進学塾の選び方~塾のオリジナルテキストで考えてみた~

関西の中学受験が本格的に始まるのは1月中旬。

そしてこの時期はちょうど、大手の進学塾の(大手だけではないですが)募集の時期と重なります。

最近ではほぼすべての塾が、2月を新年度の始まりとしていますから、この入試という1年の集大成の時期と新規募集の時期が被るのですね。

進学塾を捜し検討している保護者の方の中には、その年の塾の合格実績なんてのも参考にする方がいらっしゃるのかもしれません。

ですが、管理人は、そういった「合格実績」と同じかそれ以上に、カリキュラムや実際の使用教材は重要ではないかと思っています。

(もちろん、これは当たり前すぎる話ですが、どこの塾に行くにしても「人」以上に大切なものはありません。教えてくれる先生や、受付をしてくれる事務の方、校をまとめる責任者、塾の方針を決めるえらい方などなど)

そこで、今現在、進学塾探しをしている方に、少しでも参考にしていただけたらと思い、大手進学塾が使用しているテキストについて書いてみようと思います。

大手の進学塾はたいてい、主教材を自前で作成しています。

それだけではなく、中小の塾でも、かなり個性のあるテキストを自分たちで作成し、使用するということが多くなってきたようです。

ただ、中小の多くの塾は、表紙を巻き替えて、関東の(最近Z会に吸収された)栄光のテキストを使っていることもよくあり、また、四谷大塚(これも関東です)のテキストやテストをそのままシステムに組み込んでやっているところも多くあります。

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今回は、こういった関東発生のテキストではなく、関西の大手進学塾が使っている「オリジナルテキスト」について、管理人の思ったことをかいていきます。

(管理人は主に算数を教えている関係上、算数のテキストの話が中心になります。)

算数オリジナルテキスト比較

比較する塾は、浜学園希学園日能研能開センター馬渕教室の5つ。

5点満点で点数をつけてみました。

ポイントのまとまり具合

浜学園 4点,希学園 5点,日能研 2点,能開センター 3点,馬渕教室 2点

ポイントが分かりやすく、中学入試に直結して役立つ内容となっているのは、希学園浜学園

能開センターのテキストは、以前と比べると良くはなってきましたが、まだポイントにズバズバと切りこめていない、ちょっと中途半端感があります。

日能研のテキストは「え?どこが大切なの?」といった感じで、ポイントを押さえにくい。

馬渕のテキストも、章・節などのまとめ具合はいいのですが、見直してもどこが大切か分かりづらい。

算数苦手な人のための難易度と分量

浜学園 3点,希学園 4点,日能研 2点,能開センター 4点,馬渕教室 4点

算数が苦手な子の扱いやすさという視点で採点しました。

1冊で平常の授業での全クラスに対応させないといけませんから、どの塾でもある程度難易度の幅を持たせて作っています。

ですが、算数が苦手な子が取り組み易い問題の多い、少ないはあります。

浜学園のテキスト

算数の学力が低い子用に、問題に☆印をつけてくれていますが、その量はほんの僅か。

しかも、絶対押さえておきたいようなポイントとなる問題に☆がついていなかったりします。

それだけではなく、例題と類題の関連性に問題があります。

つまり、例題で扱った重要ポイントと全く別物の問題が、直後の類題に出てくるということも。これはいただけません。

希学園のテキスト

例題と類題が秀逸。ポイントをしっかり押さえた問題をきちんとこなしていけるような作りです。

ですが、直後のAレベルの問題は一気に難易度が上がることが多く、算数が苦手な人は苦労します。

類題を数多くこなして、というタイプの子には少々荷が重いかもしれません。

能開センターのテキスト

例題・演習と、よく似た問題がダラダラ続く印象です。それだけに、算数の苦手な人が「たくさん練習したい」と思えば、結構練習量はとれそうです。

ただ、数字の設定など細かなところでの調整がうまくなっていなくて、やたら計算で苦労させられたり、という、「易しいはずなのにやりにくい問題」が数多くあります。

このあたりはもう少し工夫してほしいところです。

日能研のテキスト

ポイントからズバズバ切り込むのではなく、「こういうことから考えて、何が大切と分かるでしょう?」式のまとめかたになっていることが多く、ポイントがはっきりしないまま数はこなせよ的な発想である気がします。

算数苦手という人も、ある程度「問題解いた」感を持たせることはできますが、ポイントがあいまいなまま進めば、やった割に力がついていなかったなぁ、となるおそれがあります。

馬渕教室のテキスト

よく似たレベルの問題にたくさん当たれるという長所があります。日能研と比べると、ポイントごとでのまとまりはまだいい方なので、量を当たっていきたいという方にはいいかもしれません。

総合的な使いやすさ

こうやって見てくると、塾のオリジナルテキストはどこも一長一短があって、単純にその良し悪しを決めるのが難しいですね。

ですが、あえて書けば、管理人としては「希学園」のテキストを一押ししておきたいです。

算数の重要ポイントを、段階的に非常に分かりやすくまとめており、後から見直しても大切な部分が一目でわかります。

浜学園のテキストも、大筋は希学園のものと似ていますが、やや独りよがりなポイントのまとめ方があり(要するに説明不足)、自学自習には向きません。

そしてどこのテキストにも当てはまりますが、そのテキスト1つですべての学校に対処できるわけはありません。

クラス帯に応じて重点の置き方も変わるし、場合によってはテキストを補完する補助プリントの方が重要だったりするわけです。

また、本科の授業(平常の授業)とは別に、学力に応じて行われる特訓の授業で、不十分な点をうめていくということも必要になってくるわけで、

そういう意味では、できるだけ1冊でうまくまとめられたテキストを使って力をつけてくれる方が経済的です。

とにかく、目星をつけた塾を実際に訪ね、テキストも見せてもらい、その説明も聞いたうえで、塾選びをしてください。

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