大阪星光学院 算数 平成7年 大問2
いろんなテストを作ったり、プリントを作ったりしているときに、過去の入試問題を見直すことも多いのですが、今回は(第1回ですが)、ふと目に留まった、大阪星光学院の平成7年度算数の入試問題から、大問の2を取り上げます。
思い出深い名作
この問題は、授業で解説するときは一苦労です。
なぜか。
それは、図がかきにくいということ。
半径2cmの大円を半径1cmの小円7個でおおう、と簡単に書いてくれていますが、これを黒板やホワイトボードにきちんとかこうとすると、ずいぶん骨が折れます。
よくこんな図形問題を出題してくれたものです^_^;
そして、今でこそ入試問題集に取り上げられることも多い問題なんですが、この年の大阪星光の受験生たちは、ずいぶん戸惑ったことでしょう。
受験後、教え子が数人やってきて、問題を差し出しながら、「先生、この問題、どう解くん?」と口々に叫んでいたことを思い出します。
受験生の一人(彼は算数が抜群にできました)が、シラーっと解法を説明、集まってきていた受験生たちは「オレもそうやった!」とか「全然違う」とか「分からんかった~」とか、これまた口々に叫んでいました。
ではその解法は?
(1)の解法は単純で、
小円の面積×7-大円の面積
で求められますね。
実際に小円を7個用意し、 指定されたように、一部重ねて置いたところから、大円1枚分をめくってやるイメージです。
図の白い部分は大円を取り去るときに消えてなくなり、さらに、小円の重なった部分のうち1枚分が大円をめくったときになくなり、車線部分だけが残る、こんなイメージです。
1×1×3.14×7-2×2×3.14=9.42cm^2となります。(^2は2乗を表します。)
(2)は、(1)で求めた面積から、葉っぱ12個をひきましょう。
ただし、問題文にあるように、これは近似値の問題です。
1辺1cmの正三角形の面積が与えられています(0.43cm^2)から、中心角60度で半径1cmのおうぎ形から0.43を引き、葉っぱの半分を求めます。
それを24個引くといいですね。
引く部分は、
(1×1×3.14×1/6-0.43)×24=2.24cm^2
ですから、
9.42-2.24=7.18cm^2
となります。
それにしても、こういう昔の入試問題一つでも、その当時の記憶が蘇ってくるなんて、人間の記憶の不思議さ、脳の不思議さを思わずにはいられません。
名作かどうかは別にして、今後も、教え子がかかわった入試問題で、記憶に深く刻まれたものを取り上げて行けたらと思っています。
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