2021年度大阪星光入試結果
次のようになりました。
過去3年分です。
2019年 → 2020年 → 2021年
志願者数 769 → 737 → 749名
受験者数 733 → 695 → 703名
合格者数 298 → 297 → 278名
実質競争率 2.5倍 → 2.3倍 → 2.5倍
合格最低点 251 → 262 → 285点
大阪星光2021年度入試結果からこの年の入試を考えてみた
大阪星光入試の概要は?
これによると、
- 志願者数 749名 (Ⅰ型581名,Ⅱ型168名)
- 受験者数 703名 (Ⅰ型559名,Ⅱ型144名)
- 合格者数 278名 (Ⅰ型222名,Ⅱ型 56名)
- 実質競争率 2.5倍 (Ⅰ型2.3倍,Ⅱ型2.9倍)
- 合格最低点 285点(400点満点)
となっています。
志願者数は、ここ3年で
769名(2019年度)→737名(20年度)→749名(21年度)
となり、昨年比1.6%増。
実質競争率は
2.5倍(2019年度)→2.3倍(20年度)→2.5倍(11年度)
と、昨年より少し上昇しました。
合格のためにどう点を取るか
各教科の平均点と総合点の平均点は
- 国語 68.5点
- 算数 82.3点
- 理科 61.5点
- 社会 58.4点
- 合計 270.7
ですが、学校が出した総点の平均は271.6点です。
この差は、おそらくですが、判定方法によるのだと思われます。
判定方法は、以下の通り
Ⅰ型受験:以下①~③の最高点を受験生の成績とします。
① 4科目合計点
② 国語・算数・理科の合計×1.25 点
③ 国語・算数・社会の合計×1.25 点
Ⅱ型受験:国語・算数・理科の合計×1.25 点を受験生の成績とします。
Ⅰ型・Ⅱ型の区別はせず、いずれも 400 点満点で判定します。
なので、①~③で判断された成績の平均が271.6点ということなのでしょう。
合格するための点数の取り方
合格最低点が285点、総点の平均は271.6点。
285-271.6=13.4点
2019年度が8.85点の差、2020年度が8.2点の差なので、合格者と不合格者で、かなり点差がついたということでしょうか。
13.4点というのは、算数でいえば2問か3問。国語の漢字なら6個、理科や社会でも6問分の差ですが、これは結構大きい。
それなりに力があっても点数をまとめきれず涙を呑んだ受験生が多かったでしょう。
合格者平均と受験者平均の差はどうなっているか
国語 75.9-68.5=7.4点
算数 99.8-82.3=17.5点
理科 66.5-61.5=5.0点
社会 62.5-58.4=4.1点
やはり、というか当然というか、算数で差が大きくついていることが分かります。
合格へのあと一歩をどう踏み出すか。
この学校で合格を掴んでくるのはそう簡単にはいかない、それが現実でもあるのですが、受験に至る道筋で特に気にしてほしいことは次の3点。以前、他の記事でも書きましたが、大切なことなので、再録します。(➤2017年度大阪星光学院中学入試結果と合格へのあと一歩)
1つ目。
入試は算数だけではありません。
塾の先生によれば(みんな、とは言いませんが)算数が合否を左右する、だから算数に一番力を入れなさい、とよく言われます。
実際、上でも見たように、合格者平均点と受験者平均点の差が一番開くのは算数です。
今年の入試でも、なんと約18点もの開きができていました。
算数を鍛える=合格に近づく
なんですね。
でも、いくら算数が合格者平均を取れていても、他の3教科で失点が大きいと合格最低点に届きません。
例えば今年でいうと、算数100点取っても、国語65点、理科58点、社会58点(合計281点)では合格点にわずかですが足りないのです。
算数は大切です。でも、他教科を疎かにしてまで時間と労力をかけることはダメなんです。
つまり、
入試は総合力の勝負
なんですね。
2つ目。
入試に向けてどんどん難しいことをやって、どんどん力をつけてほしい。
多くの親御さんはそう考えるかもしれません。
ですが、難しい問題にたくさん取り組むことは、実はリスクを伴います。
特に2021年度の算数。
難問は1問もありません。どの問題も落ち着いて取り組めば正答できる問題ばかりと言って差し支えないでしょう。それほど「簡単」でした。
大阪星光を目指してやってきた受験生なら、もっと難しい問題、もっと込み入った問題、そういった問題を通っている塾で山のように解いてきたはずです。そういう難易度の高い問題は2021年度は1問もなかった。
そして合格者の平均点は100点に迫る99.8点で、受験者の平均点は82.3点。
もっと言えば、不合格だった受験生の算数の平均点は、データから簡単に計算できますが、わずか70.9点です。合格者平均との開きは30点。
易しい問題がきちんと取り切れなかった受験生が不合格になったということです。
ふだん練習でいくら難しいことをやっていたとしても、きちんと取り切る練習ができていないと結果につながらない。こういうことがはっきりした入試でした。
ですから、算数に限りませんが、まずは確実に足元を固めておくこと。
これが「難しい問題を解くための土台」になり、さらに2021年のように「取れないといけない問題ばかり出題される」場合も非常に有効になるのです。
難しいことだけをやっていれば、足元がぐらぐらしてきて、肝心の土台がぐらついてきて成績を落としてしまいます。
基本→応用→基本→応用→・・・
すべての教科でこれを意識しましょう。
3つ目。
各中学では、2021年から始まった大学受験改革を意識した取り組みを始めています。(たぶん・・・)
その取り組みが、中学受験にも下りてくる可能性があります。そのため「考える力」を重視するような問題も少しずつですが出題されています。
そこで、普段の勉強の中に、この「考える」学習を積極的に取り込んでほしいと思います。
全ての難しい問題を、分かるまでうんうん言いながらやるとなると、時間・体力がもたないでしょうから、各テーマで1問でも2問でも「徹底的に考える」練習を取り入れてほしいということです。
以上、3点に注意して普段の勉強に生かしてください。
次はキミが合格をとってくる番です。
大阪星光合格への秘策!?
何てものはありません。これは断言してもいいと思います。でも、合格に一歩も二歩も近づくことはできます。
算数で言えば、過去問で過去10~20年分を徹底的にやって理解する。問題傾向を体で覚える。どこにどんな難度の問題が出やすいか、逆に言えば、どの部分を徹底的に点数化できるのか、これを体にしみこむまで徹底的にやる。
さらに、過去問で問われたような内容の問題を、きちんと練習していく。
もちろんスピードも大切ですが、それ以上に「正確さ」意識して取り組む。
こういった練習で、少なくとも算数に関しては合格ラインに大きく近づいていけるはずです。
2021年度入試は、少し肩透かしをくった感じではありますが、この傾向がこのまま続くとは考えにくく、難易度も元に戻る可能性が高い気がしますから、気を入れて練習していって下さい。
大阪星光の算数対策用の教材があります
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