
中学受験で合否のカギを握っているといってもいい算数。
実際に受験し、問題を解くのはもちろん子供たちですが、たとえば算数で困っている子に親として何もしてやれないのは辛いもの。
手とり足とり教え込むのはよくありませんが、解法のヒントを与えたり、問題を解く方向をサジェストしてやることはマイナスにはならないでしょう。
では、そのサジェスト、何でもいいかというともちろんそういうわけにはいきません。
1 塾の先生の教え方と違えば、子供は混乱し、成績が下がります。
2 方程式は基本的には使いません。
そこで、当サイトでは、親が算数を教えるときの肝を10回にわたって、「親のための算数講座」としてお伝えします。
親のための算数講座第1回「計算力」
子どもがもたもた計算していると、見ている親はイライラ。
イライラして、子供に当たっても仕方ないので、子供に計算が速くなる方法を伝授してあげてください。
1 繰り上がり、繰り下がり
これが遅い子は、掛け算、割り算でもたつきます。
やり方が分かっていても時間がかかります。
繰り上がり、繰り下がりの練習を、「よーいドン」でストップウォッチ片手に毎日練習させましょう。
足し算、引き算混ぜて20問(2ケタ+2ケタ)でいいでしょう。
こういう基礎練習は、繰り返しと継続が大切です。
時間を記録して、昨日の記録を上回ったら大げさにほめてやるといいですね。(褒めることは子供のやる気につながります。)
2 掛け算・割り算
まずは、整数で、1日10問(子どものレベルに合わせて2ケタ×1ケタ、2ケタ×2ケタ、3ケタ÷1ケタ、3ケタ÷2ケタなど、適当に織り交ぜるといいですね。)
これもストップウォッチ+継続が大切。
ここまでが基礎編。
3 計算の工夫
続いて応用編。
親がササーッと計算して見せて、「お父さんすごい!」とか「お母さん、さすがや」とか、親の威厳((^-^;)を見せましょう。
① 25×4=100や125×8=1000
24×25=6×4×25=6×100=600
48×125=6×8×125=6×1000=6000
ちょっと数を分解してやると、ひっ算はいりません。こつを教えてあげましょう。
② ○○×9とか○○×99
15×9=15×10-15=135
23×99=23×100-23=2277
10個で1個多いので、1個取る、という考え方です。
2個ぐらいまでは簡単に取り除けますから、○○×98ぐらいなら応用できますね。
45×98=45×100-45×2=4410
この程度の暗算はできるようにしておくといいですね。
頭の中だけでするこういった練習は、脳を活性化します。(脳の老化防止にもいいですよ(^-^;)
③ ○×△+○×□=○×(△+□),○×△-○×□=○×(△-□)
32×7+32×3=32×(7+3)=32×10=320
56×27-56×17=56×(27-17)=56×10=560
お母さんが、こんな計算をササーッと暗算でやれば、子供のお母さんを見る目が変わるかも。
④ 約分の利用
割り算で、分数が利用できます。
約分を習った子には、使えるテクニックですから、知っていて損はしません。
276÷12は276を分子,12を分母として分数にできますから、
2で約分→138÷6にできます。このまま割り算してもいいですし、
さらに2で約分→69÷3
さらに3で約分→23÷1
なので、276÷12=23
こんな感じで約分を利用することで、割り算が楽になることが多いのです。
他にも、子供に伝授できる計算テクニックとして、部分分数分解を利用するとか、
3.14の計算を1×3.14~9×3.14まで覚えさせて、その利用の仕方を教えるとか、まだまだいろいろあります。
そのためにまず、今回取り上げた3つをやってみましょう。
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