英語教育が盛んだけど、国語教育は大丈夫なのか?

 

中途半端に英語に触れさせることは「百害あって一利なし」

”「話すこと」を重視しすぎた英語教育の末路”という記事を、スマホをいじっていて、偶然見つけました。

「話すこと」を重視しすぎた英語教育の末路(東洋経済オンライン)

「英語漬けにすると思考が育たない」という危惧を、この投稿の筆者である木原 竜平 :ラボ教育センター 教育事業局長が書いています。

早期英語教育で、母語の発達が遅れ、自分の考えをまとめられない子になる、など弊害が多くみられるようになってきたそうです。

早期英語教育もいいですが、まずは国語力でしょう

さて、ここにも書かれていますが、小学校から、あるいは、小学校入学以前から英語教育に力を入れていくことにどれほどの意味があるのでしょう。

ボクは、以前というか、だいぶ前に書いた記事に、次のように書きました。

英語に関してクローズアップされていますが、もちろん、これからの国際的な社会、グローバル化が拡大してきている世の中の流れを考えると、英語の重要性は理解できなくはありません。

ですが、本当に必要な力は「国語力」の方ではないですかとボクは思います。

大学受験で「英語の受験形態が変わる」ときけば、例えば小学生の間から。もっと英語を、特に「聞く」「話す」をやらせておかないと間に合わない、と考える保護者の方が、今でも一定数いらっしゃいます。

そして、これに便乗する業者の方も多くいらっしゃるでしょう。

確かに、幼いうちから英語耳を鍛え、英語で話すこと、コミュニケーションが図れるようになることは、ある程度意味はあるでしょう。

ですが、日本で生活している私たちは、基本的に日本語でいろいろなことを理解し、学んでいきます。

何かを考える、思考をめぐらす、こういったことも頭の中で、日本語でやるのが普通でしょう。

日本語で論理を組み立て、分析し、考える、ということが満足にできないと、いくら英語で簡単な会話ができても、英語を使って国際的に活躍できる人材は生まれないのではないでしょうか。

つまり、日本語を処理できる力を身につけていくことこそが、本当に世の中の役に立つような人材の育成につながる。

その辺りの対策こそ急務、これをもっと重視してほしいと思います。

大学入試改革は英語力重視?国語力にも目を向けて欲しい  (2017年5月18日)

基本に、母国語である「日本語」の力があり、その上でそこにいくつもの大切なものを積み重ねていく。英語や算数・数学、理科、社会といった教科的な知識、そしてそれにとどまらない、この先、人間として生きていかなければならない大切な事柄すべて。

こういったものは、幼いころからの母国語を使っての思考、具体的なものから徐々に抽象的な事柄に向かう中で培われていく論理性なども含め、その芯になるべきものがあって初めて可能になっていくのではないでしょうか。

そういう意味で、もっともっと「国語力」に力を入れていく教育こそ、重視されなければならないと思うのです。

ボクは算数を教える立場ではありますが、そのボクから見ても、特に最近の子供たちの国語力の弱さには驚かされます。

まず「語彙力」がない。

そして、その語彙力不足から、文に書かれた内容を読み取れない。

「国語力」がないのは、中学受験では致命的

算数の文章題などは特に、その中に書かれた条件の読み取りとその整理で、解答できるかどうか決まることも多いのですが、その読み取りができない。字面をなぞって「何が書いてあるかわからない」で終わってしまう。

書いてあることが理解できないから、そこからの思考の発展性は皆無です。

(そこへもってきて、中学受験では特にその傾向が顕著なのですが、親が横で手取り足取り条件の解説をする。子供が思考の訓練をできないまま、何となく問題が解けた気になっていく。そしてこういう子供たちが日本の将来を背負っていく、と考えると、少し寒気が…)

真剣に国語力を身につけることを考えませんか

中学受験だけでなく、高校受験でも、大学受験でも、まずはしっかりとした国語力、これを根底に置いた試験を、もっともっと考えてほしいと思うのです。

そしてその国語力。これが弱いのは決して学校教育のせいではありません。

もちろん、教える学校側、制度を作っている文科省側にも多少の問題はあるかもしれません。

ですが、それはこの問題の本質ではない。

すべては小学校入学前からの家庭教育。これだと思います。

(塾で優秀な子供をみてきた経験から、ちょっと偉そうに言えば、子供が優秀かどうかは、小学校低学年までの家庭での接し方で決まってくるように思えてなりません。)

※この点については、ボクが以前書いた「幼児期からさせておきたい①」にも詳しく書いています。

スカイプ個別指導で国語もやっています

スカイプ「国語」個別指導

トピックに戻る

記事が気に入ったら「いいね」してください!