「算数ができない」子供の共通点と対策

算数が苦手、じゃ、なぜそうなったのでしょう?

最近、算数が苦手な子の面倒を見る機会が多いのですが、5年とか6年で算数が苦手、できない子には、当初予想していた通りの共通点がありました。

まずはその共通点を明らかにし、次に、算数を得意にしていくために何が必要かを少し書いてみたいと思います。

算数ができない、苦手という子らに共通していることは、計算を面倒がること

問題の解き方を教え、類題をさせるのですが、なかなか答えが出ない。

子供によって違うのですが、途中で固まって前に進んでいない子は、2けた×2ケタの計算のところや、ひっ算が必要な割り算のところで止まっていたりします。

また、ようやく答えが出ても、その答えが違っている場合など、解き方を見ると、進め方は合っているのに、途中の計算で間違えたり、最後の最後の計算で間違えたりしています。

そして、これもよくあるのですが、教えられた手順でやっていても、途中で計算がおかしくなってしまって、とんでもない計算に行きつき、やってもやっても答えが出せなくなってしまっていたりする。

結局、圧倒的に「計算が弱い」子供たちなんですね。

さらに子細に観察すると、かけ算のひっ算の中の「足し算」で間違えていたり、割り算のひっ算の中の「引き算」で間違えていたりすることも多いのです。

計算力がない、と言ってしまえばそれまでなんですが、すごくもったいない。

正解が出せないからモチベーションが続かなかったりもするわけで、当然、確認テストなんかをやらせてもなかなか結果がついてきません。

そうするとなお一層モチベーションが下がってしまう。

こんなパターンになってしまう子が一定程度います。

できないという思い込みで、できない子もたくさんいます

もう一つのパターンは、算数ができないと思い込んでいる子。

何をさせても自信がなく、どうせできないんだからとすぐに諦めてしまう。

できないと思い込むことになる「きかっけ」がどこにあるかはさておき、とにかくひたすら「自分は算数ができない」と自分自身に言って聞かせているように見える子もいます。

もちろんそういった子の中には、計算からできず、教えている僕から見てもなかなか厄介な子もいるのですが、「いやいや、苦手と思い込んでいるだけで、実際はそうでもないなぁ」という子もけっこういたりするのです。

じゃ、なぜそう思い込むことになったか。

いろいろ話を聞いていると(その子だけでなく、お母さんやお父さんなどにも機会があったら聞いて回るのですが)、どうやら周囲の大人たちが「どうせできないでしょ」というようなニュアンスのことをしょっちゅう口に出し、子供がそう思い込まされている、こんな状態になっているということに行きつくことがよくあります。

昔、太平洋戦争で戦死した山本五十六が残した名言に次のようなものがあるのをご存知の方も多いでしょう。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、
ほめてやらねば、人は動かじ。

これには続きがあって、

話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

というものです。

やってみせて、させてみて、そして「褒める」

やっている姿を見守って「信頼してやる」

させて、できないからと言って「けなす」というのは論外。

見守って、できたら褒める、できるまで付き合ってやる、子供のことを信頼して見守る。

こういった姿勢を持たないといけないのだと、改めて感じているところです。

どういう取り組みをしたら算数が人並み以上になるのか

算数ができない子、の原点に話を戻すと

計算ができない

これは、絶対に今までの計算練習のさせ方、取り組ませ方がまずい、ボクはそう思います。

計算なんて、きちんと取り組み方を身につけたら、絶対に誰にだってできる。

それができていないというのは、断言します。親の責任です。

学校が悪いのでも、塾が悪いのでもない、すべては親が悪い。

全く何もさせなかったか、一人で「勝手に」取り組ませていたか。

計算ドリルは買ってさせている、じゃ、それをやらせている間、子供に付き合ってあげていますか。放置していませんか。

やった、やったという子供の言葉をうのみにし、答えを丸写ししたテキストを見て満足してはいませんか。

計算ができないのは致命的です。中学受験だけではなく、ここから先の大学受験に続く何年もの間、数学で苦しみ続けることにつながっていきます。

ですから、少なくとも小学校の間、根気よく「計算力をつける取り組み」をやってあげてください。1日に10分ずつでいいのです。子供がやっているすぐそばで、子供がやっている様子を見てあげてほしいと思います。

できない思い込み

そして、「できないという思い込み」そのもとになるような声かけは二度としないようにお願いしたいと思います。

もちろん、何もやっていないのに「あなたはできる」というのはダメですが、与えられたことに真剣に向き合っている子は、今すぐじゃなくてもいずれ必ず芽が出てきます。

今できていないから「どうせやったってできない」的な声掛けはやめましょう。

ここでこそ、子供を信頼し、しっかり見守ってやる姿勢が要求されるのだとボクは思います。

慌てて結果を求めない、きちんと取り組んでいる子は必ず結果がついてくる。

この2点、これもお母さんやお父さんにお願いしたいところです。

そんな分かり切ったことを書くな

とお叱りを受けてしまうようなことをつらつらと書いてしまいました。

たぶん、おそらく、このブログをご覧いただいている方には無縁の話だったかもしれません。本当に読んでほしい方には、なかなか届かないんですね。

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