
算数の土台を作り上げる大切さ
前回の復習
算数の土台作りとして、
- 正確で速い計算力
- 考える土台になる「基礎知識」
- 類推する力も磨くこと
の3点を挙げました。
今回は、これが数学にどう関わって来るのか、という観点からお話しします。
数学の問題を考える基礎へとつながっていく思考力も作られていく
数学は論理的な学問です。
AとBからCという結果が得られ、それを利用するとDという結論が導かれる。
こんな流れで、すべての問題に対処していくことになります。
算数との決定的な違いは、ごくごく大雑把に書くと、
算数が、何となくでも答えが合っていれば正解できるのに対し、
数学はその結論に至る過程こそ重要という点ではないでしょうか。
(すみません、ものすごく大雑把な見方です(^-^;)
数学は、基礎からきちんと積み重ねていけば、ある程度の問題を解決できるまでは必ず到達します。
ですが、
算数の(少なくとも中学受験レベルの)考え方をしっかり身につけていると、
例えば
A(前提条件・仮定) → B → C → D(結論)
という流れを
A(前提条件・仮定) → E → D(結論)
ぐらいに、より単純化し、より短い時間で端的に結論に至るような考え方が出来るようになる
これも、極々大雑把なとらえ方で、ほんと、恐縮なんですが、
少なくとも、算数的な思考を介在させることで、10の手間がかかる問題を5ぐらいの手間で解決できるようになる、
そんなところがあります。
もちろん、ここまで単純化できない部分も当然ありますが、
特に図形絡みの問題(関数の問題で、図形が関係してくるような場合も含めて)であれば、
算数の基本的な考え方を知らないと圧倒的に不利、といえるような問題も数多くあります。
いいことばかりではないですが・・・
方程式の立式で苦しむ
もちろん、有利なことばかりではありません。
中学で習う「方程式」、その中でも応用問題。
中学受験で速さと比などをしっかり勉強してきた子は、速さの問題など、方程式を作るまでもなく答えが出てしまう、そんなことがよくあります。
それをわざわざ方程式を立て、解いていく、という思考になかなか馴染めない場合があります。
図形問題を直感に頼ってしまう
図形の問題(比絡みの場合は特に)でも立式せずに答えを出そうとしてしまう。
数学は、立式し、そこから論理的な流れで正解にたどり着くことを求められますが、
それができずに苦しむ場合も多くあります。
数学的思考の方向に舵を切ると・・・
要は、中学に入ってからの頭の切り替え、
算数と数学の根本的な違い、
これを初期の段階で意識できたかどうか。
切り替えがなかなかできなかった子は、数学で逆に苦しむ。
こういう不利な点はあります。
数学頭に切り替わったら
ですが、今述べた不利な点をうまく数学の頭に切り替えられた子は、数学でぐいぐいと力をつけます。
中学受験未経験者が及びもしないスピードで理解していく。
中学受験で培った算数の考え方という土台は、生かされていくのです。
場合の数の問題など、その極みです。
中学受験レベルで扱う場合の数の問題は、やや難しいものになると、そのまま大学入試で問われるような内容になっています。
最難関の中学に合格できるまで力をつけた子は、場合の数の問題にそれほど苦しまずに取り組めます。
管理人も算数が役立つことを実感しました。
算数を教え続けて何年かたったとき、数学を教えることになり、何年かぶりに数ⅠAや数ⅡBに取り組みました。
管理人自身は、普通に公立中学から公立高校に進み、算数はそれほど真剣にやった覚えは全くありませんでした。
人に自慢できることといえば、算盤をやっていた子に負けたくない一心で、計算だけは異様に速くできるように頑張ったことぐらいでした。
中学、高校と教えられるままに数学を勉強し、大学受験。
場合の数と、図形、特に比絡みの図形問題などに苦労した口です。
ところが
この何年かぶりかで取り組んだ数学、算数で培った考え方がやたら役に立ったのです。
関数の問題をやっていても、算数ならこう考えるということをベースに考えを進めると、
それほど手間暇かけずに結論が出せる。
このとき思いました。
算数に真剣に取り組んだヤツは数学で絶対に楽できる!
長々と経験談を語ってしまいましたが、算数の威力というのは侮れません。
ですから、中学受験してもしなくても、中学受験レベルで扱う算数の基礎は絶対に小学生の間に勉強してほしい、
(ふつうの小学校でやっているレベルでは全然足りません。)
今は、心の底からそう思います。
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