小3から灘中学を目指す2

小3から灘中学を目指す2

灘中の算数で、確実に7割取っていくための基礎
算数といっても、問題の種類は様々です。
そして、最難関の学校ともなると、教科書通り考えれば得点できる問題はごく小数。
多くの問題は、問題を読み、内容を把握し、条件を整理し、書き出し・・・といった作業をしながら、
その中からルールを見つけ、正解に迫っていくという作業が不可欠です。
そして、そういった作業をやっていくための力が、要求されるのが最難関の中学受験、算数の教科です。

根気よく数え上げる力

これはどういった力かというのを、具体例で説明します。

例1

整数1,2,3,4が書かれた4枚のカードを使って

(1) 4けたの整数は何個できるか

(2) (1)のうち偶数は何個できるか

(1) 小3の段階では、小さい順に、または大きい順に書き出すことが大切です。
ここでは、小さい順に書き出してみます。
まず、1で始まるもの。
1234,1243,1324,1342,1423,1432 の6個。
2で始まるもの
2134,2143,2314,2341,2413,2431 の6個。
同じように3で始まるもの6個、4で始まるもの6個を書き出して終わりです。
このとき、1でも2でも6個ずつだから、3でも4でも6個ありそうだ、と予想することはとても大切です。
予想が当たっているか調べさせることも大切です。
また、書き出しのとき、1の次に2がくる場合,1の次に3がくる場合,…と書き出しにもルールを決めてやることも大切です。

(2) (1)で書き出した、小さい順に並んだ24個を順に調べていくと、1の位が2か4であることや、1つ飛ばしに出てくることなどに気づきます。
このように、自分で作業し、気づくということが大切なんです。

例2

整数1,2,3が書かれたカードがたくさんあります。これを、次のルールに従って並べます。

ルール1 1の次には必ず2を並べる

ルール2 2の次には必ず3を並べる

(1) 2けたの整数は何通り作れますか。

(2) 3けたの整数は何通り作れますか。

(3) 5けたの整数は何通り作れますか。

 

(1) 2けたの整数を、ルールにしたがって書き出します。
12,23,31,32,33
闇雲にかき出すのではなく、
1で始まるもの → 2で始まるもの → 3で始まるもの
の順に調べたでしょうか。
また、ルールの適用はできたかが、ここでチェックするポイントです。

(2) 同じく、書き出してみます。
先ほどと同様、
1で始まるもの → 2で始まるもの → 3で始まるもの
の順に調べてみると、
123,231,232,233,312,323,331,332,333の9個です。

これは、(1)で作った2けたの整数が利用できることに気づけばいいでしょう。
12→3,23→1か2か3,31→2,32→3,33→1か2か3
つまり、2けたの数の最後の数が1か2のときは1個ずつ作れて、3のときは3個作れるということです。
こういったことも、自分で気づくことが大切です。

根気よく数え上げる力を養うことには大きな意味がある

根気よく数え上げる力というのは、結局のところ、自分で書き出し、調べ、その中のルールに気づくこと、そしてその先に少しでも楽ができる方法を「自分で」見つけ出すこと。

こういった力は、中学受験のみならず、その先の勉強にまで大いに役立ちます。

大手の進学塾によっては、この途中経過をきちんと教えないまま、簡単な結果の出し方だけを教えてしまうようなところがあります。ですが、それでは本当の子供の力は発見できないし、伸びてもくれません。

(多くの「難関」幼児教室でも、結果のみどんどん教えたがり、その結果、将来算数の出来ない子を量産しています。)

本当に必要な力をつけていく基礎をこそ、小学校3年生ぐらいまでにやっておいてほしいと思います。

次の解答例の意味もそのうち理解してくださいね

ちなみに、〔例2〕(3)の解答は31個。

数え方は次の通り。

ひとつ前の桁数の数のうち、3で終わったものの個数が次の桁数の1で終わる整数の個数と同じ。

ひとつ前の桁数の数のうち、1と3で終わったものの個数の和が次の桁数の2で終わる整数の個数と同じ。

ひとつ前の桁数の数のうち、2と3で終わったものの個数の和が次の桁数の3で終わる整数の個数と同じ。

というルールにあてはめます。

1ケタの数は1(㋐),2(㋑),3(㋒)の3個

2ケタの数は、1で終わるものが、㋒の1個に続くので1個(㋓),2で終わるものが、㋐の1個と㋒の1個の和で2個(㋔),3で終わるものが、㋑の1個と㋒の1個の和で2個(㋕)で、合計5個。

3ケタの数は、1で終わるものが、㋕の2個に続くので2個(㋖),2で終わるものが、㋓の1個と㋔の2個の和で3個(㋗),3で終わるものが、㋔の2個と㋕の2個の和で4個(㋘)で、合計9個。

4ケタの数は、1で終わるものが、㋘の4個に続くので4個(㋙),2で終わるものが、㋖の2個と㋘の4個の和で6個(㋚),3で終わるものが、㋗の3個と㋘の4個の和で7個(㋛)で、合計9個。

5ケタの数は、1で終わるものが、㋛の7個に続くので7個,2で終わるものが、㋙の4個と㋛の7個の和で11個,3で終わるものが、㋚の6個と㋛の7個の和で13個(㋕)で、合計31個。

こうやって書くと難しそうですが、いったんコツが分かれば、次々と求めて行けます。

⇒ 小3から灘中学を目指す1

⇒ 小3から灘中学を目指す3

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