
男子は一発型が多く、女子はコツコツ型が多い
よく言われることですが、ある意味かなりの確率で当たっているように思います。
もちろん例外もありますが、おおむね、男子はコツコツ勉強することを嫌います。
そしてやらないといけなくなったとき(つまり、お尻に火が着いたとき)、一気にやって成績を急上昇させます。
逆に、女子の多くは、日ごろからまじめにコツコツやって、ある程度までは成績を残します。が、男子のように、ある時からメキメキ成績を向上させるということは少ない。
実際、男子校や女子校では・・・
中学・高校になってからのことですが、こんな話があります。
女子難関クラスで中堅校の位置にある、大阪の女子校大谷中学・高等学校。
ここの校長先生とお話しさせていただいたとき、先生は、
「うちは、日ごろからコツコツ勉強に取り組ませています。その結果、高2ぐらいまでは順調に成績が推移していきます。しかし、高3になって、めきめき力をつけてくる他の学校の男子生徒に逆転されるのです。」
させ方がいいとか悪いとかはあるのかもしれません。ですが、長年、様々なさせ方を工夫してやってきても、最後の最後には男子に負けてしまうということが多く、もっともっといいやらせ方がないかは、常に研究しているということでした。
逆に、灘校を卒業した教え子と話をすると、大谷の場合とまったく逆の話を彼らはします。
「中学の間や高校2年までは、勉強すると言ったら試験前だけ。ふだんは、ひたすらクラブ活動や遊びに真剣に取り組んでいた。」
「さすがに高3になったら、ヤバいと思うから、高3の1年間はまじめに勉強した。」
「英語はセンターでこけない程度までは何とかなった。理数はもともとそれしかやってないから大丈夫。それに、東大と言っても、理系で大問6つのうち、ほとんど正解できるので、英語がしょぼくても合格できるし・・・(^-^;」
ま、これで東大や難関の国立大学の医学部医学科に合格してくるのですから、もともと持っているものも違うのでしょうが。
中学受験でも傾向は同じ
中学受験の受験勉強でも、これによく似た傾向は出てきます。
女の子は普段から暗記や問題演習にコツコツ取り組みますが、男子は、その「コツコツ」が超苦手。
結果、普段のテストでは女子にかなわないことが多い(特に暗記を必要とされる部分では)。
ですが、ようやくお尻に火が着くと目の色を変えて真剣に取り組みだす。
男女の性格の違いにあった勉強のさせ方を
よく、保護者(特にお母さん)と面談すると、「うちの子は暗記物がとても苦手で」とか「こつこつさせようと思ってもなかなか思うようにやってくれなくて」とかおっしゃる方が、特に男子のお母さんに多くいます。
お母さん、安心してください。それで普通です。
こういった子供を机の前に無理やり縛り付けて勉強させるというのは、労は多く、益が少ないやり方で、へたすると、普段の成績も、直前の伸びも芳しくなくなる可能性があります。
最低限のことをクリアしたら、あとは好きに過ごさせることも大切でしょう。
そして、なるべく早く「お尻に火が着いた」状態に持って行ってやれば、勝手に、真剣に勉強を始めます。
それまでは、片目をつぶって、「この子は、今は最低限のことはやっているから大丈夫」と心の中で自分に言い聞かせておいてください。
逆に、コツコツ型の女の子の場合は、そばで見ているとじれったくなって、「どうしてそんな手間のかかるやり方をするの?」と責めないように気をつけないといけません。ただ、「こういうやり方をするといいかも」的なサジェストは与えてあげてください。効率だけを求める勉強方法が苦手な子が多いのです。
男子でも「コツコツ型」はいますし、女子でも「一発型」はいますから、要はその子の性格に合ったさせ方が必要だということ、性格に合わないさせ方はその子をダメにしてしまう可能性があることは心してほしいと思います。
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