男の子は「男の子脳」にあった学習をさせなさい

ダイヤモンドオンラインに次のような記事が掲載されていました。

得意科目から伸ばす!「男の子の脳の特性」にあわせた学力アップ法とは?

男の子をお持ちのお母さん方には、とても参考になる記事だと思います。

特に男の子の子育てで精神的にも肉体的にも疲弊が激しいお母さん、ぜひ読んでください。

小学生の男の子に嫌いなことを無理にやらせようとするのは得策ではない

➤ 算数やパズルのような遊びは大好きなのに、国語は極端にダメな男の子が多い
➤ 小学生の男の子に嫌いなことを無理にやらせようとするのは得策ではない
➤ いろいろなことが同時にできる女の子に対し、男の子は1つのことにしか集中できない

男子がみんながみんな、とまでは言いませんが、これにあてはまる男子は多いと思います。

我が子のことで恐縮ですが、少し聞いてください。

我が家の長男(3つ上に姉がいます)は、小4になる少し前から進学塾に通わせました。
ほんとに好きなことしかがんばらず、毎日こつこつやっていく勉強方法にはまったく馴染めず宿題は適当にやってやりっぱなし、でも塾に行って友達とわいわいするのは好きだったので、塾で叱られても叱られてもめげないで、通い続けました。

ここで挙げられた例と違って、国語はそれなりにできて、興味のある理科や社会は、おそらく授業時に頭に入れていったからか、総合成績も算数以外はそこそこで、塾の中では一応最上位のクラスをキープ。居心地も良かったのかもしれません。

ただ、家庭では日々バトルを繰り返していました。「嫌いなことを無理にさせようと」していたのですね。真剣に叱って説教して1週間ぐらいは家庭学習も多少ましになるのですが、それで終わり。しばらくしたら元に戻るので、叱責・説教…
塾で出された宿題も「最初のほう」「真ん中あたり」「最後のほう」をささっとやって「できたー!」詳しくチェックすればやってないところが大量に出てくる。

それだけじゃなく、家に親がいないことが多いのをいいことに、ゲームに一生懸命になったり、勉強机の中にマンガを隠し持っていて、ゲームやマンガの息抜きに勉強していた・・・。
マンガやゲームが手元にあるとついついそちらに気を取られるので、目の届かないところに隠したり、実家に疎開させたりしましたが、いつの間にか手もとにやってきている。

そこでまた叱責・説教・・・

この繰り返しで、母親は「何考えてるか理解できない!!!」としょっちゅう嘆いておりました(^-^;

かといって、まったくやっていないわけでもなく、特に大好きな社会の宿題なんかは、「そこまで詳しく調べなくても」というほど綿密に仕上げる。
6年になる少し前ごろだったかと思うのですが、息子が「お願いがある」というので訊いてみると「山川の日本史研究が欲しい」という。
高校生が使う大学受験用の分厚い文字だらけの参考書です。
いつぞやか、ボクが大学受験のとき使っていたという話を聞いて覚えていたのでしょう。それを買えという。
こちらも親バカなので、これをきっかけにもっと身を入れて勉強してほしいという思いもあり、「算数も手を抜かずにやること」を条件に買い与えた。
そして

・・・

社会、特に日本史に関しては大学受験生顔負けの知識と理論武装。明治以降が特にお気に入りで、かなり時間をかけて理解を進めていたのにはびっくり。
で、問題の算数。あれほど約束したのに、自分の好きなテーマ以外はほとんどアリバイ的にしかやっていない様子。

結局、本気になる入試1か月前の12月初めまではそんな感じでやっていました。
最後には根負けし、好きにさせるしかない(母親は「付き合いきれない」と、とおにあきらめていました)と放置。

こういうタイプの男の子にはどうやって勉強させたらいいか

好きなこと、好きな教科には一生懸命になるけど、そうじゃなかったら教科書すら開こうとしない。それを無理やり机の前に座らせて、というのはエネルギーばかりかかって疲れるだけです。

親もストレスのかたまりになってしまいますよね。

結局入試では、直前の1か月、ようやく彼の中で受験モードのスイッチが入ったのか、目の色を変えて取り組んだ成果もあって(たぶん)、最難関校の一角に位置する学校数校に合格をいただきました。

叱られても叱られても休まず塾に通ったこと、多少でも机の前に縛り付けて嫌々ながらも勉強させる時間をとったことで多少はベースになる部分が、完全ではないにしても身についていたことがあったから、直前の頑張りが利いた、そう思いたいです。

ですが、親としては息子がその学校に進学したとしても、今までの勉強の仕方から考えて、地べたをはい回るだけに終わるのではないかという危惧が大きかったので、姉が通っていた学校に進学させたのですが…

中学に入っても、基本、好きなことだけは一生懸命取り組むというスタンスは変わらず、中学の3年間は下から数えて一桁番目というとんでもない成績。こりゃ大学受験、期待できないわ、というポジションでした。

男の子は、自分で決めたことさせ、積極的にトライ&エラーをさせた方がいい

小学校の高学年や中学生にもなれば、さすがに自分の立ち位置は分かってきます。

それでも「おしりに火がつかないと」真剣に取り組めない。(もちろんそうじゃない子もたくさんいます。親が親なもので、これは遺伝なんでしょうか…(^-^; )

親や友達に、自分の格好悪いところは見せたくない、でも頑張るのもしんどいしイヤだ。この2つの意識のせめぎあいが始まります。

愚息に関して言えば、幸か不幸か、中学受験の際はあんな程度の勉強でもいくつも合格をとってきたので、親としてはそれを中学に入ってからの自信につなげてくれたらと思っていたのですが、本人の中では「何とかなる」という意識の方が勝ったのでしょう。
中学・高校の勉強では、真剣に取り組まないとどうしようもないという壁に、中学2年の終わりごろにはぶつかって、「何とかなる」が「もうどうにもならない」という負け犬意識に変わっていったようです。その時期、1学年180人少しの中で数学の順位は180番台をたたき出しておりました。やってこなかった自分が悪い、ということを痛感したようですが、それ以上にあきらめの気持ちが強くなっていきました。大きな大きな挫折を味わったのでしょう。

トライ&エラーをさせた方がいい、と見出しに書きましたが、正直トライもせずエラーだけ重ねた感じです。

中学受験で自分が合格した学校に不合格になった同級生や、追加合格で入学してきた同級生にもまったく太刀打ちできていないことにようやく気付いたのでしょう。もともと「痛いこと」と「格好悪いところを人に見せること」が嫌いな性格でした。これ以上に格好悪いことはありません。少しはやらないといけないと、意識できたようでした。
ですが、今までさぼってきたことが一朝一夕に解消されるわけもなく、自分に甘いという性格もあって、数学の成績は一進一退のまま高校に上がりました。(ほかの科目の成績も社会を除いて真ん中あたりをうろうろ、決して褒められた成績ではなかったのです。)

ところが、彼は、高校で出会った担任に目をかけてもらったことや、高2で通った塾の数学担当の先生のおかげもあって、自分の目標を持てるようになり、最難関の大学に挑めるぐらいまでは成績を上げました。男子というのは瞬発力が期待できるという好例ではないかと思います。

もちろん、これほど極端なケースでなくても、多かれ少なかれ男子にはこういった一面があるようです。好きなことにはとことんはまるのに、そうじゃないことには見向きもしない。

当然、親の言うことは右から左。お母さんとの果てしない戦いが始まる。

本人が信頼する第三者に話をしてもらう

こういったときの対処法は、これが一番でしょう。
本人が信頼し、尊敬する塾の先生や本人が一目置いている人に事情を話し、協力を仰ぐこと。
愚息にとっては、高校で出会った担任の先生の存在が大きかったようです。親が話す何倍もの効き目があったように思います。

また、日ごろお母さんと過ごす時間が多い男の子の場合は、お父さんと「腹を割って話す」機会を持つことも新しい刺激につながることが多いかもしれません。

いずれにせよ、お母さんが関わることが多い場合は、わが子の性格、男の子の特性をしっかり理解しておくこと、不可解な部分が多いということは分かっておいて損はないでしょう。
「異星人」を相手にしているという意識を持って、時には放置しながら見守ってあげましょう。

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