波乱!?2017年度女子併願受験(高槻中学共学化と四天王寺の暴落)
高槻の共学化で四天王寺の凋落が加速する?
いよいよ2017年度入試から、高槻中学校が共学化され、女子の1期生が始まります。
女子の選択肢が新たに増えるわけで、成績優秀な女子、進学校を考えている女子の併願受験が面白くなってきました。
関西で優秀な女子の受験は
かつては
神戸女学院・四天王寺英数Ⅱを軸に、押さえとして金蘭千里や清風南海、奈良の帝塚山、大阪の大谷医進、開明あたりを併願するというのが主流でした。
やがて、大阪桐蔭が実績を伸ばし始め、さらに洛南が加わり、西大和が加わり、と徐々に選択肢が増えてきたのですが、大学進学の実績と合わせて、実際に進学する学校選びが非常にシビアになってきたようです。
特に、今年2016年度の入試では、四天王寺の合格者が、医志コースや英数Ⅱからも大量に流出し、他校に流れ、いよいよ四天王寺も往年のプール学院のように、凋落していくのではないかという見方も出てきています。
学校が、女子の優秀者、勝手に勉強してくれる優秀な生徒が何もしなくても来てくれるという状態に胡坐をかいてきた、というその「つけ」が回ってきたのでしょうか。
実際、前にも書きましたが、女子の優秀な生徒は、そのほとんどが次の大学受験に向けて塾通い、鉄緑会や研伸館など、医学部中心に実績を出しているところに大挙して押しかけているようで、これが四天王寺が過去多少とも実績を出せていた真相、というのはよく耳にする話です。
ところが、近年、
今まで滑り止めのはずだった奈良の帝塚山や清風南海の方に魅力を感じ、四天王寺の合格を取ってきても、四天王寺に入学せず、帝塚山や南海に流れる層が、かなりの割合で出てきたということがひとつ。
あとひとつは、四天王寺よりも実績を出している洛南や西大和の存在。
そこで、次のような結果が出てきました。
四天王寺医志コース合格 → 洛南合格 ⇒ 洛南進学
四天王寺医志コース合格 → 西大和合格 ⇒ 西大和進学
四天王寺英数Ⅱ合格 → 帝塚山S選合格 ⇒ 帝塚山進学
四天王寺英数Ⅱ合格 → 清風南海S特合格 ⇒ 清風南海進学
理由は明らかで、洛南、西大和選択者は、合格実績と勉強させてくれる期待(たとえ受験少年院と言われても、結局どこかでしないといけないことを、学校がやってくれる)、帝塚山、清風南海選択者は、学校が懇切丁寧に次の大学受験に向けての道筋をつけてくれる(勉強面でももちろん)という期待、などなのでしょう。
そして、来年。
高槻中学校の共学化が始まります。
最終的に洛南を考えたい兵庫南部や北摂の優秀な生徒たちは、四天王寺を受験する理由がなくなります。
試験日程にもよりますが、洛南、高槻を軸として受験校を決めていくことになるのでしょう。
大阪市内から南部では、西大和を軸に清風南海、帝塚山ラインで受験できます。
するとここでも四天王寺の出番はありません。
四天王寺は凋落傾向を止められるのか?
こういったハンディというか、劣勢を四天王寺側はどのように捉え、どう改革してくるのか。
試験に関する改革だけではなく、入学してきた子らにたいする取り組みを、魅力のあるものに変革できるのか(そもそも変えていく気はあるのか、変えられるのか~伝統校で、ベテランの教師が改革のネックになるという話はよく聞きます)、こういった視点で学校を見ていかないといけません。
それに、来年度入試の学校選択は、保護者の間ではすでに始まっています。変わるのであれば、こう変わりますという宣言、具体的な内容など、早急に保護者に告知しないといけないでしょう。