算数教え方講座~割合をマスターするには

学校では割合を「難しく」教える

学校で使っている教科書で割合を勉強すると、まず聞きなれない言葉がいくつか出てきます。

・「割合」

・「もとにする量(もとになる量)」

・「くらべる量(くらべられる量)」

そして、これを使った公式が3つ。

・割合=くらべる量÷もとにする量

・くらべる量=もとにする量×割合

・もとにする量=くらべる量÷割合

知らない言葉を使った、訳のわからない公式…
この段階で、すでに子供の頭の中はパニック状態です。

もちろんこれを理解して使えるようになる人はそうすればいいのです。

割合に、公式なんていらない!

ですが、パニックになった人、なりそうになった人は、できればこんな公式は避けて通った方がいい。

え?そんな、公式が使えずに困らないのかしら?

大丈夫です。

3の2倍はいくつですか、と訊けば、まず間違いなくという答えが返ってきます。
どうやって求めましたか?
3×2
そうですね。
じゃ、8の1.5倍は?
少しだけざわめいて、中にはひっ算する子も。
12!
はい、正解です。
みんな、かけ算でやりましたね。
暗算でも、ひっさんでもいいですよ。

それでは15の0.8倍は?
12!
そうです、かけ算で15×0.8の計算をしたらいいですね。
では、次。
□×7=21
□に入る数は?
3!
じゃ、どんな式で求めますか?
多くの子はかけ算の九九が先に浮かんでいるので、式を考えさせます。
えっと、21÷7
速い子は即座に、遅い子でも一拍遅れでわり算が出てきます。
□×0.75=12
もうわり算するしかないのでほとんどの子はひっ算して、
16
と答えます。

これで割合の基本は終わりです。

誰でもできそうですよね。

割合とは「~倍」という意味

割合というのは、「~倍」という意味です。
ですから、文を読んで、かけ算の式が作れたら簡単な問題は解決します。

あとは、百分率や歩合を小数や分数で言い換えられたらオーケー。

例えば、
花子さんは持っているお金の40%で800円の本を買いました。持っていたお金はいくらでしたか?

かけ算の式を作ります。
40%=0.4倍
と刷り込んでおけば、
□×0.4=800
の式を作るのは難しくありません。
□=800÷0.4=2000

割合の基礎は「かけ算」で考える。
ただそれだけのことで、子供は「できた!」と達成感を覚えますよ。

割合の入り口で躓かないことが大切

もちろん、もっと複雑な問題も当然出てくるわけで、入試問題なんかを見ていたら、目が回りそうな「難問」の多さに驚くかもしれません。

ですが、割合の入り口のところで躓いていては、入試どころの話ではなくなります。

まずはスムーズに割合の考え方に慣れ、そこからは徐々にステップアップしていけばいいのです。
ですから、くれぐれもはじめから「難しい」という意識を持たせないこと
これがとても重要です。

せっかくなので、いくつか例題を挙げておきます。

300円は800円の何%ですか。

「800円の何%」というところを、「800円の□倍」と言い換えると、
800×□=300
という式ができます。
ここから、□=300÷800=0.375倍
と分かるので、37.5%ですね。

600mは何mの15%ですか。

15%は0.15倍という意味です。そこで
「何mの15%」というところを、「□mの0.15倍」と言い換えると、
□×0.15=600
という式ができます。
ここから、□=600÷0.15=4000mと分かります。

できる!と実感させること、これが何より大切ですね。

ちなみに、ちょこっと宣伝すると、ボクが作ったテキスト「算数教室」には、ここで説明したような感じの「割合」の解説も入っています。

割合の勉強をして、入試レベルまでもっていくのに「公式」はいりません!
みたいな解説が盛りだくさんです。

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