わが子を「その気にさせる」志望校選び。偏差値の壁を越える親のナビゲート術
中学受験を成功させるための第一歩。それは、「親と子の思いを一つにする」こと、これに尽きます。
どこの中学を目指して勉強していくのか。この部分の意思統一を、まずは初めにやっておいてください。
子供は学校のことをほとんど知りません。
だからこそ、親が「ナビゲーター」として上手に導いてやる必要があるのです。
併せて読みたい。中学受験を「親子の成長」に変えるための、親のメンタル管理術
1. 「自分で決めた!」と思わせる誘導の技術
志望校選びにおいて、禁句は「絶対〇〇中学に合格しなさい」です。
子供は親が思うより繊細です。親の思いを強く感じすぎると、それだけでプレッシャーになり、重荷になります。最悪の場合、成績との乖離に絶望して、心の中で「無理だ」とあきらめてしまうケースもあります。
押しつけは絶対に厳禁。
かといって、すべてを子供任せにはできません。
上手に親の思う方向に子供を誘導していく。これに限ります。
ボクは「たまたま通りかかって」学校を見せた
管理人も2人の子供を中学受験させましたが、やはり誘導しました。その方法はこうです。
- 塾の学校説明会に親が参加し、夕食時にその魅力を語る。
- 何度か繰り返すうちに、子供は(良い意味で)洗脳されます。
- タイミングを見計らって、一緒に学校のサイトを見る。
- ダメ押しとして、「学校を見に連れていく」。
我が家では、「行かせたい学校を見に行こう」と誘うのではなく、車で出かけた途中に行かせたいと思う学校のそばまで行って、「何か素敵な学校やね。」と偶然を装い、「その学校のいいところを実物を前にして子供に話して聞かせる」という手法を取りました。
これが効果絶大!
子供は「自分でその学校を見つけ、志望校に定めた」と思い込み、黙々と頑張ってくれました。
「自分で決めた目標」だからこそ、心が折れそうな時も「あなたが自分で決めたんでしょ」という親の一言で踏ん張れるのです。この強い思いが、直前期に合格をもぎ取ってくる原動力になります。

2. 「大学合格実績」の数字に惑わされない
志望校を選ぶ際、週刊誌の大学合格実績を参考にする方は多いでしょう。将来、わが子に東大・京大、あるいは医学部へ行ってほしい……そのために今、投資をしているという親心はよく分かります。
実際、私がかつて指導していた塾の「四天王寺コース」や「東大寺・星光コース」では、親が医師というご家庭が非常に多く、子供たちも「私も医者になりたいから」と志望動機を語っていました。
しかし、ここで一つ考えてほしいことがあります。 難関校に合格した子たちが次に取る行動は、**「大学受験のための塾(研伸館や鉄緑会など)を探すこと」**なのです。今の時代、学校の力だけで合格を勝ち取るのが「普通」ではなくなりつつあります。
難関中学・高校の真の魅力は、進学実績だけではありません。 多感な6年間で、強烈な個性を放つ友人や、個性豊かな先生方に出会うこと。その切磋琢磨の中で磨かれる「人間力」こそが、将来、人生をかけるべき仕事に出会った時に挫けずに進める力になります。
「大学実績が……」という点だけでなく、「わが子がその学校で、一生の宝物になる出会いを得て、大きく成長させてもらえるか」。この視点を忘れないでください。
3. 「母校になる学校」を選ぶという覚悟
志望校を選ぶということは、そこが子供の「母校」になるということです。決して安易な気持ちで選んではいけません。
例えば関西の男子の場合、灘を第一志望に据えても、併願校として西大和、東大寺、洛南、あるいは高槻や清風南海など、何校か受験するのが一般的です。
ここで注意すべきは、第一志望が思うようにいかなかった時です。 あわてて「藁にもすがる思い」で、今まで見たことも行ったこともない学校を急きょ受験し、そこに入学することになる。そういう例を、私は何回も見てきました。
その「急に決めた学校」が、子供の母校になるのです。
だからこそ、親は万全の準備をしてください。
- 受験する可能性のある学校は、すべて親の目で見ておく。
- 説明会に参加し、通学の便や雰囲気を確認しておく。
- 願書はあらかじめ手に入れておく。
合格発表から手続きまでは猶予がありません。塾の先生に「願書はどこですか?」「どんな学校ですか?」と聞いている暇はないのです。
「備えあれば患いなし」。 どの学校に縁があっても、親が自信を持って「ここは素晴らしい母校になるよ」と言ってあげられるよう、事前のリサーチを徹底してください。
最後に:合格の扉を開くのは「子供自身の意志」
親がナビゲートし、環境を整え、最後は子供が「ここで学びたい」と強く願う。 このサイクルが回ったとき、偏差値の壁を越えた奇跡が起きます。
中学受験は、単なる学力テストではありません。親子の絆と、情報の集め方、そして戦略的な「誘導」の集大成です。迷ったときは、いつでも現場のプロである私にご相談ください。
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