算数を一生懸命勉強する意味は何?

何のために算数や数学をがんばらんといかんの?

みなさんは「何のために」算数や数学を勉強するのでしょう。
子供にこんなことを質問されて、納得いくように説明できますか?

算数・数学は実生活で役立つ?

単純に、それが好きだから、面白いからやっているという人もいるかもしれません。
でも大部分の人は「仕方なく」やっているのではないでしょうか。
実のところ、算数や数学が実生活で役立っているかというと、
なかなかそれは実感しづらいものです。

算数が使えそうな場面っていうと…

それでも、算数が使える場面は多少はあって、
お店に行って何かの買い物をするとき、
「これとこれを買ったので、合わせて850円だから、1000円札でお釣りをもらおう」
とか、
税別の価格表示を見て、「消費税を入れたらいくらになるだろう」と計算してみるとか、
そんな場合ですね。
大人になって、何人かで食事をし、「割り勘で」支払うときには、一人分の代金をわり算で求めることもありますが・・・

計算ならスマホの電卓で十分では?

ですが、これらを含めてほとんどの場合は、今ならスマホの電卓でちゃちゃちゃっと計算できてしまいます。
実生活での算数の出番はどんどん減ってきているのですね。

数学は実生活でもっと使えない?

数学はどうかといえば、「これら2量の関係は1次関数なので…」とか「あの三角形とこの三角形は相似なので、相似比から考えて…」などは、普通に社会生活を送っている限りまず使うことは無いはずです。

それでも、ボクたちは子供の時分から大学に入るまで、算数や数学を習い続けます。

それはなぜなんでしょう。

算数と数学の役割とは?

その話をする前に、算数と数学の役割を少し明らかにしておきましょう。

算数は数学の土台になる

算数と数学は、似て非なる学問ですが、数学を勉強していく上での大きな土台は算数で培われます。
実際の数字を使った様々な計算方法や、数の性質、平面図形や立体図形の基本、速さや割合の考え方など、数学を学習するための前提を算数が担っているのです。

ボクは長いこと「算数」特に「中学受験に向けた算数」を小学生の子供たちに教えてきました。
入試レベルの問題を解こうとすると、これら算数が担っている部分を究極まで磨き上げておかないといけません。

算数力を磨けば数学力が格段にアップする

しかし、算数の力を磨いていくメリットはそれだけではありません。
中学受験に必要だから「磨く」というだけでなく、その先、数学の勉強をスムーズに進め、その力を磨いていくときにも、中学受験のために磨いた算数の力は役立ちます。

最近、個別指導などで、数学の指導も行う機会が多くなってきたのですが、例えば数学Ⅰで扱う2次関数や三角比から、数学Aで習う場合の数や確率、図形の性質、整数の性質に至るまで、算数で磨いた力が利用できる場面は多々あります。
たとえて言えば、数学ⅠやAで、それを習得し自分のものとして使えるようになる課程を、階段を10段上る行動だとすれば、算数力をそこまで磨いていない人はそれを1段1段地道に上っていくしかありません。途中の段でおそろしく苦労することもあるでしょうし、脱落する人もたくさんいるでしょう。
でも、算数力を磨いてきた人は、この10段の階段を1段飛ばしで上ったり、1,2,3,5,10と一気に上まで登り切ったりできるのです。もちろん、地道な作業が要求されることも多いので、途中で脱落者が出ないわけではありません。ですが、多くの人は、比較的スムーズに上り切るでしょう。

数学は「なぜ」を徹底的に追究する

数学は、「なぜ」を重視する学問です。
「なぜ」その公式が成り立つのか、「なぜ」その考え方は正しいと言えるのか、「なぜ」解はその範囲なのか、「なぜ」「なぜ」「なぜ」…
これら多くの「なぜ」に答えられるようになるため、様々な解法を考え、証明方法を学んでいく。
「なぜそうなるか」には、特に高校レベルまでで扱う数学にはかならず論理的な理由付けが可能です。
それをいちいち自分の頭を搾って考え、道筋をつけていかないといけません。
この論理的な思考方法を徹底的に身につける手段として数学は存在するといっても過言ではありません。
もちろん、論理的な思考力を身につけるための役割は、数学だけが担っているわけではありません。
化学で習う元素記号のように、単純に「これは暗記しようね」で済むことは、特に高校レベルになってくれば、どんどん減ってきます。社会でも出来事、年号の丸暗記で通用することはまずありません。
どういう理由でその考えが正当化されるのか、という論理性はどの教科でも持ち合わせています。
ですが、数学のいいところ、分かりやすいところは、その論理性に白黒をつけられるところでしょう。
白黒がはっきりした問題で、論理的な力を磨けるなんて、最高じゃないですか。

ボクたちが算数・数学の教育に求めたいもの

そこで、「ボクたちが子供の時分から大学に入るまで、算数や数学を習い続ける理由」です。

先ほど、数学は「なぜ」を重視する学問と書きました。
この「なぜ」の解明のためには脳みそをフル稼働させないといけませんが、それを若い、頭がまだまだうんと柔らかいうちからやっていくことで、論理的に物事を考える力が磨かれていきます。
それだけでなく、算数や数学にしっかり取り組むことで、直感的、感覚的な部分にも大きな影響を与えることができるのです。
鍛えられるのは、左脳的な論理の力、右脳的な、感覚的、直感的な部分、形をイメージする力、ひらめき力などでしょう。

算数・数学で学んだことを糧にしてほしい

以上書いたことから、算数・数学は「論理力」「直観力」「ひらめき力」に資する部分を多数持ち合わせています。ただし、実践的ではありませんから、そこで完結させず(完結させていいのは数学者か学校の数学の先生か、塾や予備校で算数や数学を教えている人だけ…(^-^;)、それを自分のキャリアの中で生かせるようにしていって下さい。

算数・数学をしっかり勉強して、これらの力を自分のものにしていくことは、混沌としたこれからの世の中で生きていく上でも必ずプラスに働くことでしょう。

スカイプ個別指導でも「なぜ」を重要視

親と子の中学受験マニュアルで行っている「個別指導」スカイプ個別指導も開始から3年経過しました。この個別指導で、特に算数は「なぜ」を強調して指導しているつもりです。

直ちに結果につながるという勉強ももちろん大切、その上で、「なぜ」を問いかけることで、あと一歩子供の思考が深まり、さらに応用力が磨かれていくのです。

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