子供の才能を「伸ばす」親と「芽を摘む」親は何が違うのか?

子供の才能を「伸ばす」親と「芽を摘む」親

子供たちは誰でも素晴らしい才能を持っているはず、です。

そう思うのですが、中学受験を目指すたくさんの親子を見ていて、「あ、この親は子供の才能を上手に伸ばしているな」「あ、この親は、子供の才能の芽をつぶしてきたな」と思う場面に出くわすことも多くあります。

たまたま、子どもを「伸ばす親」「つぶす親」の共通点5という記事を見つけたので、その内容のことも含めて、あくまでも私の感想や、気づいたことを書いてみます。

ただし、ここで書かれている記事は、中学受験という狭い範疇に関することではなく、究極、これからの先が見えない時代に生きていく力を子供に持たせる、という意味においてだそうです。

ですが、中学受験の際にも参考になることが多いように思いますので、引用させていただくことにしました。

子どもを伸ばす親とは?

筆者の鳥居りんこさんによると、「伸ばす親」の類型は以下の5つ。

1 夫婦で腹を割って「我が家の教育方針」を決める親

どういう大人になって、こういう人生を歩んでほしい、よって親はこういうサポートを惜しまないという、夫婦の一致した共同目標があるご家庭は子どもの将来が違ってくる

確かに言われるとそんな気がします。

中学受験の場合、視野の先にあるものも、もっと短期になってしまいますから、さらにその先にあるものを見つめて、という視点は外せないでしょうね。

2 小さな長所を発見し褒める親

「自己肯定感」を持って成長できた子どもは間違いなく幸せである

親は常に子供の様子を見ているため、ついつい細かなことが気になり、褒めるよりは貶す(というか注意する)ことが、生活の中では中心になってしまいます。

ただ、小さいことでもできた時は褒め、一緒に喜んでやるということが、自己肯定感を持たせるには重要なんでしょうね。

3 「先送り」をしない

少しわかりにくいのですが、筆者によると

初めて出会う鉛筆、初めて出会う提出物の期限、初めて出会うPC……。ありとあらゆる我が子が出会う「初めまして」に心を配る。これが我が子の干支1巡目までにきちんとできているご家庭には問題が少ない

ということです。

なるほど。

4 「人の役に立つ」素晴らしさを教えられる親

我が子が幼いころより「この仕事は世の中にこう役立っている」という視点で解説してあげる家庭に育つと職業観が自然とついてくる

なるほど。

5 打たれ強い子に育てられる親

親は子どもが幼いときから、失敗させることを恐れない。失敗したことを「経験値が増えた」と言って逆に喜べる。どうしようもない失敗をしたときこそ「(おまえは)大丈夫」と言って、動じない最後の砦となれるならば、その子は「ここ一番!」のときには粘り強さを発揮できる人間になっている

これは中学受験にとっても大切なことです。

中学受験のため勉強をしていれば、順風満帆に行くことなどまずありません。

思うように成績が出せずに落ち込んだり、課題がちゃんとできていなくて塾の先生に叱られたり、とへこむ出来事はたくさんあるでしょう。

ここをぐっとこらえ、先に進む気持ちがどうしても必要です。

ただ、最近多いのが、叱られたから塾に行きたがらないという我が子の言い分を正当化するために、塾や学校にクレームをつけてくる親。

そういえば、最近あった教え子が言っていた。

「塾で叱られた」と親に話すと、「あんたがわるいんでしょ!」と逆にもっと叱られるので、塾で叱られたことはできるだけ親に言わないようにしていた。

それを聞いていた別の教え子数人も、口々に同意していました。

昔の親は、そういうことでクレーム騒ぎになることはまずなかったなぁ。

よけいな話を書いてしまいましたが、「打たれ強い」というのはこの先生きていく上でも非常に大切なことだと思います。

子どもの芽を摘む(つぶす)親とは?

さて、今度は、反対に子供にとって良くない親の類型(行動パターン)です。

1 夫婦仲が悪い親

安定しない家庭に安定している子は望めない。仲の悪さの原因はさまざまだが、夫や親族の愚痴を吐き続ける母の元に育つと、その子は遅かれ早かれ壊れる

2 上限を決める親

我が子が「これになりたい」というような将来についての希望を口走ったときに「(いつも口だけで地道に努力しない)おまえにできるわけがない」「向いていない」「無理」「普通になれ!」という親は、その瞬間に子どもをつぶしている

手厳しい一言ですね。でも、同意できる気がします。(でも、実際子育てしていると、ついこういった余計なひと言を口走ってしまいます。自戒しなければ…)

3 ペナルティを科す親

勉強は「ペナルティがあるからする」とかの問題ではない、と筆者は言います。

小学校の低学年のうちはまだしも、小学生でも中・高学年になってきたとき、罰があるから仕方なくやっているというような子が伸びたためしはありません。

昔(またまた昔の話で恐縮ですが)、関西の多くの進学塾では「スパルタ指導」が普通に行われていました。

宿題ができていないとビンタ、だったり、合格点をとれないと授業中正座だったり、教室に竹刀が置いてあって、課題を提出しなかったりしたら竹刀でおしりを叩くなんていう、今では考えられないような体罰も普通に行われていました。そして親も、「うちの子はビシビシしごいてください」ということが多かったものです。

こういった強制力で無理やり勉強させるというのが常態になっていました。

ですが、今思えば、こういう強制力で「させられていた子」は、思うように成績が伸びなかったものです。

逆のようですが、餌で釣る教師もいましたが、結果はさほど変わらない。

子どもたちが本当に力を伸ばすのは、その子が「本気になってきた」と思われるときでした。

ですから、いかにして本気にさせるか、そこが塾教師の腕の見せ所だったのです。

家庭でも同じでしょう。

やらないといけないと思わせ、やる気を育ててやる、そのための声掛けはとても大切なことのように思います。

4 環境を見ない親

 存在を認めてもらえ、なおかつ長所を伸ばしてもらえる「環境」に我が子を置いてあげることが思春期の子育てには何より必要なことである

5 時代を見ない親

 初めて電子機器を子どもに与えた瞬間が大事である。親こそがその機器のメリット、デメリットを把握し、年齢に適した使い方のルールを親子で話し合うことが重要だ

 

子育てに「もしも」はありません。今、目の前にいる我が子に何をしてやれるか、我が子の将来のために何をしてあげられるのか、親である以上、そこは避けては通れないところだと思います。

もしあのとき、こうしておけば、というのはあり得ません。今目の前のわが子に全力で当たってあげてください。

我が家の娘が、進学した学校の入学式で、親が校長先生に言われた言葉は「18歳までは子育てです。高校をきちっと終了させて大学に入学するまでは、しっかりと自分の子を見守ってやってほしい」でした。

これは「過保護のすすめ」ではもちろんありません。

思春期の一番不安定な時期、親は子供から目を離さず、正面から向き合え、ということだと思います。

言い過ぎず、言わなさ過ぎず、させ過ぎず、させなさ過ぎず、上手に子供の自主性、自立心を育ててあげられたらと思います。

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