最難関中学を目指す女子が選ぶべき学校は?(女子中編)
首都圏では難関女子の選択肢は豊富です
首都圏だったら桜蔭中学校や女子学院、豊島岡女子中学校が有名です。他にも、男女共学だったら、渋谷教育学園渋谷中学や渋谷教育学園幕張中学など、近年東大合格者数を伸ばしてきている学校も選択肢に入るでしょう。
他にも、大学附属なら慶應義塾中等部なども選択肢として考えられます。
関西の難関女子の選択肢は?
関西最強女子中学校はどこか。
日能研の結果R4の偏差値を基準に、順に見ていきましょう。
(2次や後期は省略しました)
まず女子中学から
1位 四天王寺医志コース(67)
2位 神戸女学院(61)
3位 四天王寺英数Ⅱ(56)
4位 同志社女子WR(50)
4位 四天王寺英数Ⅰ(50)
4位 神戸海星(50)
7位 京都女子Ⅲ(48)
四天王寺
四天王寺はコースが、医志・英数Ⅱ・英数Ⅰと3つに分かれていますが、中でも医志コースはダントツで難しいですね。学校も、医志コースにかける意気込みは相当すごいもので、徹底的に鍛え上げにかかっているという印象です。
ただ、医志コースができたことで、英数Ⅱで入学した子供たちも、とにかく上を目指してがんばっていますから、相乗効果で、英数Ⅱの成績も徐々に底上げされているようで、これは思わぬ副産物になっているようです。
(四天王寺については、こちらにも情報を挙げています。「学校紹介 第4回 四天王寺中学校」)
ちなみに2020年度の大学入試結果を簡単に掲載しておきます。(卒業生396名)
東大4,京大14,阪大32,神戸大24,国公立医学科67
神戸女学院
大学入試に関しては謎のベールに包まれています。
ですが、実際には最難関の大学や国公立の医学科に相当数進学しているのは間違いありません。
「進学実績非公開、でも神戸女学院に行きたい」にも書いたことですが、
学校のスタンスは「塾に行くのも自由ですよ。でも、学校の勉強をしっかりすれば大学受験に十分対応できる教育は提供しています」的なもので、校内・校外の多様な経験を通じて、一生の財産となる「人としての土台になる部分」を思春期に養っていくということを重視する
というものです。
この考え方は、これから先の大学入試改革を見据えたもののように見えますが、それは逆で、むしろ神戸女学院の教育方針に大学受験の形態が近づいた、といえるものでしょう。
本当に優秀な人材を、学校生活を通じて育てていく、これが神戸女学院なんでしょう。
同志社女子WR
コースが2つ設定されており、通常のクラスであるリベラルアーツコースでは、基本的に同志社大学・同志社女子大学への推薦を受けることができます。
➤「知育」だけでなく、同志社の根幹にある「徳育」を重視した指導により、豊かな人間性の育成を目指す。
➤中高6年間を同一の教師陣が担当することも特長の一つ
上位クラスであるワイルドローバー(WR)は、同志社への推薦がありません。自力で大学進学を勝ち取りなさい、というコース。それだけにみっちり勉強しないといけません。
➤英数理系科目を重点的に学ぶことで確かな学力を身につける
➤志を高く持ち、社会に貢献する人材を育むことを重視
➤中学校ではリベラル・アーツコースとの混成クラスで幅広い人間関係を構築、高校からは1クラス単独編成で学力を集中的に高めることを目指す。
2020年度の大学への進学状況は、卒業生260名、京大1,阪大1,神戸大1,早稲田大1などとなっています。
神戸海星女子学院
神戸海星に通っている子らは「よく勉強させられている」というのがボクの実感です。
仕事柄、本校に通学する生徒たちと接することも多いのですが、いつも多くの課題を抱えていて、黙々とそれをこなしている子が多いなあという印象です。まじめに取り組むことができる子が多いのですね。
本校の教育方針は
➤「興味をもって学ぶ、自ら進んで学ぶ」姿勢を育てることを重視。
➤学びへのきっかけとなる、人や書物との出会い、部活動や余暇での体験などの、出会いや体験の機会を与える。
➤学びには反復練習を通しての土台作りが不可欠だという考えのもと、日々の課題でそれを実践する。
なるほど、中学時代から課題が多いわけです。
さらに、「自らに負荷をかけ、少し難しいことにチャレンジする」ことも重視している、ということなので、かなり難しい課題にも取り組んでいるのですね。
先日(といってもコロナ騒動の前になりますが)、高校の参考書の青チャートの例題を黙々とやっているので、「課題?」と聞いたら「そ、先生聞いて~、これ、今月末までに全部仕上げないといけないの。もう大変!!!」と言っていました。いい課題なのかそうじゃないのかは、かなり個人差がある。ひとつひとつ理解して進めていけばものすごく役立ちますが、ただ黙々と解説を写すだけだと・・・。
2020年度の大学への進学状況は、卒業生141名、東大2名、京大5名,阪大9名,神戸大5名,大阪市大3名、兵庫県立大10名、早稲田大1名、慶応大3名、同志社大45名などとなっています。
2019年度についてはホームページに以下のような記述がありました。
「例年にも増して医学部への合格者が多く、東京大学、大阪大学、神戸大学を含めて、国公立大学の医学部医学科に10名(6名)、私立大学の医学部医学科に32名が合格しました。」
京都女子
京都女子中学校は、京都女子大という立派な大学があるのですが、3つあるコースのうち、Ⅱ類は国公立大等・難関私大を目指す類型、Ⅲ類は難関国公立大・医学部等を目指す類型とされており、実際に京都女子大に進学することが前提のコースはウィステリア〔W〕コースとなっています。
このⅡ類やⅢ類からの大学受験結果は、学校のホームページに記載されている通りで、京大4、阪大2、神戸大6など国公立大学に76名合格、国公立医学部医学科に6名、私立の医学部医学科に23名合格しています。
大学受験に向けた放課後の無料補習があったり、学習合宿をおこなったり、と、勉強する環境も整っています。
大切なことは「学校選び」?
偏差値を基準にして学校を選択する、もちろん大切です。
上位の学校になれば、それだけ難関大学に進学する可能性が高くなりますからね。
ですが、管理人がこれから中学受験を迎えるみなさんにお願いしたいこと、それは
「まず行きたい学校を決めて、その学校を好きになってほしい」
ということ。
偏差値が高いからその学校に行く、というのではなく、その学校に行きたいからそこまで偏差値を上げる。
6年生でもう後がない!というのであれば、偏差値とにらめっこして学校を選んでいかないといけないということは、もちろんあります。ですが、
もっと早い段階でなら、「その学校に行きたい!」という気持ちで頑張ることは十分可能ではないでしょうか。
続いては「関西最難関共学中学」をお届けします。
中学のことをもっと知ろうにもどる