中学受験と親の覚悟~中学受験の目的って何ですか?

今回は「中学受験をする目的」を考えましょう

東洋経済オンラインに次のような記事が掲載されていました、の第2弾

中学受験の本質を知らない親に教えたい心得~「今だけ頑張ればいいから」はNGワード

そこで、今回は、「中学受験の本質」に迫ったこの記事をもとに、「中学受験の目的」について管理人の思うところを描いていきます。

中学受験をすれば、中高6年間は楽できる?

早速先に書いた記事から引用します。

・・・親の口から「これが終わればラクができるから」「今だけ頑張ればいいから」という言葉が出てしまう・・・・・・過酷な中学受験の反動から、入学した途端に勉強するのをやめてしまう子も多い。入学時をピークにだらだらと成績が下がり、せっかく身に付けた学習習慣も知識もふっとんでしまっては、その後に困るのは子どもだ。

頑張ってがんばって、いろんなこと、やりたいことを我慢して、母親の言う「これが終わったら楽できる」という言葉を信じてようやく入試を終えた。
ところが、実際に入学してみると、大学の附属校であっても結構な量の課題が出される。
進学校ならなおのこと。進度も速いし、次々と難しいことに取り組んでいかないといけません。

しかも、進学校では、クラスの半数以上が入学と同時か、または入学する前から次の塾に通っている。

そういった現実を目の当たりにして、へこみまくって、現実逃避するのは勝手ですが、でもちょっと気を抜くと、テストでとんでもない点が返ってきて、三者面談などで教師から「大学、行けませんよ」と脅される。

これが進学校の現実です。

じゃ、立派な大学を上に持つ附属校ではどうか。

特に「ともかく付属ならどこでもいい」というような気持ちで学校に入った場合、中学・高校の学力がつるべ落としに下降する危険性がある。大学受験で入学した学生と付属から上がってきた学生を比べると、その学力は雲泥の差。大卒という学歴は同じでも、社会に出てからどちらが苦労するかは明らかであろう。

関西だったら、特に「関関同立」は有名ですが、その中の1校。数学に絞っていえば、使う教材は数研出版「体系数学(発展編)」。

これを結構な進度で進めます。ちょっと油断すると、たちまち置いていかれてしまって、定期考査でとんでもない点数になる。
こういう状態が続くと、中学から高校へ行く段階で、すんなり高校入学が許されなくなる。
ですから、「楽できる」はずの附属校でも、楽はできないのです。

しかも、大学への推薦は「成績順」ですから、それなりの成績を収めていないと希望する学部・学科に推薦してもらえません。

これも現実です。

ですから、中学受験の時「今がんばったら、中学で楽できるから」というのは禁句レベルと考えていいでしょう。

なぜ中学受験するのか、なぜその学校に行きたいのか

結局、この部分を真剣に考えないで受験に向かう、これが問題なんですね。

親は「見栄え」で受験させてはいけません。

子は「みんな受験するから」と安易に受験してはいけません。

入学できたら何をしたいか、を真剣に考えておく

なぜ中学受験するのか、どうしてその学校に行きたいのか、ここを親子で徹底的に話し合っておくべきです。

「A中学の〇〇クラブで、ぼくがどうしてもやりたいことがある」

「あこがれの先輩のXさんが楽しそうに通っている。」

「B中学の素晴らしい環境で6年間過ごすことができたら、人間的に素晴らしく成長できる」

どんな理由でも構わないのです。

中学になったら「楽できる」のではなく、「あの中学校でこんなことをやりたい」、これを軸に受験に向かっていくというのが大切なんでしょう。

受験の目的は「いい大学に入るため」ではない

ほとんどの私立中高一貫校の場合、高2の段階で高校で習うすべての範囲を終わらせ、高3の1年間を受験勉強に充てることができるカリキュラムが組まれている・・・そういう点においては、私立中高一貫校へ入れると「大学受験に有利」である・・・

実際進度も速く難しいことにもどんどん取り組ませ、たくさんの課題をこれでもかと出して、大学受験の予備校化しているような学校もなくはありません。

ですが、大半の難関中学・高校は、進度も速く扱う題材も難しいものをどんどんさせますが、それがすべてではないと考えています。

灘や東大寺、甲陽といった関西を代表する男子校にしても、あるいは女子に根強い人気の神戸女学院にしても、基本、生徒は自由です。何をやっても、何かをやらなくても、すべて生徒の自主性に任されている。

だけど、通っている生徒のレベルが段違いに高いですから、クラブや様々な活動もやりながら学業成績もそれなりに出している子が多い。

男子には多いですが、ちょっとさぼって一時思いっきり成績が低迷しても、勉強をしていくための土台ができているので、少し気持ちを入れ直して取り組めば、そういう子らでも難関大学にチャレンジできるところまで行くのです。

こういった学校は、大学受験のために通うと考えてはいけません。

中高の6年間で、たくさんの個性的な友人、教師に囲まれて過ごすことこそが財産なんです。
突き抜けた個性派の集団の中で6年かけて自分を磨いていくことができる舞台、それがこういった最難関の中学・高校の魅力です。

最難関の学校を目指すのであれば、「この環境で6年間過ごせるなら」という強い思い、これをしっかり持って受験に向かっていきましょう。

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