
関西の中学入試日程と2つの学校の動き
解禁日はセンター試験と同じ日程で、だいたい1月の中旬の土曜日となっています。
ところで、今日はこの入試日程をめぐっての2つの学校の動きをご紹介します。
1つ目は清風南海中学校。
平成27年度、清風南海は、A日程入試として、解禁日(1月17日土)の、午後を選択しました。
しかも、3科型、4科型だけではなく、SS入試という名目で、2科型(算数・理科)という離れ業まで駆使してきました。
これに振り回された受験生はたくさんいましたよね。
そして、平成28年度、清風南海はまたやってくれました。
A日程入試を、何と、1日目ではなく、2日目に持ってきたのです。
つまり、初日には入試そのものを行わないという、大阪や兵庫ではいまだ見たことがない離れ業です。
京都や奈良では、洛南や東大寺が3日目に入試を行うというのが慣例で、西大和も2日目の入試。
いずれの学校も初日を避けています。
清風南海も、この3校を手本にしたのでしょうか。
(清風南海・近年の入試に関しては学校の公式サイトで確認してください。)
2つ目は西大和学園中学校。
2年前から女子を1クラス分募集していた西大和では、昨年と今年、女子の入試は2日目の午前、男子の入試は2日目の午後としてきました。
ですが、平成28年度入試では、これまでの男女別入試をやめ、どちらも2日目の午後に行うことになりました。
男女とも完全に同じ時間帯でという設定です。
女子募集を開始して以降、入学してくる女子は、選りすぐりの厳しい競争を勝ち抜いてきた精鋭。
男子と比べると非常にまじめで優秀だそうで、男子よりも進度も速く、そんな女子クラスの保護者からは
高校になって男子と混ぜてクラス編成してほしくないという意見が強くなっているそうです。
だから清風南海も西大和も名門校になれない!
以前、このブログで、名門校について思うことを書きました。
その中で、名門校に慣れない理由として、入試のやり方がせこい、ということをあげましたが、
清風南海も、西大和もまさにこれにドンピシャ、当てはまっています。
東大寺や洛南も、入試日程を、初日を外して行ってはいますが、猫の目のように入試日程をクルクル変えてはいません。
「うちはこの日程でやるから、受験したけりゃ、どうぞ。そのかわり難関ですよ。」という強い意志すら感じさせます。
ところが、清風南海や西大和には、その強さは感じられない。
感じられるのは、せこく、少しでもできる子を取りたい、という必死さです。
学校にそういう必死さや落ち着きのなさを感じるところは、やはり名門校たりえない、と思うのです。
ですが、この2つの学校のおかげで、関西の中学入試が「面白く」(受験生には申し訳ないですが、そして不謹慎ではありますが)なってきているのは確かです。
もっと今来ている生徒を大切に、じっくりと育て、6年間通った結果、生徒らが学校に誇りをもって巣立っていく、というような、そういう学校であってほしいなあと思う次第です。
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