中学受験 大手の進学塾に通う意味

進学塾を使って中学受験

大手の進学塾に通う意味は本当にありますか?

大手の進学塾、関西では、浜学園、希学園、日能研、馬淵教室、能開センターがそれにあたるでしょう。

そして、中学受験を真剣に考えたら、たいていの保護者は、こういった大手塾の一つに子供を通わせる、それが「志望校合格への近道」だから。

でも本当にそうでしょうか。

そのあたりを少し冷静になってみてほしいので、今回はあえて辛口で評価してみました。

大手の進学塾に通わせる意味があると思われる以下の点について、管理人の感じることです。

メリットだと思われるのは

・中学受験に関する情報を得られること。

・公開模試などで合格の可能性がつかみやすいこと。

・テキストがまとまっていて,何をどのレベルまでやればいいのかが分かりやすいこと。

同じ学校を目指す仲間がたくさんいるので,モチベーションを保ったまま受験に向かってくれる。

・受験前になると志望校別のクラスで対策授業がある。

だいたい大雑把に以上の5点について書いてみました。

中学受験に関する情報を得られること。

入試の動向や入試の傾向など,大手の塾はそれぞれ詳しく分析し,それを保護者向けに宣伝する(うちはここまで分析する力があるんです)ために,説明会をしょっちゅう行っています。
確かに,そういった分析は受験を控えた小学生を持つ親には,精神安定剤的な効果があるかもしれません。親どうしで話をしたとき,そんなことも知らなかったのと揶揄されるのを防ぐ効果はあります。
ただ,入試科目が変わるとか,配点が変わるとか,日程が変わるとかいった重要な情報が出てくることもありますから(ネットで調べるとすぐにわかることばかりですが),一応出席できるならしておきましょう。

公開模試などで合格の可能性がつかみやすいこと。

今のところの相対的な位置は,テストを通じてでしか分からないので,一応受けておいた方がいいでしょう。
ですが,たいていの大手進学塾は一般生の受験もさせてくれますから,塾に通っているメリットはあまりありません。(4年や5年だと,塾で習ったことが出る傾向があるので,塾通いしている子は有利です。でもこれもその場限りの話。中学受験にとっては,この段階の有利・不利はあまり意味あることではありません。)

6年生になれば志望校判定テストなるものを実施する大手の塾がほとんどです。
ですが,
一般的な問題を並べておいて,ある学校に対する合格可能性の正確なものが出るはずありません。気休めで受験してもいいですが,結果が悪かったら,親は子を厳しく攻めまくり,子は「叱られないために」勉強のふりをする,なんてことも起こります。

いずれにしろ,塾の内部生中心に行われるテストであらゆる学校の合格判定ができると考える方がどうかしています。

テキストがまとまっていて,何をどのレベルまでやればいいのかが分かりやすいこと。

確かに市販のテキストよりも内容豊富。ですが,果たして塾が設定したレベルは子供のレベルに合っているか。問題はそこです。

ここでこそっと内輪の話。

あるビシビシさせることで有名なA進学塾の講師が,そこを退職し,ライバル塾のB塾(といっても最難関の中学への合格実績ではA塾がはるかにまさっている)に移籍。
そこである教科の主任になりました。
その教科でテキストの作成・編集を任されたその人は,テキストを全面刷新。
できあがったテキストは,A塾で最難関の学校を受験する子供たちがひぃひぃ言いながら解いていたレベルに。

しかし,そのテキストがB塾での必須の教材となったのです。
B塾の何人が使いこなせているのか?
実際にB塾でその教科を担当している講師に聞いたら,10ページ以上ある単元で,一番上位のクラスで使えるのは初めの2ページだけ。あとは持たせているだけで,もっと基礎的なところから補助プリントを自分で作ってカバーしているとの話。
今は,市販の教材でも十分中学受験向きに子供のレベルに合わせて使えるものが豊富にあります。実績ある塾のテキストだから安心することは、とてもじゃないが,できないのです。

同じ学校を目指す仲間がたくさんいるので,モチベーションを保ったまま受験に向かってくれる。

この点は,自宅で一人でやったり,親が見てやりながら進めたりする中ではかなわない部分です。

子供の受験に向けてのモチベーションは,塾ではコントロールします。というか,しないといけません。クラスの雰囲気作りがうまい講師になると,塾の中で子供たちの気持ちの向きを巧みにコントロールしますから,授業前,食事中,食後の休憩時なども子供たちは「がんばっている」のです。机に向かって間違い直しをやったり,覚えなおしをやったり。

ですが,そうでない講師に当たると,授業中騒がしい,授業前や授業後,食事中や食後の休憩時,すべてお祭り状態。とても勉強を頑張るという雰囲気にないこともよくあります。クラスが上位であろうと,下位であろうと関係ありません。いじめや問題が起こるのはたいていこのお祭り状態の中。講師が子供たちをコントロールできていないのです。問題ばかり発生し,子供たちの成績は上がらない。

受験前になると志望校別のクラスで対策授業がある。

ありますねぇ,対策授業は。灘や洛南,甲陽や東大寺,大阪星光,神戸女学院,四天王寺など塾の実績になる学校はみっちり。受講できるならした方がいいですよね。

ですが,ここに名前を挙げなかった学校は,対策と言っても、どこも内容は似たり寄ったり。
受講させるために学校名は冠につけますが,それだけ。
内容的にとても優れているとは言い難かったりします。
しかも,こういう講座を受講すると,過去問演習はほぼできません。
で,やっている内容も十分復習できないまま入試に突入なんてこともよくあります。

まとめ

何か,塾の悪い面ばかり書き立てたようになってしまいました。

かと言って、最初から独学で、あるいはお父さんやお母さんと一緒に、受験勉強を進めていくというのは、かなり無理があります。

ですから、結局はこういった大手の進学塾に頼らざるを得ない、それが実際のところでしょう。

ですが、何から何まで塾の言う通りやっていかないといけないわけではありません。

できれば選択教科、特訓授業のひとつひとつを親がしっかり吟味して、子供のためになるのか、ほんとに合格に近づいていけるのかを見極めたいところです。

管理人としては、受講することを「ベーシック」の部分に限り、あとは必要に応じて取捨選択すべきだと考えます。

与えられる課題の量や難易度も、子供の今の状況にあっているかなど、ひとつひとつをきちんと見ていく必要はあると思うのです。

大切なことは,保護者の方に塾を利用してやろうという意識があるかどうかです。塾に通わせる以上,塾を徹底的に利用してやるぐらいのつもりで通うのなら意味はあります。
ですが,塾に利用されるままだと,第1志望の学校に合格できるかどうかは怪しいのではないでしょうか。

子どもを預ける塾を決めるにもどる 進学塾に通わずに中学受験にもどる

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