天才児を育てる方法(復習)
さて、管理人は、この前「天才児を育てる方法」などという、怪しい、ある意味ふざけたタイトルの記事を書きました。
14歳で、カナダの一流大学に合格してしまうような少年を、お母さんはどのように育てたのか。
そちらの方に興味があったので、その部分を重点的に書きました。
何のことはない、育児をしていく上で、とても基本的なことを重視されていたのだと実感しました。
先の記事にも書きましたが、ポイントは2点ありました。おさらいします。
1 積み上げたことの上に次があるという地道な考え方でやってきたこと
2 本の読み聞かせや、保育園に通い始めた頃から一生懸命に話しかけるようにしていたこと
これは、特別天才に育てるというのではなくとも、優秀な子供を育てていく上では、非常に大切なことだと書きました。
早期英才教育は不要?
今回のお話は、これにまつわるものですが、お題はズバリ「早期英才教育のほとんどは間違っている」
じつはこれ、管理人が好き勝手言ってるのではありません。
同じことを考えている人がほかにもいるのだということです。
プロ家庭教師の西村則康さんという方。『御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方』(アスコム)、『勉強ができる子になる「1日10分」家庭の習慣』( 実務教育出版 )など著書多数の偉い人。
この方も、長い教師生活の経験から、管理人と同じ感想を持っているのだという記事を見つけました。
実は、今回のお題は、ここから「拾った」のです^_^;
何を以って「早期英才教育」というかは議論の余地がありそうですが、ここでは、「算数や国語に関する」「幼児期から小学校低学年における」「詰め込み教育」と一応定義しておきます。
習い事過多の睡眠不足
私たちのように、中学受験生を指導する機会が多いと、いろいろな保護者・生徒が訪ねてきてくれますし、実際、保護者のご相談に乗る機会もたくさんあります。
そして、多くの保護者は、幼児期から実に多くの習い事をさせています。
小学校受験のための塾に通っていた。小学校1年からもその塾の特進クラスにいて、3年(上限が3年)まで通う。
習字・ピアノ・そろばん・英会話・算数の個別指導・国語の家庭教師・公文などの習い事のほかに、スイミングやサッカー、器械体操、空手、剣道といったスポーツ。
1週間が分刻みで、お母さんは子供の習い事のマネージャーのごとく、つきっきりで面倒を見ている。
そういう生活を送っている子の何と多いこと。
もちろん、子供たちは普通に小学校に通っていますから、そのための宿題もしないといけません。
学校が終わるのを待って、お母さんが学校までお迎え、すぐその日の1つ目の習い事に直行、終わればそのまま次の習い事に移動、夜8時ごろ帰宅し、夕食・入浴を挟んで、学校や塾の宿題を夜中までする。
翌朝は学校に行くのに、6時か遅くとも7時には起床。そのため、子供たちの睡眠時間は5時間とか6時間は普通。
そんな子が進学塾に入ったら
そして、小学校3年か4年までに大手進学塾の門をたたきます。
では、こういう生活を送っていた子が、大手の進学塾に通うようになったとき、その成績はどんなでしょう?
これも管理人の感触ですが、
3年 上位 → 4年前半 上位 → 4年後半 中位 5年初め 下位
こんな推移を示す子が5人中3人はいる感覚です。
中には、3年 中位 → 4年前半 下位 → 4年後半 下位
そのまま、下位の成績を脱出できない子も5人中1人
残りの5人中1人は何とか上位の成績を保つ。
ということは、早期英才教育の多くは実際、結実していないのではないでしょうか。
以上、「早期英才教育のほとんどは間違っている」と断じるにはサンプル数は少ないのですが、実感として感じる部分です。
早期教育の弊害?
1 人の話が聞けない。
2 言い訳をする。
3 採点やま○付けをごまかす。
3年から塾に来て(4年からでもですが)成績が上がらない子の特徴です。
だいたいこのうちの2つや3つは当てはまっているようです。
1は「知っているから聞かない」場合もありますが、聞かないうちに話は次の段階に移っていき、そのうち理解できなくなります。
2や3は、どうでしょう、お母さんやお父さんに「間違えると叱られる」からでしょうか?
管理人には、このあたりが早期英才教育をしよう(されよう)とした子供たちに現れる弊害である気がしています。
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