大学入試が変革!
中央教育審議会(安西祐一郎会長)は22日、大学入試センター試験に代わる新テスト導入を下村博文文部科学相に答申した。現在の小学6年が大学入試を迎える平成32年度から実施される見通しで、高校在学中に学習到達度を測る別のテスト新設も提言。各大学の個別選抜(2次試験)にも討論などを課して総合的学力を把握するよう促す。(産経新聞 2014.12.22)
これは、産経新聞からの記事の引用なんですが、もうひとつよくわからないんです。
大学入試、何が変わるの?
何がよくわからないかというと・・・
テストを2種類、とあります。
まず、高校在学中の基礎学力が身についているかどうかを測る「高等学校基礎学力テスト」で、高2から年数回実施。
次に、センター試験に代わる「大学入学希望者学力評価テスト」。
えっと、大学受験に使うのって、あとの「大学入学希望者学力評価テスト」なんですよね。
じゃ、「高等学校基礎学力テスト」は何のため?
おまえら、このテストは、大学受験に関係ないけど、お前らの学力がついているかどうか、そして、おれら高校教員がちゃんと仕事してるかチェックされるテストだから、ちゃんと受けろよ!って意味のテストなんでしょうか?
センター試験、やめる必然性はあるの?
それに、今のセンター試験、そんなにできの悪いものなんでしょうか?
今回の改革で、「現行の『教科型』の設問を将来的に廃止し、複数の教科を合わせた『総合型』に移行。」とあります。
想像しがたいのですが、1教科、1教科のがんばりは大学受験に反映されないということなんでしょうか?
確かに、今のセンター試験にも問題はあるでしょう。でも、少なくとも、まじめに努力する生徒の評価には適しているように思います。
まじめにコツコツ頑張れる人を評価しないで、要領でわたっていく人が出世していく、まさに、現代社会の評価制度を入試に持ち込むような気がして、ほんとにそれでいいのと思ってしまいます。
まじめに、コツコツやってくれないと困る職業も世の中にはたくさんあります。
例えば、お医者さん。
医師国家試験合格のためには、まじめにこつこつやれない人はふるい落とされるはずです。
司法試験の勉強でも同じ。
今回のシステム改編では、きちんと点を取るための勉強ができる子、こつこつできる子など、こつこつ努力をするタイプの生徒の締め出しにつながらないのでしょうか?
要領がいい子が得をし、要領が悪い子が損をする。そんな大学入試にならないのでしょうか?
それとも、要領の悪い生徒、頭の回転の遅い子を締め出す、そういう大学受験を意図しているのでしょうか?
それを、中央教育審議会は求めているのでしょうか?
大学が労力をもっと割いて合格者を決めるべき
現行のセンター試験に加えて、医師や法律家、特に医師になりたい人に対しては、適性検査などの2段階選抜としていけばいいのではないかと思うのですが。
で、たとえば、医学部医学科の入試。こういうのはどうでしょう。
センター試験は今まで通り実施。基準点をクリアすれば、学力的な問題は解消。これを第1段階とする。
次に、学力をクリアした受験生に適性検査を実施。
面接はどうしても客観的な評価基準には向きません。ですから、点数化できる検査で基準を満たせば第2段階クリア。
第3段階で面接を行う。ここでは、各大学が求めている人材かどうか、最終的にチェックするにとどめる。
つまり、大学側が今よりもっと時間や人手を割いて、その大学にふさわしい人材かどうかを複数の人間で観ていくシステムを、最終段階で設ける。
センター試験を、基準点として各大学が採用すれば、センターで点を取るための、重箱の隅をつつくような出題が不要になり、良問をたくさん出題できるようになって、いいんじゃないでしょうか?
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