親のための算数講座(5) 速さと比

速さでも比を使おう

速さの問題も、比が利用できると楽に解けることも多くあります。

進む時間が同じとき

【例1】A君とB君が100m競走をしました。同時にスタートし、A君がゴールに入ったとき、B君はゴールの手前20mのところにいました。A君が秒速7mで走ったとすると、B君は秒速何mで走りましたか。

A君が100m走るのにかかった時間は、えーと、100÷7だから14と7分の2秒で、その間にB君は100-20=80m進んだのだから、80÷14と7分の2だから、えーと、・・・

などと考えれば手間も時間もかかってしまいます。

そこで「比」の登場です。

速さと比のポイント1

同じ時間進むとき 速さの比=進んだ距離の比

この問題では、A君が100m進む同じ時間で、B君が80m進んだことになります。

このとき進んだ距離の比は100:80=5:4

ですから、速さの比も5:4.

Bの秒速は、7÷5×4=5.6mとなります。

もう少し、簡単な例をやってみましょう。

【例2】P地点とQ地点は800m離れています。A君はP地点から分速120mで、B君はQ地点から分速80mで、同時に向かい合って出発しました。2人が出会うのは、P地点から何mのところですか。

同時に出発すると、出会うまで同じ時間進みます

ということは、出会うまでに進む距離の比は速さの比と同じで、120:80=3:2

A君が進んだ距離を③、B君が進んだ距離を②とすれば、2人で合わせて⑤=800m進んだということです。

①=800÷5=160m

出会った場所は、A君の進んだ③=160×3=480m地点です。

hayasatohi1

 

上のような図を描いて考えるといいですよ。

すすむ距離が同じとき

【例3】兄は家から学校まで分速100mで歩いていき、妹は家から学校まで分速75mで歩いていきます。同時に家を出たところ、兄が妹より3分早く学校につきました。家から学校まで何mありますか。

解き方を2つ紹介しましょう。

[解法1]

速さの比が4:3で、兄が学校に着いたとき④進んだとすると、妹はこのとき③進んでいます。

あと①すすめば学校ですね。

3分かかるので、

①=75×3=225m

ですから、学校までの距離は④=225×4=900mとなります。

[解法2]

次のポイントを利用します。

速さと比のポイント2

同じ距離を進むとき 速さの比とかかる時間の比は逆比の関係

家から学校まで、同じ距離を進むので、

かかる時間の比は、速さの比の逆比で3:4

兄が③分かかるとき妹は④分かかるということです。

①が3分なので、兄は3×3=9分かかったことが分かります。

100×9=900mですね。

次の例も考えてみましょう。

【例4】山のふもとから頂上までを往復します。登りは毎分40m、下りは毎分60mで歩きます。往復で3時間かかったとすると、ふもとから山の頂上まで何mありますか。

登りも下りも同じ距離を進みます

ということは、かかる時間の比は速さの逆比。

速さの比 40:60=2:3

なので、時間の比は3:2となりますね。

登りに③分かかるとすると、下りは②分、往復で⑤分かかります。

⑤=3時間=180分

①=180÷5=36分

ですから、登りにかかった時間は36×3=108分

すすんだ距離(片道)は

40×108=4320mですね。

 

今回紹介した「速さと比」は、難しい速さの問題でこそ役に立つ考え方です。

図を上手に描き、使える部分がないかをよく考えていくことが、難問に対応できる力を養います。

お父さんやお母さんも、速さの問題を方程式で解くのではなく、比を上手に使ってはいかがでしょう。

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