
6年生は絶対夏期講習に参加せよ!?
6年で塾の夏期講習に参加しないというのは、なかなか勇気のいることです。
まず間違いなく塾の先生からなぜ受講しない、志望校に合格できないぞ、と脅されることでしょう。
では、受講したらいいことがあるのでしょうか。
1 塾の論理
夏は入試の天王山、等と言って、ここでみんな力をつけるのだから、君一人置いてかれるぞ。
総復習や問題演習とか、普段できないことを詰めてやるから、力がつくのだ。
成績を上げて志望校に合格する気はないのか!
ま、その通りです。
管理人も、実際そうやって保護者や生徒を説得してきました。
ここまで、どちらかというと順調に成績を伸ばしてきた人は、受けた方がいいでしょう。
2 親の立場として
だけど、それはあくまで、「順調に成績が推移してきた」場合の一般論。
親が一番注意しないといけないのは、次の点ですよね。
「ぼくが、わたしが、自分の子が、本当に力がつくのか。別の違うやり方はないのか?」
やはり、ここは一度立ち止まって、志望校合格のためには、何が本当に必要かを考えるのがいいかもしれません。
親は親で、子は子で考えて、そして親子で十分話し合って、その結果、やはり受講しようとなれば、それはそれで意味があるでしょう。
子供にとっては、周りのお友だちが、みんな受講するという中で、自分は受講させてもらえないかもしれない。
勉強のやり方、意識を見直すいい機会にできますよね。
そして、親子で話し合った結果、こういう考えで受けようということになれば、受講することは大いに意味があります。
成績の推移が思わしくない、志望校までほど遠い、など、このまま塾でさせても改善が期待できないという理由で受講しないとなれば、その代わりのことをしっかり考えておいてあげないといけません。
このまま受験に向かうのか、あるいは、中学受験はやめて次の高校受験をしっかり考えていくのか。
自宅学習で夏期を乗り切る!?
受験させるというのであれば、何をどのように、どんなスケジュールでやっていくか、かなり細かく決めないと、ずるずる時間が過ぎてしまいます。
ここをクリアできれば、塾の夏期講習に通おうが、自宅でスケジュールをたんたんとこなしていこうが、実際のところ、大差はありません。
そして、自宅学習というのは、どうしてもやり方自体が甘くなりがちです。
個別指導にシフトするのも一手
場合によっては、今通っている塾から、完全に個別指導にシフトする(金銭的な事情が許せば)ことまで考えてあげた方がいい場合もあります。
以前、このブログの読者さんが、体験談を送ってくれたことがあります。
最難関校を目指して大手の塾でやってきたが、どうしても国語だけはなかなか成績が伸びない。さらに、5年まで塾の課題も順調にこなしていたのに、6年になって課題が膨大になり、今までのようなペースでじっくり取り組むことが無理になってきた。与えられた課題を完全にこなそうとして、睡眠時間も極端に削られ、それどころか、精神的にぎりぎりのところに来ているような状態でした。
そこで、その方は、さんざん悩み抜き、お子様と何度も話し合った末、夏前に塾をやめることを決意して、国語を中心に個別指導にシフトすることにしたそうです。(お子様がかなり精神的に参ってしまっている状況だったというのが一番の理由だったようです。)
~この間、何度かご相談のメールを頂戴し、微力ながらお返事をしたためました。大手の塾から離れることの不安も大きかったと思いますが、何よりも受験までの間、親が精神的な面でサポートでき、まさに二人三脚で受験に向かっていけたことが、不安を感じる以上に良かったのではないか、と書いておられました。
入試の結果も、最難関は惜しいところで逃したのですが、親子が第1志望校と考えていた次の学校に無事合格されたそうです。
後悔の残らない受験をさせたいですね
中学受験に臨むご家庭、お子さん、お父さん、お母さん、それぞれに、それぞれ違った悩みや障害はきっとあると思います。
ですが、受験生であるお子様を中心に、家族みんなでその障害を乗り越えてこそ、本当の意味で「受験してよかった」と言えるのでしょう。
いずれにせよ、中学受験できる機会は、年明けの1月ただ1回。
後悔の無いよう、一つ一つ、前を向いて進めていってあげましょう。
※ この記事は2014年に掲載したものに、大幅に加筆・修正をしたものです。
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