小6は秋から過去問をやるべきか?

大手塾では大々的に志望校の過去問はさせない

最近、大手の進学塾では、子供たちの志望校の「入試過去問」をあまり重視していないようです。

もちろん、塾によって扱いは多少変わるのですが、

浜学園にしても希学園にしても、馬淵や日能研でも、そして能開センターでも、なんですが、

授業時間を割いて「過去問をさせる」という話はほぼ聞かなくなりました。

そして、指導方針としては、

過去問は赤本でも購入し、各自で適当に進めるように

みたいな感じのようです。

担当者によっては過去問の管理までしてくれることも

中には、担当者が過去問の結果をきちんと把握して、アドバイスをくれたりするところもあるようです。

子供一人一人に、過去問の進捗表を書かせ、それをもとに細かく指導してくれたりします。

ですが、こういった対応はあくまで「先生の個人技」として認められているに過ぎないケースが多く、塾としてそういった対応をしっかりやってくれることはまずありません。

塾が過去問を大々的にさせなくなった理由

 有名・難関中学の問題は、テキストに取り込まれていて、それを使って授業を行っているので、今更過去問に取り組ませる意味がない。

 志望校別の特訓をどの塾も行っており、そこでは難関校の入試形式に似せた形でプリントを解かせているので、今更改めて、過去問をさせる必要性が薄い。

 さらに塾側の事情として、できるだけ多く塾で授業を受けさせたいので、今まで家庭で過去問に取り組ませていた時間まで、授業時間として確保し、少しでも売り上げアップにつなげたい。

などの事情があります。

本当に受験生は過去問をこなす必要はないのか

では、受験生としては自分の受験校の過去問をどうこなしていくべきでしょうか。そして、そもそも過去問はさせないといけないのでしょうか。

過去問をさせる意味はあるのか

確かに、過去問は学校で一度出題された問題であり、二度と同じ問題は出ませんから、させる意味がないというのも理屈としては「あり」です。

さらに、テキストで解いたことがある問題を、入試練習に使う意味がないというのも分からないではありません。

ですが、いくら塾で志望校別にコースが設定され、予想問題を学校の入試問題形式で練習したとしても、あくまで「塾が勝手に考えた問題」です。

それと比べて、過去問は、実際に本番で使用された問題ですから、それに取り組む際の子供自身のモチベーションは大きく違ってきます。

さらに、塾が勝手に考えた問題、と書きましたが、実際には一部講師がほぼ単独で作った問題です。形式は似ていてもその学校の入試問題に込められたエッセンスまできちんと再現できていないことも多いのです。

本番の問題にじかに触れることで、その入試問題に込められた作り手の思いに接するという経験は、その学校が第一志望校であればなおさら、必要であるように思います。

そして、いくらテキストで問題を取り上げているといっても、すべて100%取り上げているわけではなく、あくまでテキスト作成者の主観で取り上げているだけ。フルコースの料理の中のメインディッシュのお肉の一切れを食べてフルコースの料理を評価するような事態になりかねないのです。

どの学校もまんべんなく過去問をやるべきか

入試の形式が大きく変わることもあるので、過去問に頼りすぎるのは良くない、という声もたまに耳にします。

ですが、それは塾で実施する予想問題でも同じ。

では、どこまで過去問をやったらいいか。

 少なくとも受験を予定している学校については、一通りやってください。

ただし、赤本に載っている問題すべてをやる必要はありません。基本は、過去2~3年分。

複数回テストを行っている学校については、自分が受験する日程の分をやってください。

とことんやった方がいい学校とは

難関校に関して、過去問を徹底的にやった方がいいという学校もあります。

男子なら、大阪星光甲陽学院六甲、など。

共学であれば清風南海

女子校は四天王寺

少なくとも過去10年ぐらいまではさかのぼって徹底的にやった方がいいし、徹底的に取り組んでおくことが必ず本番入試で力になります。

過去問にそれほどとらわれなくてもいい難関校は

東大寺洛南

これらの学校に関しては、過去3年分に触れておくぐらいがちょうどいいと思います。

逆に、塾で行っている志望校別特訓の問題を徹底的にやっておくことが大切でしょう。

西大和

西大和に関しては、あの問題量を経験しておく必要がありますから、過去5年分ぐらいは取り組んでおいた方がいいかもしれません。ただし、入試日程がころころ変わった学校です。問題の難易度も過去と今とでは大きく変わってきています。

ですから、取り組むとしたら3科日程・4科日程の区別がある年度は4科日程の分を、県内入試と県外入試があれば県内入試を、そして、ある年から大問数が減ったのですが、大問数が多いときの西大和の入試問題には触れない方がいいでしょう。

神戸女学院

神戸女学院もあるときから入試形式がガラッと変わった学校ですから、それ以降の分をやっておけばいいでしょう。

本気で過去問に取り組むことで合格率は上がる!

統計はありませんし、実証できるデータも持ち合わせていません。

ですが、今までの経験から、本気で過去問に取り組んだ子たちは、そうでない子らより合格率が高かったように思います。

塾の課題に追われて過去問をやっている時間がない!

多くの受験生が、保護者がそう感じています。

塾の授業は毎日のようにあるし、塾からの呼び出しも多いし、まとまった時間が取れない。

もちろん、塾から出された課題には全力で取り組まないといけません。

やりっぱなしだったテストのやり直し、解き直しもやっておいた方がいいでしょう。

ですが、それと同時に、各家庭で、過去問に取り組む時間を何とか捻出してください。

時間配分を考えたり、問題全体の感触をつかんだりというのは、他の勉強では替えが利きません。

貴重な時間を使ってでも、やる価値はあります。

一度に全教科をやるのは無理がありますから、今週は〇〇年の算数と理科、来週は同じ年度の国語と社会…

9月を迎えたら、入試本番まであっという間です。

今から計画的にこなしていくべきです。

合格は自分の手で引き寄せる!

いくら塾でたくさんの課題が与えられるといっても、結局それをしっかりこなし、自分のものにしていけるかどうかは、最後は「自分次第」です。

またこんなに宿題が出た…などと後ろ向きの姿勢だと、合格から遠ざかってしまいます。

ですが、適宜、過去問演習を入れていくことで、モチベーションを維持できます。

気持ちの前向き感が違ってくれば、合格に近づけます。

あこがれのあの学校への合格を、自分で引き寄せてください。

以上、これから難関校を目指す方々に参考にしてほしいという思いで書きました。

健闘を祈ります。

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