
神戸女学院中学校はランキングとは無縁の学校
中学受験、親が真っ先に進学先を考えるためのデータとは
もちろん、大学進学実績でしょう。
東大に何人、京大に何人、国公立医学科に何人・・・
このサイトでも、そういった大学への進学実績を重視することは、少なくとも学校選択の重要なファクターであると考えています。
しかし、そういった進学実績をすべて非公開にしている難関進学校があります。
それが、神戸女学院中学校(兵庫県西宮市)。
ミッションスクールで、京阪神では一流のお嬢さん学校としても超有名です。
英語のみならず、理数系にも強く、在校生や卒業生の話によると、国内の大学だけでなく海外の大学に進学する生徒もいるという。女子アナウンサーや医師など、各界で活躍する卒業生も数多い。(教育ジャーナリスト・水崎真智子氏による)
東京大学合格者数ランキングや、国立大学現役合格者数ランキング、医学部合格者数ランキング。
こういうランキングとは無縁の学校です。
学校の方針として、生徒の進学先を把握はしていても、それを一切公表しない、マスコミにもどこにも情報提供しない学校です。
神戸女学院中学校はなぜ名門なのか?
神戸女学院は、高校からの募集をしません。
多くの進学校が、高校からも優秀な生徒を集め大学進学実績に加えていくのですが、そういったこともなく、1学年の生徒数はわずか135人前後。
この人数で、西宮の閑静な土地で6年間過ごします。
世の中の流れが、やれ東大に何人、京大に何人、医学科に何人、となっていってもそういった流れからは一線を画しています。
さらに、洛南が共学になった、西大和が共学になった、四天王寺に医志コースができた、となっても、「それが何か・・・」的なスタンス。
この終始一貫した姿勢は非常に好感が持てます。
そして、それは一人管理人だけの感想ではなく、世間的にも承認されているのは、その入試の難易度がずっと以前からさほど変わっていないことからも伺えます。
この一貫した姿勢を貫く校風こそが、単なるお嬢さん学校ではない、神戸女学院を一流の学校に仕立て上げているのではないでしょうか。
神戸女学院中学校の魅力とは?
卒業生にはアナウンサーやキャスターなど有名人も多数。
日本テレビの「ニュースZERO」で新しくキャスターを務める小正裕佳子さん。
東京大学に進学し、ミス東大に選ばれ、NHKのアナウンサーを経て、この春から日本テレビの「ニュースZERO」でキャスター。
東大大学院医学系研究科博士課程に籍を置く大学教員でもあります。
テレビ東京の看板アナウンサー・大橋未歩さんは神戸女学院から上智大学出身。
NHK「あさイチ」でお馴染なじみだった西堀裕美さんは京都大学へ進学し、アナウンサーに。
また、産婦人科医、宋美玄さんも神戸女学院から阪大医学部出身。
50万部突破のベストセラー作家で、読売新聞の健康・医療サイト「ヨミドクター」でも人気コラムを担当しています。
管理人なんかは、フジテレビの「とくダネ!」でもコメンテーターとして活躍している姿をよく見かけます。
神戸女学院中学から難関大学への進学者は毎年たくさんいるのです。
ですが・・・
学校は一切それを公表しません。
学校のスタンスは「塾に行くのも自由ですよ。でも、学校の勉強をしっかりすれば大学受験に十分対応できる教育は提供しています」的なもので、
このあたりの考え方が、先に挙げた、近年成績優秀な女子が入学するようになった、洛南や西大和、四天王寺と大きく違っています。
ふつう、優秀な女子を抱えたら、大学実績を当然考えますから、「勉強させます」「難関大学受験対応します」てきな応対を、中1入学直後から始めます。
その学校の生徒になった子らも、その保護者も期待するのは成績向上、難関大学合格。
ま、それはそれで世のなかのニーズを捉えていますから、つまり、需要があるから、そういった供給もある。
その顕著な学校が、大阪桐蔭中学校。
塾か予備校が学校運営をしているように、朝から晩遅くまで、学校に缶詰めにされながら、ひたすら勉強に時間を費やする。
彼女たちの青春は、勉強一色、なんですね。
ところが、神戸女学院のスタンスはまるで違います。
校内・校外の多様な経験を通じて、一生の財産となる「人としての土台になる部分」を思春期に養っていく、これを重視しているように感じます。
長い伝統に裏書された校風
神戸女学院中学部・高等学部を経て、難関名門大学へと進学し、卒業後、社会で活躍する数多くの先輩たちがいます。
先に挙げたマスコミという華やかな世界に生きる人たちばかりではありません。
一流の企業や銀行、外資系ファンド、そういう組織の中で、女性として自立し、社会に貢献している人も多くいるし、医業や学業、法曹界で身を立てている人も多くいます。
神戸女学院で培った、学業だけではない「人としての土台になる部分」は、その後の人生を生き抜く糧になっているようです。
そして、その「人としての土台になる部分」を育む校風が、長い学校の歴史の中で脈々と受け継がれて、今現在も、そしてこれから入学してくる子らのいるはずの将来も照らし続けているのでしょう。
その「人としての土台になる部分」とは、「学業」だけでなく、広く深く「人格形成」に影響を与えます。
ゴールは難関大学合格ではない
2020年。
大学入試が本格的に変わります。
その先駆けとして、東大や京大でも推薦入試が始まりました。
多様な試験で多様な生徒を受け入れていき、大学を活性化し、国際競争力を上げる、ということがその導入の大きな眼目の一つのようです。
初年度の入試では、推薦枠があまりに小さい、とか、一般の入試で当然合格するレベルの生徒しか合格していない、とか、散々な書かれようとなる結果になったのですが、
本格的な入試改革のころには、もっとブラッシュアップされ、ほんとうに大学側が要求するような生徒が入学できるようになる、少なくとも、現行入試のように、1点刻みで点数に固執して合格者を選抜する状態からは、変貌していくでしょう。
そうなれば、「勉強」「勉強」で追い立てられるような6年間を過ごしてきた子ではなく、勉強も当然やりながら、なおかつ自分の好きなこと、興味を持つことに真剣に取り組んできた子が圧倒的に有利になる。
そして、神戸女学院には、「好きなこと」「興味を持つこと」に真剣に取り組める校風があります。
数学オリンピックや国際哲学オリンピックに出場
- 2015年の数学甲子園「第8回全国数学選手権大会(日本数学検定協会主催)」で、神戸女学院高等学部のチームが女子だけのチームとして史上はじめて優勝。
- 2016年2月の「第26回 日本数学オリンピック」で神戸女学院の高校生2名が日本代表に選抜され、4月からルーマニアのブシュテニで行われた「2016 ヨーロッパ女子数学オリンピック(EGMO大会)」に出場し、2人とも銅メダルを受賞。
- 英語力とともに思索力や倫理的議論力が問われる「2015 国際哲学オリンピック選考会」で、神戸女学院の高校生がグランプリを受賞、「国際哲学オリンピック」日本代表に選出。
これらの事実は、神戸女学院の「伝統」抜きに語れない気がします。
英語教授法も伝統に裏書されています。
神戸女学院は、学校創立時から英語を教育の根幹に置いてきました。
- 独自のカリキュラムで、日本の中高生の女子に良いと考えられたダイレクトメソッドや、ナチュラルメソッド、オーラルアプローチなどといった教育法を体系化。
- 141年前からネイティブによるオールイングリッシュの指導が行われてきており、その指導方法は時代の変化にあわせ、常にブラッシュアップされている。
- TOEFL ITP(団体向け実力テスト)では、高校生の平均が400点前後、大学生でも460点ぐらいなのに、高3全員受験して平均点480点。
- 英検でも、受験した生徒は中3までにほとんど全員が2級に合格、高1・高2の多くが準1級に合格(ただし希望者のみ)。
他にも、英語の詩の暗唱、英語の讃美歌を歌う、英語の物語を読む、クッキー作りを英語で行うなど、ふだんから英語に慣れ親しみ、楽しみながら英語をマスターしていくという指導方法も、伝統的なものです。
立地する環境のすばらしさ
神戸女学院は、兵庫県西宮市の中腹の小高い丘を切り開いて141年前に創立されました。
近くには、同じキリスト教を設立母体とする関西学院もあり、風光明媚な、自然環境にも恵まれた場所です。
少し足を延ばせば、歌劇で有名な宝塚があります。
阪急沿線ということもあり、通いやすさも周辺の環境もすばらしく、女子が6年間を過ごすにはもってこいのところなんですね。
入試は例年、解禁1日目(土)と3日目(月)の2日間。日曜日に当たる2日目はお休み。
例年11月のの土曜日には、児童保護者対象でキャンパス見学会が実施されています。
詳しくは学校のホームページからどうぞ。
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