親のための算数講座(2) 割合
親が学ぶ算数講座では、親が子供に算数の勉強を進めていくうえでのヒントを与えるために、知っておいてほしいことを書き進めていきますが、子供が、「お父さんってすごい!」とか「お母さん、なかなかやるなぁ」と思ってもらえるようになることを目標にしています。
今回から「割合」や「比」を扱います。
親のための算数講座第2回「割合」
割合を勉強すると、「もとにする量」や「比べられる量」、そして「割合」と3つの言葉が出てきます。
この新しい言葉が、子供たちの前に壁のように立ちはだかります。
さらに状況を悪化させる3つの公式…
「割合=比べられる量÷もとにする量」
「比べられる量=もとにする量×割合」
「もとにする量=比べられる量÷割合」
大人だって分かりません。だいたい、こんな式を覚えて意味がありますか?
前置きが長くなりました。
「割合」というのは、要するに「~倍」という意味です。(これ、大切!)
ここが押さえられていれば、公式なんか一切不要!なんです。
割合の基本を押さえましょう
【例1】300円の70%はいくら?
70%は0.7倍ということですから、書き直すと、「300円の0.7倍はいくら」ということです。
これで簡単ですね。300×0.7=210(円)とできました。
子供に、300×2は?ときくとみんな間違いなく600と答えます。
次に、じゃ300円の3倍は?ときくとこれも900円!と元気よく答えます。
つまり、子供は「○○の何倍」にはふつうに式を作って答えられるということ。
【例2】200mは800mの何%ですか?
割合は何倍という意味です。
なので、何%のところ(ここが割合を表しているのは分かりますね)を「□倍」として
式を作ります。
800m×□=200m
この式で□を求めましょう。
□=200÷800=0.25なので25%ですね。
【例3】太郎君は所持金の35%にあたる700円を使いました。所持金は何円でしたか?
割合は何倍という意味です。(しつこいですが)
そこで、この問題文をよく見ると、35%と割合が出てきています。
35%=0.35倍
で、前を見ると、「所持金の35%」とありますから「所持金の0.35倍」のことですね。
所持金を□円とすると、□×0.35=700という式が作れます。
□=700÷0.35=2000(円)
割合はかけ算の式にする
例題を3つ見てきましたが、ポイントは、「かけ算の式を作る」ということですね。
分数の割合でも同じように式を作れば問題解決!ですね。
応用問題もやってみよう
それでは、ここで1つ応用問題。
【例4】A君の所持金の40%とBさんの所持金の2.5倍が等しいとき、Bさんの所持金はA君の所持金の何%ですか。
A君の所持金の40%を「A×0.4」とします。
同じように、Bさんの所持金の2.5倍を「B×2.5」とします。
これが等しいということですから、仮に等しい金額を100円とすると、
A×0.4=100からA=100÷0.4=250円
B×2.5=100からB=100÷2.5=40円
とできます。
「BはAの何%」を求めるので、A×□=Bとできますね。
250×□=40と式ができました。
□=40÷250=0.16より16%と求められます。
〔注〕比を習ったら話はもっと単純です。
問題の関係を式で書けば
A×0.4=B×2.5となり、AとBの比は(逆比で)2.5:0.4=25:4なのでAはBの0.16倍=16%というのがもっとスムーズに求められます。
割合の基本まとめ
いかがでしょうか。割合というのは、子供が算数の勉強をしていてほとんどと言っていいほどつまずく部分です。
ですが、学校は別として、おそらく大手の進学塾では公式などは教えません(と思います(^-^;)。
それに公式に頼ると、それに振り回されて応用が利かない恐れが多分にあるのです。
割合はかけ算で考える!
これを徹底するようにしましょうね。
親のための算数講座に戻る