親の顔色を窺う子にしてはいけない~私立中学を受験するということ(3)

中学受験を意識するのは、子どもが何歳ぐらい(何年ぐらい)のときなのでしょう。

大手の進学塾に、中学受験を意識して入塾してくる方は、小3から小4辺りというのが最も多く、それだけで8割以上にはなると思います。

ですが、中には小5からとか、小5の半ばを過ぎてからという方もいますし、小6からという子も散見されます。

小4ぐらいまでに入塾してくる子の保護者とお話しすると、幼児教室から小学校の低学年向けの塾を経由しているという方の割合が7割程度。

で、そういったご家庭では、かなり早い段階から中学受験を意識しているようです。

私立の小学校に子供を通わせている場合は、小学校に入る前から次の中学受験が念頭にあると思います。

小5とか小6で入塾してくる場合、「悩んでいました」とか「急に子供が言い出しました」ということもよくあります。

いつから進学塾に入れるか、ということも大切なポイントですが、今回はその前段階のことを少し書いてみます。

進学塾に入れるまでに、親は子どもに何をさせておかないといけないか、どう接しておかないといけないかという話です。

これは、進学塾に入ってきて、どんな子供が伸びるのか、どんな子供が伸び悩むのか、ということに直接つながっていくように思います。

4年からでも5年からでも伸びていく子というのは、語彙力がある(これは、「口が達者」というのとは違います)、集中力がある、人の話をちゃんと聞ける、素直、などといった特性があるように思います。

伸び悩む子というのは、伸びる子の逆のタイプを考えればいいので、語彙力が貧弱、集中力がない、人の話をちゃんと聞けない、素直でない、などとなるわけです。

これらの点については、以前書きました。(幼児期に身につけておきたい7つの資質 ~中学受験に成功する子、失敗する子

是非、参考にしてください。

親の顔色を窺う子は絶対に伸びない

今回は、管理人が少し気になっていること、親に叱られることを極端に意識している子についてです。

塾では「復習テスト」とか「確認テスト」などといった普段の授業でのテストのほか、「公開模試」といった大きなテストも行われます。

テストの成績如何で、次のクラスが決まることも多いので、大部分の親はテストの結果に非常に敏感です。

テストの点数が悪いと、烈火のごとく怒りだす親御さんも多くいます。

多くの子どもたちは親の叱責をまともに受けて、それに耐えながら日々の勉強を頑張っているわけですが、中にはその叱責に耐えられないような子もいます。

そしてそういった子のうち何割かは、ごまかすことを覚えていきます。

宿題をごまかす、テストの点をごまかす、そしてカンニング。

叱られないためにイヤイヤする勉強、これでも十分に伸びない原因になりますが、勉強やテストの中身をごまかすことを覚えた子は絶対に伸びません

こういった子供の特徴は、これらの問題を起こす前から「親の顔色を窺う」ところがあることです。

・親に叱られるのが嫌だからヤル

・親に叱られるのが嫌だからごまかす

・親に叱られるのが嫌だから嘘をつく。

・・・

つまりは、自分で何かしたい、見たい、知りたいというようなある意味子供らしい動機がなく、ただただ勉強をさせられている、そんなイメージですね。

そして、そういう子らは、なかなか成績を伸ばせません。

させられていた結果、3年や4年まではいい成績を取っているかもしれませんが、5年や6年で必ず失速します。

親の顔色を窺いながら、叱られないように「アリバイ」作りとしての勉強をしていった結果、そうなるのです。

子どもを叱ってはいけません、などと甘いことを言うつもりは毛頭ありません。

悪いことをしたら叱らないっといけない、世の中に迷惑をかけたら叱らないといけない、など、人として生きて行く上で大切な部分では特にそうです。

ただ、叱り方は考えないといけないでしょう。

感情に任せて叱る、暴力をふるうなどは論外。

(たまに未熟な塾の講師なんかも、このような叱り方をしますが・・・)

叱ることは、その子供に大切な何かをプラスしてやること、と考え、冷静に叱ることが大切です。

叱ることが、その子供から大切な何かをマイナスしてしまうことにならないようにしないといけません。

勉強させることと叱ること

昔、塾は暴力教室だった!?

かつては、関西の多くの塾では「勉強させるために叱る」ことが普通でした。

中には体罰を加えてでも勉強させる、というところもありました。

今の時代、こういったやり方は一歩間違えば犯罪になってしまいますから、おそらくどの塾もやっていないと思います。

では、子供たちは、まったく叱られることなく勉強しているのかというと、そうではありません。

やっていない子は教師に呼び出され、懇々と説教されます。

塾で預かった以上、成績を上げて志望校に合格させるのが塾の使命だからです。

少しでもやる気になってほしい、何のためにやっているかわかってほしい、そういった気持ちで多くの塾の先生方は子供たちに接しています。

では、家庭ではどうでしょう。

「うちのお母さん、めっちゃ怖い!」

「テストをビリビリニされた~」

「うちのママ、鬼やで」

など、子供たちは言いたい放題、塾でしゃべっています。

宿題をちゃんとやっていなかったら叱る、テストで点が悪かった怒る、などは普通ですよね。

(お母さんの気持ち、よ~く分かります。)

中には、「ゲーム機、破壊された」とか「マンガを全部捨てられた」

ひどい場合は、「テレビ壊された」などもあります。

体罰絡みのこともよく聞きます。

「塾のテキストの角で頭たたかれた」とか、「往復びんたを3回もされた」とか・・・

お母さんの気持ち、ホント分かります。

ですが、叱って怒ってさせるのには限界がありますよね。

そこで、提案を1つ。

とりあえず、子供を叱らないといけない場面になったときは、ちょっとだけ冷静になってください。

そして、1つ叱る前に1つほめることを探してほめてあげましょう。

意外とほめるということは効き目があるように思います。

もちろん、ほめて調子に乗りすぎる子もいますから。ビシッと叱っておくことも必要です。

この「叱ること」と「ほめること」を上手にバランスさせていくことが大切で、塾に入るそのずっと前から、こういったことを意識して子育てされることをお勧めしたいと思います。

そうすれば、過度に親の顔色を窺うような子には育って行かないと思うのですが、いかがでしょうか。

子どもの勉強をサポートするに戻る

記事が気に入ったら「いいね」してください!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください