから(小学校の授業の進度、びっくりするぐらい遅いですし)でも十分間に合う。

ある程度、数に関する感覚を、入学前に持たせていれば、それで十分。

逆に、小学校で習うことに新鮮味が感じられず、授業がつまらなくなって、授業をまともに受けられない子を作りそうな気がします。

我が家で「公文式」は?

ちなみに、管理人の上の子(女の子)は、小学校1年から公文を習いましたが、あの繰り返しをそれほど嫌がらず、小3まで続けて、受験には多少役に立ったようです。
ですが、下の子(男の子)は、繰り返しがいやでいやで、3か月持ちませんでした。(そんな下の子は男子の最難関の中学の一つに合格しました)

4番目の幼児英会話

何のために行かせるのか管理人には理解できません。
英語の音楽に合わせてリズムを取って体を動かし、英語で歌が歌えるようになることにどれほどの意味がありますか。

英語なんかは、中学になってから一生懸命勉強したら十分だと思います。
英語耳は幼少時からやった方がいいとか、たまに聴きますが、別に母国語ではないし、中学からの勉強で会話力も十分身につきます。
なので、不要です。

最近、文科省は英語の「聞く」「話す」を重視していますが…

小学校からの英語教育採用や、中学の「会話重視」の指導要綱など、「聞けて」「話せる」という英語教育には、国ぐるみで熱心です。
センター試験が廃止された後の試験では、英語に関しては外部のテストを行います!って公言しているし。

だから、早くから英語教育に熱心になってね、ということなんでしょうか。

確かに、グローバルに活躍していかないといけない世の中なので、英語はできないよりできたほうがいいに決まっています。

(なんですが、会話ができる、相手の話を聴きとれる、それだけのために、母国語である日本語の習得が疎かになるようなばかげた政策は早急にやめにしてほしい、とは思います。)

日本語で「読み」「書き」「思考すること」を満足にできるようになることこそが最重要

英語教育の重要性はそれなりにはわかるのですが、それよりか、管理人は、子供たちの日本語能力の低さを憂慮します。
英語の会話を習うのなら、正しい日本語の使い方や、日本語で書かれた文の読み取りをもっときちんとできるようにするために労力を割いてほしいと思います。

そしてこれは、何も塾に行って身につけるたぐいのものではなく、普段の会話をもっと増やす、親が子にいい文章を読み聞かせするなど、日常生活のちょっとした工夫でできるものですから、そちらに力を入れていただきたいなあと思うのです。

英語よりはまず日本語を!

幼児教育にとって肝心なこと

何を習わせるにしろ、大切なのは、子どもが一生懸命になってやれているかどうかではないかと思います。お勉強を習うということだけではなく、ピアノやバレイ、野球やサッカーでも構いません。

一生懸命になってやれば集中力が鍛えられます。これが実は中学受験のときに非常に役に立ちます。

小学校へ入る前の習い事、ということで書いてきましたが、何より大切なことを最後に書いておきます。

それは、子供が一生懸命になれることを見つけてやる、そしてそれが見つかったら、全力でバックアップする。

これが、幼い子に親がやってあげられる一番大切なことではないでしょうか。

ついでに書くと、将来の考える力や多少の基礎力も必要だと感じるのなら、親子で一緒に進めていけるような教材(Z会 幼児コースとか、月刊教材ポピーとかの通信教材で十分)を、少しずつ「楽しみながら」やっていくのがいいのではないかと個人的には思います。

※ この記事は、2014年に公開した記事に管理人が加筆・修正を加えたものです。

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