子どもの考える力を育てる。
2020年どから、現在のセンター試験が廃止され、新制度の大学入試が始まります。
今はまだ小学生という子供たちは、嫌でもこの新制度の大学入試に突入していくことになります。
今回の改革では、「思考力」「判断力」「表現力」を重視するような試験問題を作成し、実施するという方向性が打ち出されています。
また、個別に行われる各大学の2次試験でも、同じような方向で入試が行われるようです。
ということは、どこかで「思考力」「判断力」「表現力」を磨く練習を、勉強の中に取り入れていかないといけなくなるということですね。
中学や高校では、すでにアクティブラーニングという方法が徐々に実践され始めています(本サイトの「大学入試改革を受けて中高でアクティブラーニング実施?」参照)が、小学校の間、何の対策もしないという訳にはいきません。
では例えば思考力を伸ばすのにどんな勉強が役立つのでしょうか。
少し前に、こんな記事をネットで見つけました。
医学部は3人に2人 東大脳育てる公文式の“小さな成功体験”(日刊ゲンダイDIJITAL)
これによると、東大生の3人に1人が公文式の経験者、東大医学部に至っては、3人に2人が経験者だというのです。
できるまで自力で考えてミスを修正し、「できた」という成功体験を積み重ねる。繰り返し学習で忍耐力を養うことが、東大合格を勝ち取る力につながる
公文式の回し者のような、公文式を絶賛する記事ですね(^-^;
公文式は本当に東大脳を育てるのか?
実際、ボクが教えていた中学受験の受験生の中にも、公文式をやっていました、という子供は多くいました。
ただ、3年までやっていました、とか、3か月で辞めました、と言う子が圧倒的に多く、4年からは塾のことに力を注ぎたいというご家庭が多かったですね。
ですから、公文式を経験しているといっても、小学校の低学年まで、という子供が多いのではないかと推測されます。
だから、それが「東大脳を育てる」とまで言えるのかどうか、ちょっと疑問です。
別に公文式に恨みがあるわけではないのですが、絶賛というのはどうかなと思いました。
中学受験とその先のことを考えるなら、ボクならZ会を推薦します。
計算は、どんなシステム、どんな形でやっても力はつけられます。
そろばんをやっても、百マス計算を必死でやっても、どんな子でも力はつくはずです。
(中学受験のために計算力をつけるのは重要なので(^-^;)
公文の算数は、できないよりはできた方がいいかもレベル
~実際、3か月、もっと短い子は1か月で辞めたりしますが、同じ計算問題を繰り返すだけで面白くない、飽きるという声も聞きます。でもその子らがその後伸びないということはありません。むしろ、考える勉強が好きな子に多い傾向です~
ぐらいに思っておくのがいいでしょう。
それに対して、Z会は、教材自体がとてもよく練られています。
幼児から小学校の4年ぐらいまでは、計算力をつけるのと並行して、Z会のテキストに収められた問題を、じっくり考えながら解かせるというのでも、十分思考力は育ってきます。
(幼児~小1、2年ぐらいまでは、親が「一緒に」やってあげるという方がいいでしょうが。)
こういう思考力が身についてきたら、中学受験を考えるにしても5年から塾で間に合うレベルです。
そして、何より大切なことは、親が、考えることが「楽しい」経験になるように仕向けていくこと。
できなかったら叱り飛ばし、なぜ出来ないか詰問し、子供を追い込む。
これは最悪です。絶対にやめてください。
電子機器を利用する勉強は役立つ?
最近は、電子機器を利用した勉強の教材も多くみられるようになってきました。
ジャストシステムのスマイルゼミとかはその最たるものでしょう。
子どもが興味を持ってどんどん自分から取り組んでいけるのなら、使ってもいいかもしれません。
ですが、ちゃんと自分で読んで、試行錯誤しながら問題を解決していくという、本筋の考える力を身につけるには、少々物足りない気がします。
紙の教材を使って、いろいろ書き込んで、考える。
題材は、何でもいいのですが、目の前の問題を「意味をくみ取り」「何が問題か整理し」「それに対して対処する」力をつける、その問題解決の方向性が身につくようにする。
時には親が一緒になって考える、あるいは、考えるためのヒントを出してあげる、そういったことも必要になるでしょう。
ですが、このようにして考える力、思考力を身につけていくこと、これに勝るものはないと思うし、中学受験だけでなく、中学、高校になっても使っていける力が養われていくのではないでしょうか。
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