医学科合格への抜け道?~中学受験と医学部志向2
最難関の入試を避けて、医学科に行く方法
人の命を預かる仕事だからこそ、「勉強ができるだけ」の人には向かない。
医師というのは非常に過酷な仕事です。
常に患者の命と向き合わないといけない、命を預かるという性質上、ただ単に「成績がいいから」という理由だけで医学部を選んではいけません。
医師といっても、研究医から臨床医まで、さまざまな仕事がありますから、患者とじかに向き合う必要はなくても、患者の命を救うという使命は同じです。
そういう使命を持てる人にこそ、医者という職業を選んでほしいのですが、近年の医学部医学科の入試は難しくなりすぎました。
大学合格実績を見ても分かる「医学科の難しさ」
学校名 | 東大 | 京大 | 阪大 | 他国公立 医学部医学科 |
---|---|---|---|---|
灘 | 15/91 | 22/42 | 15 | 42 |
東大寺 | 0/18 | 11/57 | 6 | 41 |
洛南 | 2/20 | 13/76 | 11 | 68 |
甲陽 | 0/27 | 5/43 | 8 | 32 |
大阪星光 | 0/16 | 3/41 | 4 | 32 |
洛星 | 0/10 | 5/42 | 1 | 29 |
四天王寺 | 1/1 | 1/16 | 3 | 56 |
西大和 | 0/30 | 0/57 | 1 | 53 |
清風南海 | 0/6 | 0/30 | 0 | 26 |
北野 | 0/7 | 1/84 | 0 | 19 |
天王寺 | 0/3 | 0/63 | 0 | 21 |
智辯和歌山 | 0/7 | 3/21 | 1 | 46 |
白陵 | 0/18 | 0/16 | 2 | 35 |
膳所 | 0/4 | 0/61 | 0 | 24 |
清風 | 0/2 | 1/14 | 0 | 21 |
帝塚山 | 0/4 | 0/19 | 0 | 21 |
大阪桐蔭 | 0/1 | 1/51 | 0 | 19 |
高槻 | 0/1 | 1/17 | 1 | 18 |
六甲 | 1/8 | 0/17 | 0 | 19 |
須磨学園 | 0/2 | 1/17 | 1 | 16 |
奈良 | 0/1 | 0/37 | 3 | 14 |
奈良学園 | 0/0 | 0/10 | 0 | 15 |
ここに挙げたのはどこも難関校といわれる学校ばかりです。
東大と京大に関しては、(医学部医学科合格者数/全合格者数)で表しています。
近畿在住の大多数の保護者は、これらのうちの一つに進学してくれたら、ある程度満足(?)されるのではないかと思います。
さて、ここで医学部として、東大、京大、阪大という3つの学校+他の国公立という分け方で掲載しました。
これほどの難関校からでも、東大理Ⅲ、京大医学部医学科、阪大医学部医学科というのは難しいことがわかりますね。
他の国公立の医学部医学科でも、それがたとえ地方であったとしても、難易度レベルは東大や京大の他の理系学部程度の難しさです。
中途半端な勉強では、医学部医学科は難しい
そして、これもよく言われることですが、単科の医科大学の数学の入試問題は非常に難しい。
つまり、生半可な勉強では、国公立の医学部医学科はなかなか突破できない難関だということです。
あれだけ勉強させると評判の大阪桐蔭から、国公立の医学部医学科には20名(これを多いと考えるか少ないと考えるか)合格です。
つまり、やみくもに勉強したって、医学部の扉はなかなか開けられないってことです。
医学部進学のための塾や予備校が流行るのも納得ですね。
鉄緑会や研伸館といった現役生対象のところもそうですし、河合塾や駿台といった予備校でも医学部を志望する生徒がせっせと通っています。
ですが、果たしてその中で何人の生徒が結果を出せるのでしょう。
やたら難しいことを猛スピードで進めていくというスタイル。
特別優秀な生徒はついていきますが、大多数は必死で勉強してやっと何とか、というレベル。
しかも、それは特に医学部受験に特化しているというわけではありません。
特に現役生(中1~高2)にとっては、学校の勉強も進めながらの取り組みになりますから、これはキツいに決まっています。
ついていけず途中で脱落する生徒もいます。
なんですが、実はもう少し簡単に医学部医学科に行く抜け道もあります
それは「推薦」です。
地方国公立の医学部医学科や、医学部だけの単科大学。
近畿地方で言えば、滋賀医科大、京都府立医科大、奈良県立医大、和歌山県立医大などですが、ある程度の成績があることと、現役もしくは1年の浪人生であれば、「推薦」という制度で、それらの大学に合格できる可能性があります。
例えば、和歌山県立医大の場合、「一般枠(県内募集)」「県民医療枠(全国募集)」「地域医療枠(県内募集)」という3つの推薦枠があります。
県内募集というのは、高校が和歌山県内にあるか、または居住地が和歌山県内。全国募集枠は、地域を問いません。ただし、県民医療枠と地域医療枠の場合は、大学卒業後和歌山県内で医療に従事することが条件。
基本的に入試はセンターの結果+面接で、個別試験は実施されません。
ですから、どうしても医学部に進学して医師を目指したいという人は、こういった推薦を真剣に考えてもいいと思います。
なにも旧帝大だけが優れた医師になるルートではないですから。
※ この記事は、2016年に作成したものに加筆・修正を加えたものです。
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