算数が苦手、どうにかしたいのですが

苦手な算数をどうすればいいか分からない

こんなご質問をいただきました。

詳細は伏せますが、同じようなお悩みの保護者の方も多いと思いますので、簡単に攻略法を書いてみたいと思います。

ただし、ここで挙げる攻略法は、口で言うのは簡単ですが、実行するのはけっこう大変です。

その点をご了解ください。

「算数が苦手な子は中学受験には向きません。」のウソ

当然お分かりと思いますが、算数が苦手なら、中学受験で上位校を狙っていくのは難しい。

塾業界では、算数のできる子は勉強のできる子、というような「常識」がまかり通っていますが、これを完全に否定できない面はあります。

保護者の皆さんも、「中学受験の合否は、算数で決まるから」とお思いかもしれません。

(実際、塾の講師の中にも本気でそう考えている人が多くいます。)

でも、中学受験で合否を決めるのは「総合力」です。

算数や国語の配点の高い学校であっても、総合力で、苦手な算数をカバーして、志望校に合格していった子供はたくさんいます。

ただし、いくら総合力が大切だと言っても、算数で受験者平均を下回る成績しか取れない、となれば、何とかしないといけないのは当然ですよね。

保護者の皆さんも、

「算数が苦手でも中学受験させたい、あの学校に行かせたい。」

とお考えでしょう。

本当に、算数が苦手なら、中学受験はやめたほうがいいのでしょうか。

先に書いたように、決してそう決めつけるべきではありません。

ですが、できる対処はしっかりやってあげないといけないということは言えます。

今の学年にもよりますが、本気で、上手に取り組んでいけば、必ず得点力はついてくるし、志望校の受験者平均ぐらいまでなら十分達成可能です。

算数が苦手、その対処法とは?

ここからはちょっと長くなりますから、該当する学年部分を見てください。

今がまだ3年なら

対処の仕方は山ほどあります。

進学塾で難しいことをさせて、子供を混乱させていませんか。

もしそうなら、即刻進学塾をやめた方がいい。

通常の授業と特訓の授業の両方を取り、特訓の方がついていけなくなって自信を無くし、通常の必修の方の授業までできなくなった。

これなら、特訓を即刻やめにして、必修の方に全力を注ぎましょう。

ポイント

  • 3年でできていないといけないことは、4年になってやることの土台作り。

基本、計算、漢字の読み書きがきちんとできるようになっていれば、4年からでも十分間に合うのです。

焦る必要は微塵もありません。

まだ塾に通っていないのであれば、計算と漢字を徹底的に鍛えておくことは意味があるでしょう。

ついでに書くと、文章をしっかり読ませる、とか、興味のあることを「徹底的に」させてみる(ゲーム以外)というのも有効です。

今4年です。

この段階で算数が苦手だと言っても、対処方法は苦手の程度に依ります。

塾の公開模試などのテストで、偏差値が45以下だったら

塾を止めて、基本を徹底的にやり直す。

5年までにある程度、算数の基本の形を作っておくことが望ましいでしょう。

計算力、図形、文章題、などなどチェックするところは山ほどあります。

今塾に通っているなら、これまでやってきたテキストを使って基本を徹底的にやり直しさせましょう。

ポイント

  • お父さんやお母さんが、復習のための計画を立ててください。
  • 5年の段階で、塾に復帰できるようにしてあげることを目標にする。

塾で何とかしてもらおうと、塾に頼りきりになるのが一番ダメなパターン。

中学受験で、長く塾に通ったのに、目標校に全然足りていないで、仕方なく、その時の成績で合格するところにいかせました、となるパターンまっしぐら、先が見えています。

お父さん、お母さん、子供のために、ここは踏ん張ってあげてください。

塾の偏差値が50前後なら

復習が大切です。

今までやったテキストを使っての復習に力を入れましょう。

もちろん、塾に通いながら、ということになりますから、時間を上手に使うということが要求されます。

塾の宿題、塾の授業をできるだけちゃんとこなしながら、家庭で復習の勉強をすることになります。

ポイント

  • 時間の制約があるので、復習は的を絞ってさせる。
  • テキストを前から順にやっていくのではなく、昔やった公開模試や復習テストを引っ張り出して、できていないと思われる項目をチェック。

保護者の方の中には、これをするための詳細なチェックシートを作る方もいらっしゃいます。

ワードやエクセルを駆使し、単元名、項目を表に記入、項目に従ってチェック欄にチェックを入れていき、弱い項目を洗い出し、そこを集中的に復習する。

限られた時間で最大の効果を上げるためには、保護者の方も全力を尽くす覚悟が必要です。

上で書いたのと同様、何から何まで塾でやってもらおうとしないことです。

ただ、項目をチェックした後、そこをどう攻略するか、塾の担当の先生に相談してみるのはいいかもしれません(塾や担当者による)。

苦手な部分を攻略するために補助プリントなどを用意してくれるかもしれません。

計算力は必ず磨いておく

そして、どちらの場合も、計算力は磨いておく必要があります。

4年の今の時期で、足し算の繰り上がりや引き算のくり下がりでたびたびミスをするという場合は、そこを徹底的に鍛える練習をしましょう。

これでミスをしていたら、かけ算やわり算でもミスしまくりで、大変なことになります。

お父さんやお母さんが、毎日20問ずつ、2ケタ+2ケタの問題や、3ケタ-2ケタの問題を作ってさせましょう。白紙に手書きで十分です。

文章がきちんと読み取れているかもチェック

算数がこのレベルの点数しか取れない人は、良く観察すると、文をちゃんと読めていなかったり、読んだけど意味が理解できていなかったりすることが多いもの。

そこで、問題文がちゃんと読み取れているのかを、保護者がチェックし、そして、そこからが問題です。

ちゃんと読み取れていなければ、保護者はどう手助けしてやるべきか、または、手助けしないべきか・・・

まったくチンプンカンプン、放っておくと何もできない、進まないということが明らかなら、一緒に問題の意味を考えながらさせないといけないです。

そこまでの状態でないなら、きちんと問題文に向かわせる、何度か声に出しながら読ませ、どういう意味か聞き取る。

大切なことは、自分できちんと問題文に対処できるようにしてやることなので、保護者が手を出し過ぎたり、出さなさすぎたりしないこと。

そのあたり、見極めは難しいですが、頑張ってください。

今5年

これも状況によって大きく変わります。

公開模試の偏差値が50以上

今からでも十分対処できます。

6年のスタート時点で、目標校に届くようになるかも、という成績は、偏差値ベースで最大10点差。

もし、それ以上の差があるのなら、違う学校を考えないといけないかもしれませんね。

ですが、最終的な受験校の決定はまだまだずっと先ですから、ぎりぎりまで頑張ることが大切です。

この成績の場合、算数ができないのは、重要なポイントひとつひとつがきちんと身についていなくて、よく模試などで見られる1行問題を多く落としている、というパターンか、1行問題はそれなりに正解で来ていても、後半の大問で点数が取れていないというパターンか、だいたいどちらか。

1行問題が取れていないなら

そこを攻略するための方策を考えていかないといけません。

苦手と思われるテーマ、項目の例題や類題、演習問題から集中的にこなしておく。

今までやってきたテキストからできなさそうなところを抜粋し、その問題やその周辺の関連する問題をきちんとこなす練習をしていくこと。

すべてをまんべんなくやろうとしてはいけません。

前からやっていく必要もありませんし、また、そういう時間もないでしょう。

的を絞り、ひとつずつ攻略することが大切です。

場合によっては、例題、類題、基本問題とこなした後、少しでいいので応用問題にも取り組んでおくことも有効です。

応用問題(大問)が取れていないとき

これは問題にじっくり取り組み、じっくり理解していくという姿勢が有効です。

具体的に書くと、例えば速さの問題で、旅人算や速さと比の知識を総合的に使って解かないといけないような問題ができなかったというとき。

問題本文がちゃんと読み取れたか?

与えられた条件を図や表などにまとめられたか、まとめようとしたか?

自分でまとめた図や表に、どんどん書き込みができたか?

図や表から問題を解くためのヒントをひねり出そうとしたか?

じっくり取り組むというのは、ただ時間をかけるということではなく、以上のような作業が順にできたかどうかということです。

どこで詰まっているのか、子供をよく観察してください。

じっくり理解する、とは、解けなかった問題に対しての取り組み方です。

☞ ただ正解を書き写す・・・アカンでしょ。

☞ 解説を眺め、ノートに丸写しする・・・残念過ぎます。

なんですが、子ども一人で解説を理解できないことが本当に多い。

そこで、親の出番です。

お父さんかお母さんが、解説を理解する手助けをしてあげてください。

そして、こういったときに大切なこと。それは、

  • 量を追及しないこと。
  • 1問1問きちんと理解することに全力を傾けること。

これが大切です。これが、将来伸びる芽を作っていきます。

理解できたようなら、今度は何も見ずに再度解きなおしましょう。

さらに、できるなら、よく似た問題をテキストから引っ張りだし、時間を決めて取り組む、考える。

これができていけば万全です。

公開模試の偏差値が45未満。

5年の今の時期、この成績では苦しいし、目標校に手が届く可能性は限りなく低い(目標校に依りますが)と考えないといけません。

ぶっちゃけ、目標校が西大和だ、とか、大阪星光だ、とか言っていても、実際の算数の偏差値が45未満だと、今から合格を取りに行くのは至難の業です。

絶対に不可能とまでは言えないかもしれませんが、限りなく難しい。

それは覚悟してください。

覚悟したうえで、それでもやっぱり西大和だ、星光だというのであれば、

勉強の仕方を根本的に見直さないといけません

今まで通り塾に行っていても、成績が向上する可能性は限りなく低い。

これから書くことを実行するというのは、言葉は悪いですが「大博打」になります。

それだけの覚悟が要ります。

まず、塾を辞めます

え、そこからですか?って

そうです。

(算数だけ偏差値45未満、他教科は50以上、60近くあるなんてときは、算数だけ塾の授業を受けないという選択ができるのならそうします。)

5年の時にやったテキストを引っ張り出してください。

今から3か月で仕上げるつもりで、計画を立てます。

偏差値が45未満、ということは、根本的なことから理解できていないケースが多いということなので、根本的な部分から徹底的にやり直す必要があります。

以下、徹底的にやる具体的な例です。

例題、類題を、必ず親と一緒にやって、親が出来具合をチェック、続いて基本問題を、これは制限時間を設けて一人でさせる。

時間が来たら出来を親がチェック。

出来が悪ければ、解説してあげてください(もちろん、テキストの解答を見ながら)。

次に、何も見せないで、間違えたところを再度解かせる。

これを前から順に。

親も子もぎりぎりまでがんばる。

3か月、続ける。

これで成績が伸びないのなら、難関校はあきらめる。

それぐらい覚悟を決めて取り組んでください。

言っておきますが、ここまで徹底的にやらなくても、その時の成績でいける学校というのは必ずあります。

少し頑張って40台中~後半の成績が取れるのなら、関関同立の付属校も合格できます。

ですから、先に書いた、徹底的に、というやり方は、あくまで大阪星光や西大和を見据えた場合です。

清風南海、奈良の帝塚山あたりを考える場合も、徹底的に、というやり方が必要になるかもしれませんが・・・

いずれにしろ、本気で中学受験の難関校を狙うのであれば、徹底的にやってみるという時期をどこかで、早いうちに作ってください。

今回は、かなり厳しいことも書きました。

厳し過ぎて、これを読んだ方が、じゃ中学受験やめようか、という決断をする、それもありだと思います。

中途半端な勉強姿勢で最後までなんとなく塾に通い、なんとなくその時の成績で行けそうな学校を受験する、もちろんこれはこれでいいのですが、でも、

せっかく中学受験するなら、本気でやってみる、その中にこそ、子供の心に大切なものが残る、

これはこれからの人生で必ず役に立つものです。

入試の合否以上に大切なものだと、管理人は思います。

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