入試100日前、受験校が固まってきたら
6年生の10月、といえばそろそろ受験校も固まってきます。
最終的には11月半ばあたりの塾での懇談で確定していくことになると思いますが、今までの成績の出方から、ある程度、併願校も含めて実際の受験校が見えてきているのではないでしょうか。
第1志望校、第2志望校、まさかの滑り止めなど、多くの受験生は複数校受験することと思います。
関西でも最近、首都圏の入試のように、1日目午前・午後、2日目午前午後、3日目午前・・・のように
3日目ぐらいまでで4校も5校も受験する人も出てきました。
灘、甲陽、神戸女学院は2日間にわたって入試がありますから、そんなに無茶もできないかもしれませんが、それでも3校、4校と受験スケジュールを立てないといけません。
さらに、事前入試があります。
主なところでも函館ラ・サールや愛媛の愛光、岡山白陵、土佐塾、などなど。
過去問は受験校すべてでやらないといけない?
では、こういった複数校の受験の場合、過去問をどの程度やっておくべきなのでしょうか。
そもそも過去問ってやらないといけない、やっておかないと合格しないものなのでしょうか。
ここでは一般的な話ではなく、もっと具体的な話をしてみたいと思います。
灘中を狙うA君の場合
A君の受験パターンは
- 事前入試 岡山白陵
- 1日目 灘(1日目)
- 2日目午前 灘(2日目)
- 2日目午後 西大和
- 3日目 洛南
のように大筋が決まりました。
第1志望校はもちろん灘。
算数と理科の20年本を購入。
これは量も多いので、9月スタートで始めました。
11月中には一通り完了予定です。
国語は赤本を手に入れようと思いましたが、通っている塾の先生から過去5年分の問題をゲット、それを10月から始めます。
11月の終わりぐらいからは、過去5年分を再度解き、並行して塾でやったプレの問題などもこなしていく予定でいます。
H学園の灘コースでやった問題も再度解きなおし。
万全の構えです。
西大和と洛南については12月中に過去3年分を、と考えています。
(これも塾でもらえる予定)
ですが、時間も限られるので、これは予定通りいかなくても、一通り傾向や難易度を把握できればいいという考えです。
事前入試の問題も、直前に1年分だけは解くつもりにしています。もちろん、問題は塾でゲットです。
結局購入した赤本は、灘の算数と理科の20年本のみ。
灘中の算数20年2017年度受験用赤本 1902 (難関中学シリーズ)
灘中の理科20年2017年度受験用赤本 1909 (難関中学シリーズ)
四天王寺を狙うBさんの場合
受験校は
- 事前入試 香川誠陵
- 1日目午前 四天王寺
- 1日目午後 帝塚山
- 2日目午前 清風南海
- 2日目午後 大谷
合格発表の状況次第で、
- 3日目午前 帝塚山
こんな日程です。
第1志望はもちろん四天王寺なので、四天王寺の過去問は赤本を購入。
過去6年分は10月で一通り終了、11月に2回目実施。
帝塚山と清風南海もお母さんが赤本を購入してきたので、予定を立てようとしましたが、量が多すぎ。
清風南海は毎年A日程、B日程の2回分、帝塚山に至っては毎年4回分の問題が載っています。
そこで、塾の先生とも相談して、清風南海については過去のA日程の分を、帝塚山については過去の2次Aを中心にピックアップして12月に集中してやることに。
どの学校も傾向や難易度、問題量がまるで違うので、慣れる意味でも過去問は少し多めにやっておくことになりました。
事前入試の土佐塾までは手が回らないので、直前に1年分だけ実施。
Bさんの今の成績だと、四天王寺は英数Ⅱが何とか、清風南海はS特は少し難しいか、帝塚山は英数で何とか合格できそうなところです。
が、油断すれば四天王寺は英数Ⅰ、帝塚山も特進という線もあります。
しかし、調子が上向けば四天王寺医志も狙える。それだけに、ここからの最後の頑張りは、過去問を集中的にこなすこと、と、塾でコース別でもらったテキストを完璧に仕上げることにかかっています。
赤本は結局、四天王寺、清風南海、帝塚山と3冊も購入してしまいました。
四天王寺中学校 2017年度受験用 赤本 1012 (中学校別入試対策シリーズ)
帝塚山中学校 2017年度受験用 赤本 1026 (中学校別入試対策シリーズ)
清風南海中学校 2017年度受験用 赤本 1090 (中学校別入試対策シリーズ)
過去問の実施について
以上述べた例からお分かりいただけたと思いますが、過去問は第1志望校については直近のものからできるだけたくさん(ただし、神戸女学院の算数のように最近傾向がガラッと変わった学校についてはこの限りではありません)こなしてください。
それ以外の学校については、重要性を鑑みて、過去3年、場合によっては直近の分のみさせるようにしましょう。
「明日、香川誠陵の入試だけど、過去問どうだった?難しかった?」
「うん?やったことないよ。」
こんな会話にならないように、多少は(受けるだけの学校であっても)過去問には1年分だけでもいいので、目を通すだけでも通しておきましょう。
後悔のない受験にするために
塾の課題に追われて時間を作れない
6年の受験前ともなれば、塾に行かない日が週1日、多くて2日、そしてその休みの日は塾から与えられた課題を消化していかないといけないし、課題の量は半端なく多い。平日は学校もあるし、いったい、いつ時間を作ればいいのか。
受験を控えた6年生と保護者の最大の悩みです。
やらないといけないことは分かってきた、でも塾の課題に追われまくる。
いよいよお母さんやお父さんの出番です。
完全に塾にお任せできると確信できるなら、それでいいのです。塾の課題をとにかくこなさせましょう。
ですが、得意なところまで時間を割いて宿題をこなすのは時間の無駄、と思える場合もあるはず。
そんなときは、迷わず塾の担当の先生、校舎の責任者に直接思っていることを伝え、不要だと思える課題を最低限の量に減らしてもらい、過去問演習や弱点の補強に時間を使いたいということを正直に話せばいいでしょう。このとき、担当の先生から課題の意図を聞いて、納得し、塾に任せる、となればそれはそれでいいことです。
子供やお母さん、お父さんが悶々とした気持ちのまま受験を迎えるのだけは、避けたいところなので。
「できることをすべてやった」と、自信をもって入試当日を迎え、後悔のない受験ができること、これを最優先しましょう。
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