子供の頭で理解できることを教える
具体的に、より具体的に!
小学生の間、概念的な理解は難しい。特に、抽象的な考え方、論理的な考え方は大抵の場合ほぼ不可能と思っていいでしょう。
だから、できるだけ具体的に話を進めなければいけません。
例えば商売の問題。
・売価-原価=利益
とか、
・総利益=総売り上げ-総仕入れ値
とか言ったって、大抵の子は「?」
そこで、ひとつずつ具体例をあげていきます。
たかしくんが、1冊80円でノートを買って、これをお兄ちゃんに100円で売りました。いくら儲かったでしょう?
具体例をあげることで、子供たちは自分に置き換えて考え、実感できます。
中には「利益の概念」がわかっていない子もいるので、そこは丁寧に教えないといけないのですが…。
次の例。
キミは、1冊80円のノートを10冊買ってきました。
これを友達に売って、お小遣いを稼ごうと思いました。
そこで、1冊200円で売ることに決めて、友達に声をかけたところ、3人が買ってくれましたが、他の子は「そんな高いノート、買えません」と言ったので、仕方なく値下げして、1冊150円にしたら、4人の人が買ってくれました。
残った3冊がどうしても売れないので、1冊50円にしたら、全部売れました。
キミはいくら儲けたでしょう?
これも割合のところで出てくることですが、割合に入る以前のところで躓きます。
(ちなみにこの場合いくら儲かったでしょう。
・仕入れにかかった費用が、80×10=800円
・売り上げは、200×3+150×4+50×3=1350円
したがって利益は1350-800=550円。
50円で売りました、というところで「損や~」と叫んでいた子も、この結果を見て納得。)
できるだけ身近で分かりやすい具体例で考えさせるということが肝心です。
図を上手に使うことも大切です
場合によっては、図を描いて説明しないといけないこともあります。
簡単な例では、例えば
公園で、男女合わせて15人の子供が遊んでいます。
そこへ女の子が3人来て男の子が2人帰ったので、女の子が8人になりました。
はじめに遊んでいた男の子は何人でしたか。
式で書けば、
15+3-2=16人
16-8=8人
8+2=10人
または、女の子だけに注目して
8-3=5人
15-5=10人
なんですが、こんな式1発でできないことのほうが多いものです。
そこで、図を描いたり表にまとめたりして考える手がかりを与えます。
できるだけ「具体的に」イメージできるようにかかないといけません。
状況図でも、線分図でも何でもいいのです。
ここでは図や表は割愛しますが、大切なことは、
・図を描くと「考える手がかり」ができる
ということを、子供の頭に刻んでいってあげること。
「自分で考えてみようという意識」をつけられるかどうか
具体的なものに置き換えて考える、とか、条件を図を使って整理してから考える、というのは、算数を勉強していく上での基本。
これらを意識できる子になってもらうというのが、大切なことなんですね。
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