5年生は、11月か12月から6年に備えよう
中学受験まで、あと数か月となる時期には、どこの塾でも6年生中心にシフトします。
中には、授業日以外でも連日受験生を自習に呼び出し、長時間拘束し、受験に向かうような塾もあります。
そして、この時期から受験が終了するまでの間、4年生や5年生はどちらかというと塾のお客様状態にされてしまい、少々扱いが手薄になってしまうという面があります。
ですが、4年でも5年でも「今これを頑張っておかないと、次の学年になったら困る」ということがたくさんあるものです。
そこで、今回は、その中でも5年生が、この年末から真剣に取り組んでおくべきことを中心に書きます。
6年生になる前にやっておきたいこと
5年生のこの時期に、まだまだテストの点数が悪い、目標校まで偏差値が達していないという受験生は、以下に述べた「的を絞る」「暗記事項チェックと計算力向上」「難しい問題にも取り組んでいく」という3点を軸にやってみることをお勧めします。
1「的を絞って復習」
6年生になればいよいよ受験まで残り1年。
塾では最終学年ということで、今までの復習をしながら徐々に入試演習にシフトしていきます。
親も気合の入る1年。受験生本人も何となくその気になっていくでしょう。
さてそこで、6年になる前にやっておきたいことの第一ですが、それはもちろん復習。
ただ、復習と言ってもやらないといけないことは盛りだくさん。
何から手を付けていいか分からない、そういう保護者・生徒はたくさんいます。
復習しないといけないという意識ばかり先走って、あれもこれもと手を出してしまい、結局何も身につかなかったということもよくあるのです。
では、どうすればいいのでしょう?
それは、「的を絞る」こと、これに尽きます。
5年の間にやったことは、入試につながる重要なことばかり。どこから手をつけてもかまいません。
ですから、手始めに今までの復習テストや確認テストを引っ張り出しましょう。その中で、点数の出が悪いもの、単元を絞っていきます。
そして、テーマを一つずつクリアしていきます。復習テストの問題を解き直し、これが身についていないと思ったら、その時使ったテキストを探して、同じテーマの問題のうち、できそうなところから当たっていきます。
目標校に合わせてレベルの設定をしましょう。すべてやり切らなくても気にすることはありません。6年のカリキュラムで一通りのことには触れていきます。遅くとも夏休みまでにやることになりますから、その時に意識して取り組めばいいのです。
2「暗記事項のチェックと計算力の向上」
漢字や理科の暗記事項のチェックも大切です。
6年になってから受験する公開模試で、基礎点が確保できるのとできないのでは大違いです。
先に述べた単元の復習と、暗記事項の徹底で、少しでも得点できるところを増やしていくことは、受験生本人の自信にもつながりますし、モチベーションの維持にも役立ちます。
また計算は、速く正確にできることを目指して毎日練習してください。計算力というのは、やり続けると感度が研ぎ澄まされて、精度があがってきます。
漢字は、同音異義語や同訓異字、熟語の組み立てと意味もしっかりやっておきましょう。
3「難しい問題に取り組む」
算数では、「難しい問題を考える」練習をやっておくことをお勧めします。
たくさやる必要はありません。1問1問しっかり考える練習だと思ってさせましょう。
考えるという、入試の時に一番必要な力が、塾のカリキュラムを進むだけだと、不足しがちです(量や課題をこなすのに精いっぱいになってしまうので)。
4年生では、保護者がそばについて、考える手助けをしないといけない場合もありますが、5年といっても6年はすぐやってくる時期です。
多少難しい問題に対して、どこから解きほぐしていくか、取っ掛かりをどうやって見つけ出すか、自分で思考力をコントロールをする練習だと思ってやってほしいと思います。
問題の条件を書き出す、問題を図で表してみる、表にまとめる、などの作業をしながら、少しでも問題解決への取っ掛かりを見つける練習をしておくことは、入試で非常に役立ちます。
また、今のうちに、時間管理の徹底を図ってほしいと思います。さらに、時間だけではなく、集中力を維持する練習も同時にやってください。
5年生はあと1年ちょっとで受験。
悔いのない1年を過ごすために、今のうちにできることをやっておきましょう。