親のための算数講座(3) 相当算

前回、割合の公式はいりませんと書きました。

簡単なことをややこしく教えるのは労力がかかります。

そして何より、子供のやる気をそいでしまいます。

大切なことは、

いかに難しいことを易しく教えるか、ということ。

どの塾も、こういったところには苦心しているのですね。

分数の魔法

さて、今日は割合と分数。

子供たちは、どちらかというと分数を扱うのは苦手です。

でも、教え方一つで、分数の割合がとても楽しいものになります。

【例1】太郎君は持っているお金の7分の2でノートを買うと350円残りました。持っていたお金はいくらですか?

分数の基本は、○○に分けたうちの△△分という意味。

これを利用しましょう。

1 持っているお金を7つに分けるので、⑦とします。

2 使うのはこのうちの2つ分、つまり②です。

すると、残りのお金は⑦-②=⑤ですね。

これが350円なので、①=350÷5=70円

ですから、初めに持っていたお金は⑦=70×7=490円となります。

【例2】花子さんは持っているお金の3分の1でお花を買い、5分の2で花瓶を買うと1200円残りました。持っていたお金はいくらですか?

今度は分数が2つ出てきました。

3分の1ということは、持っているお金を3つにわけないといけません。

5分の2ということは、持っているお金を5つにわけないといけません。

ということは、3でも5でも割れる数、つまり、最小公倍数の15を利用しましょう。

1 持っているお金を3と5の最小公倍数の⑮とします。

2 お花は、⑮÷3=⑤、花瓶は⑮÷5×2=⑥になりますね。

すると、残りのお金は⑮-⑤-⑥=④になりますね。

これが1200円なので、④=1200円

①=1200÷4=300円ですから、持っていたお金は⑮=300×15=4500円となります。

応用してみましょう

次は、この考え方を少し応用してみましょう。

【例3】二郎君の学校の5年生は、男子が学年全体の8分の3より16人多く、女子は学年全体の12分の5より4人多いそうです。5年生の人数は何人ですか。

例2と同じように、全体の人数を決めます。

分母の8と12の最小公倍数24を使って、全体の人数を㉔とします。

8分の3は⑨ですから、男子の人数は「⑨+16人」

12分の5は⑩ですから、女子の人数は「⑩+4人」

男子+女子=㉔ですから、⑨+16人+⑩+4人=㉔

整理すると、⑲+20人=㉔

⑤=20人と分かりました。

①=20÷5=4人ですから、全体の人数は㉔=4×24=96人

(以上を、線分図を使ってまとめてやると、もっと理解が深まりますね。)

分数のままでもできますが…

分数にこだわって、「全体を1として…」とやると、もう大変。

分数そのものが分かりにくいうえに、1って言われても…と、子供たちの頭の中が大混乱。

理解させるのに多大な労力がかかります。

ですから、この①を使うやり方でまず「簡単なんだ」と思わせること。

これが肝心です。

今回の問題は、「相当算」という文章題です。

分数の割合ではなく、百分率や歩合で出てくることもあります。

ですが、それらを分数の割合に直して全体をいくつ○とかにしてやると、同じように問題がすいすい解けますから試してください。

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