ぐんぐん伸びる子とまったく伸びない子
中学受験を志す子供たちを教えていて、いつも感じることがあります。
子どもの授業を受ける様子を見たり、子供がやってきた宿題ノートを見たりすると、
「ああ、この子はまだまだこれからグッと伸びていきそうだ」とか
「この子、なかなか成績が上がらないだろうなぁ」とか。
進学塾で普通に子供の指導にあたっている人なら、この感覚、お分かりいただけると思います。
一体、何が違うのでしょう?
それは、おそらくですけれども、「気持ち」ではないかと思うのです。
漠然としていて申し訳ありません。
ですが、ここは大人の方にもお分かりいただけると思うのですが、何をするにも「気持ち」が入っていないといい結果は生まれませんよね。
勉強もそれと同じなんです。
授業を受けるときも「気持ち」が入っている子は、目の輝き方が違います。
気持ちの入っている子は、こちらが問題を解説しているとき、分からないなりに必死で考えている。
その子の成績云々の話ではありません。
だいたい、塾では成績順にクラス分けされていますから、ある程度その子のレベルに合った授業が行われます。
上のクラスでも、下のクラスでも、ただなんとなく授業を受けている、つまり、気持ちの入っていない子は、おとなしく前を向いてこちらを見ていても、「ああ、この子は気持ちの入り方が足りないなぁ。」など、観ていてもわかります。
そして、そういった子の成績はいずれ伸び悩んできます。
宿題のノートにもそれははっきり表れます。
一生懸命考えては消し考えては消ししている子は、宿題そのものの出来が、その時は悪いかもしれませんが、そういうやり方を続けていくうちに、成績を伸ばしていきます。
質問に持ってくる問題でも、簡単なことが分からないということも、最初のうちは多いものですが、それでも、しつこくやってきて、そのうち、驚くほど成績を上げる。
やっかいなのはその逆のタイプの子。
宿題ノートを見ても○ばかり。きちっときれいに仕上がっている。
この問題は分からんやろ、というのまで、○になっている。
もう一つのタイプは、ちょっとやっては「分からない」を繰り返しているので、ノートが殆ど何も書かれていずに、あるいは、分かりそうなところだけやって、あとは分からないからと、白紙のまま×をつけている。
こういう子供たちは、残念ながら伸びません。
「気持ち」が入っていないから。分かってやろうという気持ち、理解したいという気持ち、こういった大切な部分が欠落しています。
もう一つ、困ったタイプがあります。
それは、「やらされている」子。
お母さんが怖いから「やっている」とか、お母さんに喜んでほしいから「やっている」という場合です。
できるようになりたい、理解したいからやるのではなく、何らかの外的要因があって、それに迎合するためにやるというタイプの子です。
伸びない勉強をしている子らを、ぐんぐん伸びる子に変えられるのか?
だいたいどんな子でも、入試前になると目の輝きが変わってきて、必死になってきます。
それは、入試に受かりたい一心から出ているものなんでしょうが、勉強に「気持ち」が入ってきます。
そこにヒントはないでしょうか。
私は、うまく目標設定をしてやるといいのではないかと考えます。
目標なら、もう決まっている。難関のA中学を目指しています。
とか、
クラスを上がるのが目標です。
とか、
そういう答えが返ってきそうですが、それではお聞きします。
その目標は、子供が立てた目標ですか?
お母さんが立てた目標ですか?
まず、目標は子供本人に立てさせてください。
目標を考えるということを通じて、勉強を自分自身の問題にさせないといけません。
もちろん、子供だけで目標を立てるのは難しいでしょうし、立てた目標が適切かどうかも見ていってあげないといけませんから、
「あんた、先生がこない言うてたから、自分で(勝手に)目標立てや」などはしないでください。
一緒に考えてあげることは大切です。
そして、その目標の中身ですが、今の子供の身の丈に合った目標か、身の丈の3倍ほど高い目標かも見ていかないといけません。
ビジネスでは、長期目標、中期目標、短期目標などの言葉を使って、目標を3段階ぐらいに設定することはよくあります。
子どもが立てる目標にも、これを応用するといいと思います。
漠然と、A中学を目指す、ではなく
まず毎回の復習テストで、確実に70点を取る勉強をする。
次に、公開の偏差値を今より5点あげる。
クリアできたら、さらに
まず毎回の復習テストで、確実に80点を取る勉強をする。
次に、公開の偏差値を今より10点あげる。
この繰り返し。
そしてその先に長期目標としての志望校合格がある、これを親子で相談しながら設定していく。
こうすることで、子供がやっている勉強は子供自身のものになり、ぐんぐん伸びていく子になる基礎ができていきます。
いかがでしたでしょうか。
伸び悩んでいる子のお母さん、さっそく実行してみませんか。
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