
新学年の授業が始まるタイミングでの転塾は?
2月から、新学年の授業が始まる塾も多いですよね。
新学年の授業で、クラスが変わったり、担当の先生が変わったり、学年が変わって宿題の量が増えたりと、子どもも新しい環境に慣れるまでは親も結構気を使います。
大手の塾によっては、それまでいた先生がいなくなって、見たこともない先生ばかり、というところもあるようです。
成績も上がらない、先生方も総入れ替え(他校に転出されたり、退職されて他の塾に行ったり)。
こんなとき、通っている塾に対する不信感が大きくなるのは仕方ありません。
この機会に転塾は?
では、いい機会だからと簡単に転塾を決めていいのでしょうか?
1 先生と相性が合わない
こういう話があります。
5年で算数の担当になった先生は、宿題のチェックやテストの直しのチェックが厳しく、呼び出し、居残りはしょっちゅう。
最初は「熱心な先生にあたってよかった」と思っていたところ、ある日、子どもがどうしても塾に行きたがらない。
話を聞けば、子供自身が宿題をちゃんとやって持って行っても、「先生が言ったとおりにできていない。やり直し」
そういうことが何度か続き、子どもの心が折れてしまったようです。
保護者がその先生に話をしに行きましたが、「指示した通りできていないので、やり直すのは当たり前」と聞く耳を持ってくれない。
その子は、そこそこ成績を持っている子でした。
ただ、男の子にありがちな、やや雑な面があり、その先生はそこをきちっと型にはめて指導したかったのでしょう。
しかし、そういうやり方に向く子もいれば、そうでない子もいます。
5年の間はある程度泳がせておいて、最低限のことはしっかりさせておき、6年で集中的にさせて力をつけさせる。そんなやり方が向く子もいます。
結局、その子は5年の途中で、クラスを一つ下げてもらって、伸び伸びできるようになり、6年で、思惑通り勉強に集中、大阪星光にも西大和にも合格しました。
先生と相性が合わないと思うときは、遠慮せず、校の責任者に相談すべきです。
そのうえで、埒が明かないなら、本気で転塾を考えるといいのではないでしょうか。
2 担当の先生が総入れ替えになった
これも実際にあった話です。
4年の時にみてもらっていた先生が一人もいなくなって、子供も保護者も不安いっぱい。
校の責任者まで変わってしまい(学年末の進学説明会の時には、そんな話は一切なかった)、保護者はその塾に対する不信感でいっぱいになっていたようです。
難関校に何人も合格させている大手の塾で、その子のお兄さんもその塾から受験し、志望校に合格していたので、信頼していたのですが、裏切られた気分になったのですね。
この場合、とりあえず、校舎の責任者と話をすることをお勧めします。
さらに、替わった担当の先生の授業を何回か受講して、子供の様子を観察することです。
子どもが、以前と同様に家庭学習もやり、楽しそうに塾通いをしているようなら、それほど心配はいりません。
ですが、肝心の成績が伸びていないようであれば、再度担当者や校の責任者に相談してください。
転塾は、そういったことをすべてやり、様子を見てからでもいいのではないでしょうか。
転塾にはリスクが伴うのです
子供の勉強を取り巻く環境が大きく変わる
まず当然ですが、子供の勉強を取り巻く環境が大きく変わります。
友達が変わる、知っている先生がいなくなる、テキストも宿題のやり方も変わる。
慣れるまではしばらく時間がかかります。
進度も当然塾ごとに違いますから、前の塾で未履修のところが、新しい塾では履修済みということもあります。
成績が伸び悩んでいるなら、徹底的に担当者や責任者と話をする
さらにもう一点。
成績が伸び悩んで転塾を考えた場合は、その前に担当の先生や校の責任者とじっくり話し合ってほしいと思います。
なぜ成績が伸び悩んでいるのか、その原因がどこにあるのか。
そういったことをきちんと把握しておかなければ、塾をかわったとしても同じことを繰り返す可能性が高くなってしまいます。
保護者の方は、ご自身の思いをちゃんと塾の先生にぶつけてください。
できることをすべてやったうえで、転塾するという決断をしましょう。
塾ジプシーになると志望校合格は遠のく
まれに、あっちの塾でだめだからこっちの塾、そこもダメだから次の塾…と、大手の塾をジプシーのようにさまよっている親子がいます。
個別で見ていたときにも、そんな親子に出会いました。
いわく、担当者が頼りない、成績を上げてもらえない、クラスが上がらない・・・
事情はあるでしょうが、選んだ塾を信頼し、もう少し腰を据えて取り組ませてあげないと、結局しわ寄せは子供に行きます。
やみくもに塾を信頼しろとは言いません。ですが、塾で教える先生たちも人の子、信頼されたら少しでもそれに応えようと頑張ってくれるはずです。上手に塾を利用しましょう。
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