Z会の通信教育
以前、「Z会革命!Z会の通信教育は中学受験に向いているのか?」という話を書きました。
通信教育だけで中学受験できるのか、という話でした。
普通の親であれば、中学受験は、大手の進学塾に入れて、そこでビシビシ鍛えてもらって、学力をつけ、目指す中学に合格する、それが普通の流れだとお考えだと思います。
Z会の通信教育
実際、大部分の受験生は、特に難関私立中学を目指しているご家庭では、そのようになさっているでしょう。
金銭的な余裕があれば、それプラス家庭教師や個別指導で、ともかく塾内での成績を上げること、塾内でのクラスをあげることに意識を集中しているはずです。
ですが、中には、大手の塾の公開模試だけ利用して受験していく、難関中学の合格を取ってくるような子もいます。
そういったご家庭がまず考えるのは、やはり中学受験用のZ会。
今まで見てきた子の中でも、6年の夏前まではZ会オンリーでやってきて、最後の仕上げをしたいからと夏から塾通いという子も少なからずいました。
Z会でやってきた子の問題点もあります
そういって通い始めた子には、共通の問題点があります。
まず、知識や得意分野が偏っていること。
得意なところは自分でどんどんやっていったのでしょう。かなりレベルの高いことまでできるのですが、苦手な分野はとことんできない。
たとえば算数なら、図形分野は超得意で、難問にも進んで取り組むのに、数論はさっぱりだったり、割合や速さはできるのに、立体図形が苦手だったり。
もちろん、こういったことはずっと塾通いしていた子にも起こるのですが、そこまで極端なことはめったありません。
ですから、家庭で取り組んでいく際は、できるだけ偏りなくさせていくという、親の管理・監督が重要です。
もう一つの問題点。
それは、超マイペースということ。
あまり時間を気にせずやっていくので、塾のペースに慣れるのに時間が必要になってくるという点です。
入試には制限時間というのがありますから、時間を意識して取り組むということも大切です。
苦手単元の克服に
先日、保護者の方に「こんなものがあるのですが、うちの子にどうでしょう?」
と尋ねられて見せられたのが、「算数合格力をつける基礎1000本ノック」という案内のチラシ。
中身がよくわからないので、即答は避けたのですが、気になって調べてみました。
西宮にある数理教育研究会という個別指導塾が作成したプリント集のようです。
数理教育研究会のサイトから、販売ページ(yahooショッピングのサイトでした)にいってみると、ある程度詳細が分かりました。
算数の単元を大きく47個に分けて、その一つ一つのテーマで、入試に必要な項目を立て、それを「例題」→「類題」→「演習」の順にこなしていくというスタイルのようです。
特徴的なのが、例題の数値替えの問題をとことん練習させるという点でしょうか。
ざっとみたところ、1つのテーマで、8個ぐらいずつの項目がありそうですから、単純計算で300項目ぐらいの演習はできそうです。
大手塾に通っている場合は、解法が今まで習ってきたことと違って違和感がある場合もありますから、その場合取扱注意ですが、たとえば先のZ会で勉強しているような子なら、苦手項目に取り組むきっかけにはなりそうです。
それにしても、大手でもない弱小のと言っては失礼ですが、決して大きくない個別指導の塾で、よくこれだけのものが作れたものだと感心です。
後日、件の親御さんには、苦手なところを強化するために、一度試してみてはいかがでしょう、とお話ししておきました。
Z会を選択する理由は様々
話をZ会に戻しましょう。
大手の塾が近くにない、大手の塾に合わない、親がきちんと管理して面倒を見たうえで中学受験させたい、中学受験は本人の自主性を育てながら成長の一過程としてとらえたいので、本人の自己管理力を促す勉強方法を採用したい、などなど、親の思いは様々でしょう。
そういった場合は、Z会の通信教育も視野に入れて、受験までの道程の一つとして考えてみるというのもいいかもしれません。