
中学受験で、京阪神に住んでいる、共学校に進学したい女の子は、どこを選ぶといいか。
京阪神に住んでいる、という条件で選び出しましたから、とりあえず「大阪から通いやすい」ことを前提に選びました。
なので、須磨学園とか、智辯和歌山とか遠方の学校は、入っていません。あしからず。
では、そのベスト10
日能研結果R4から、偏差値の高い順ベスト10を並べてみると
1位~3位
1位は何と言っても洛南。偏差値69ってちょっと異常なほど高い。
2位が西大和。ただし、中学の間は少なくとも男女別クラス。偏差値67と、こちらもかなり高い。
3位、清風南海。スーパー特進と特進のコースがあります。スーパー特進で62~60、特進で58~56程度。
ここまでがベスト3。
ま、異論もあるかと思いますが、女子で、進学実績の高い共学校を選ぶとなれば、この3校は外せません。
4位~6位
4位が大阪桐蔭。英数選抜が54~56、英数が45程度。
5位、帝塚山(奈良)。S理系選抜で54~55程度、英数で46~50。専願だとやや易しい。
6位に金蘭千里。50~54。
2番手は、大学受験の実績で上位3校を脅かすまでの存在になった大阪桐蔭、最近めきめき力をつけてきた奈良の帝塚山(ただし、帝塚山は「共学」ではなく、「併学(学校での呼び名。男女別学のこと)」)、そして金蘭千里。
このうち、大阪桐蔭は元校長をはじめとする幹部の不正が明るみに出て刑事事件にまで発展し、信頼が揺らぎました。ですが、がんばっている教師、生徒はたくさん通っています。
金蘭千里は、何となく「スパルタでビシビシ鍛えられる」というイメージをお持ちの方の多い学校ですが、実際には、自由で和気あいあいとした環境で、勉強に励んでいるという感じです。むしろ、帝塚山の方が、課題も多く、ビシビシという雰囲気でしょう。
7位以降
7位は開明。スーパー理数で50前後、理数で45前後。
8位、清教学園。日程やコースによって変わるが、48~42ぐらい。
9位、近大附属。これも日程やコースで違ってくるが、医薬やアドバンスト(特進のようなコース)で45~40。
10位、帝塚山泉ヶ丘。コースにより、40~45。
さて、このほかにも、大阪の共学の中学校は何校もあります。
桃山学院、大阪学芸、上宮、関西大学第一、同志社香里、関大中等部、関大北陽やこの前にご紹介した金光八尾なども共学校です。
この中からのベストな選択肢は
上位の成績を取っているなら、やはり洛南か西大和。レベルが違い、あたま2つ分ぐらい次の学校からぬきんでています。
次点は清風南海。
大阪の南部から優秀な女子が集まってきます。仮に上位コースに入れない場合でも、下位コースから捲土重来を期すことができるというところがいいですね。
ただし、どうしても上位のコースというわけではなく、下位のコースでもきちんとやることをやっていって、上位の大学に進むという例もありますから焦らずにやっていくといいですね。
成績がそこまで出ていないという場合は、開明がお勧めです。
学校側が手厚く見てくれる可能性が高いですし、ある程度学校に任せていても安心という側面があります。
近大附属という選択もありだと思います。
今、近大マグロなど、何かと話題の近大です。
コースによっては、近大に内部進学する生徒もたくさんいますが、コースによっては難関大学受験も十分に考えられます。
医薬のコースからは近大医学部や薬学部という道もあります。
是非一度学校見学や説明会に行ってみてください。
共学校とコース制
1位の洛南と2位の西大和はコースが分かれていません。ちなみに、偏差値ランクが上位の学校ほど、コース制をとっていない、というのが塾業界での常識。
灘、甲陽、東大寺、大阪星光、洛星、六甲といった男子校や神戸女学院はこれに当たります。
共学になって日の浅い西大和もコース制はありません。(ただし、女子のクラスは優秀な生徒が多く、そのクラスの保護者は、男子と同じクラスになるのを嫌がっているという噂を耳にしました。)
コース分けのある学校は、成績が少しでもいい生徒を集めて、集中的に鍛え、少しでも上位の大学に合格を取っていきたいという、学校側の意識の表れ。
ですから、まだまだ発展途上の学校という印象があります。
四天王寺も、かつてはそういう意図で英数コースを設置しました。
学校のもくろみ通り、英数コースの生徒を伸ばし、学校自体の価値を高めるようになったようです。
発展途上を過ぎても、四天王寺はコース制をやめず、それどころかさらなる優秀な生徒獲得に向けて「医志コース」を設置してしまいました。
(対西大和、対洛南ということを意識しての措置であることは明らかです。)
ところで、共学校だということと、コース制とは直接関係なさそうです。
ですが、かつて男子校で今は共学だという学校の多くは、コース制をとっています。
学校を選ぶときには、このコース制というのにも意識をしっかり向けていきましょう。
見栄で学校選びをしてはいけない
そして、何より大切なことは、学校の名前で(つまり見栄で)学校選びをしてはいけないということです。
「あの子より偏差値の1点でも高い学校に」などという考えは捨ててください。
子どもが6年間を過ごすところを選ぶのですから、通いやすさ、学校の雰囲気、そして何より「うちの子に向いているか」。
最後の「向き、不向き」というのも、実際には入学してその学校で何か月か過ごさないと見えてこない、というのが本当のところです。
ですが
子どもの性格(粘り強い、負けず嫌い、打たれ弱いなどなど)を周りの大人がしっかりと見てあげて、その子にとってベストな(少なくとも入試までの時点で)選択をしてあげましょう。
塾で受験校を決めるにもどる