最後の追い込みの時期をどう過ごすか
入試前の12月。20日ごろから冬休みに入っていく学校も多くありますから、この時期の過ごし方を簡単に書いておきます。
中学受験生にとっては、残りわずか30日足らずです。
最後まで、悔いの残らないように、決してあきらめず、全力で取り組んでほしいと思います。
進学塾に通っている場合
塾が用意している直前対策用の講座が、たいていの塾にはあります。
志望校別の特訓だったり、難易度別の講座であったりします。
これは受講した方がいいのでしょうか。
結論としては、偏差値が第一志望校に届いている場合は、受講をお勧めします。
僅かに偏差値が足りていない場合も、受講しつつ、弱点を補強するという方がいいでしょう。
弱点補強は、塾が準備してくれる場合もありますが、保護者が子供の様子を見ながら考えていくというのもありです。
弱点の補強をしていく場合、塾から出される課題は、必要・不要の選別をしてあげないと、いくら時間があっても足りません。
ですので、塾の先生に相談し、選別をしてもらうのがいいでしょう。
この成績帯の人は、最後まで通っている塾・先生を信頼しついていくのがいいのではないでしょうか。
ですが、偏差値が5点以上足りていない場合、塾の直前特訓は足かせになる可能性があります。
テストを受けても、講義を聴いても空回りになったり、うわっすべりになったりするだけだったら、むしろ、自宅で、できればお父さんやお母さんがつきっきりで見てやる方が合格の可能性が高くなるのではないでしょうか。
家庭で最後の詰めを行うということに対して、不安を持たれる保護者の方も多いのですが、しっかりと受験直前までのスケジュールを考えてあげることで、むしろ、塾に通うよりも最後に伸びる可能性があります。
家庭学習が中心の場合
① 一番大切なことは時間の使い方です。
時間割を決めて、その時間通り、勉強時間を確保していくこと。
② 次が、過去問の徹底演習。
1度やった、ではなく、できれば第1志望の学校については、過去5~6年分を、3度まわすぐらいのつもりで取り組みましょう。
第1志望校が入試日程を複数回設定している学校では、できればすべてに目を通しておきましょう。
ただし、この場合、3回回すのは、同じ日程の入試問題です。それ以外の日程の入試問題は3回もする必要はありません。
③ 弱点の補強
この時期に、過去問の次に優先しないといけないのは、暗記事項の徹底です。
今まで使ってきた教材を再度隅々まで頭に入れるぐらいのつもりで取り組むこと。
さらに、苦手なテーマがはっきりしている場合は、これも今まで使ってきた教材の該当箇所を、基本問題から始めて、頭から解き直す時間を取りましょう。
例えば、理科で力学のてこが苦手という人は、テキストのそのページをはじめからきちっと押さえていく、土台ができることによって、解ける問題の幅が広がります。
④ 時間配分
苦手なテーマや教科があるからといって、それにばかり時間をかけてしまうと、得意な教科や得意な単元で点が取れなくなる場合もありますから、バランスよく時間を配分してください。
入試は、教科間のバランスがいい生徒ほど合格が取りやすいシステムになっていますから、苦手な部分を意識しすぎることの無いように取り組むことが大切です。
家庭学習成功のポイント
1 時間を区切る
入試の制限時間はだいたい50分とか60分ですから、それに合わせて時間を区切ります。
60分やれば10~15分休憩というインターバルで1日の時間を組み立てましょう。
パソコンで、チャイムのソフトをダウンロードし、それを鳴らして時間の区切りにするのもメリハリがついていいでしょう。
2 進捗状況をチェックする
子供の合格のため、保護者ができることはまだまだあります。
毎日の進捗状況をチェックすることもその一つです。
ただし、思うように捗っていないからと言って、子供に激しく当たりすぎるのは問題です。
なぜ捗らなかったかを話し合う時間を、少しでいいので取って、改善策を、子供と一緒に考えてあげましょう。
この時期になれば、大部分の子は入試に向けて真剣になっていますから、そこをうまく導いてやるのが大人の務めです。
3 家庭内を明るくする
家庭の雰囲気が暗いと、子供自身も不安になります。
ここは、敢えて明るい雰囲気作りを目指してください。
入試の合格・不合格は大問題ですが、生きるか死ぬかという程の問題ではありません。
しくじっても、この先、挽回のチャンスはいくらでもあります。
ですから、あまり深刻になりすぎることの無いように、大人が雰囲気作りをしてやること。
子供も、気分が軽くなって、本番で力が発揮しやすいというメリットもあります。
子供の「頑張る気持ち」を上手に引き出す
ここまで、入試直前の勉強を中心に書いてきましたが、勉強・受験するのはあくまでも子供です。
大人は、あくまで頑張っている子供のバックに回って、後ろからそれを支えてやりましょう。