小さいときから勉強させたほうが、いい大学に行ける?

幼少期の「正しい」育て方とは?

子育ての「正しい」を見直す

個別指導塾のTOMAS(トーマス)が運営する中学受験情報メディア[スカラ]に「子育てや教育における迷信が、学問的研究によって打ち破られる」という記事が出ていました。教育評論家の親野智可等(おやのちから)さんが書いた記事です。

筆者は、この記事の中で、子育てや教育で「正しい」と考えられていた事柄について、実は最近の学問的研究によって、それらが誤りだったという5つの事例を挙げています。

子供が小さいうちは「思いっきり好きなことをさせる」は正解?

その中で、特に管理人の気になった部分は、「小さいときから勉強させたほうが、いい大学に行ける?」という部分。

少し引用します。

内田伸子・お茶の水女子大学名誉教授の研究によると、偏差値68以上の難関大学に合格する子は、そうでない子に比べて、小学校入学前に十分遊んだり、自分が好きなことに熱中したりしていた割合が高い、ということが判明しました。
(中略)
幼児期に本人の主体的な遊びを重要視して非認知能力を伸ばすような教育を受けた子どもは、その後の人生においても、勉強や仕事などに対して意欲的に取り組めるようになり、結果的に学力や収入が高くなるということです。

「幼いうちから塾通い」の是非

これをお読みの皆さんの中にも、将来の中学受験のため、将来優秀な子に育ってほしいという思いで、幼児期からせっせと勉強させた、塾通いさせた、などの経験がある方も多いと思います。

その多くは、座学つまり机の前に座って計算問題や文章問題を解いたり、文章読解に精を出す「お勉強」だったのではないでしょうか。

通う塾によっては、例えば算数でどんどん先取り学習をさせ、小2ぐらいの段階で、小6のことまで勉強しましたという方もいるようです。

そういった塾の先生の中には、小学校3年で小6が受験用に使うような分厚い参考書の内容までできるようにさせた、と豪語する方もいらっしゃいます。

早くから塾通いした子は「伸びない」のかも…

ですが、今まで管理人が指導してきた中学受験生の中で、そこまで先取りしてきたことが生かされているなと感じた子供は、残念ながらほぼいません。

何か目新しいことを勉強すると、子供たちの目の色が変わります。もちろんそれが彼らにとって難しすぎる場合は目が暗くなるのですが、適切な内容を適切なレベルで伝えることができたら、子供たちは食い入るようにその内容を理解しようとしてくれます。

ところが、幼少期から先取りをしてきたような子供にとっては、それは「見たことがある」内容だし、たとえ正しく理解できていなかったとしても「なんとなく知っている」ので、そうではない子のように「食いつく」ことはありません。

ですが、きちんと理解できているわけではないことが多いので、こういう状態が続くとどんどん失速していくのです。

「勉強以外の何か」に一生懸命になっていた子は

逆に、4年や5年からぐいぐい成績を伸ばして行く子は、ほぼ例外なく先取り学習をやっていない。たまに3年で公文の数学で中学内容まで終わった、という子はいますが、そのレベルです。

むしろ、幼いころから「(勉強以外の)好きなことを一生懸命させてきました」という親御さんが多い。

電車・鉄道の好きな子には家族ぐるみでそのバックアップをしたり、図書館でお気に入りの本を見つけてそれを親子で一緒に読んだり、など、親が手を貸すのは、子供が一生懸命になれる何かを見つけるため、そしてそれが見つかったらその夢中になることを後ろで支えてあげる。

外遊びが大好きで、明るいうちはほぼ家にいませんでした、とおっしゃるお母さんもいらっしゃいました。

もちろん、小3ぐらいまでは学校で習ったことは当たり前にできていないといけませんが、それだけで十分な気がします。

そうやって幼少期を過ごしてきた子は、4年生ぐらいから中学受験を意識して塾に入ると、最初のうちこそなかなか思うように出せない成績に苦しみますが、そのうち徐々に頭角を現してきます。

そして最終的に最難関校の一角に合格して行く子が多いのです。

こういった感覚を、管理人としては持っていたのですが、今回の記事によると、この感覚が学問的に裏付けられたということですね。

 

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